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2010年11月22日 (月)

NHK「夢を打ち上げる人びと~密着・ロケット発射100日間~」を観て

NHKのハイビジョン特集「夢を打ち上げる人びと~密着・ロケット発射100日間~」(2010/11/18放送)を観た。
時間があればじっくりと見たい「ハイビジョン特集」。でもいつも早送りで見ている。1時間半が長いので・・・。
しかしこの番組は目を離せなかった。番組の解説にはこうある。
「2010年9月、鹿児島・種子島宇宙センターから、人工衛星を載せた50機目のロケットが打ち上げられた。NHKは報道機関として、初めて発射作業の舞台裏に完全密着。高さ81mの巨大な建物の中で繰り広げられるダイナミックなロケット組み立て作業。地下12mに造られた発射管制室では、打ち上げギリギリまでトラブル回避の作業がつづく。驚きと不思議に満ちたロケットの知られざる世界を、100日間にわたって取材した。」

この作品は、三菱重工の社内や種子島宇宙センターに入って、ロケットの製作の模様、及び種子島における発射の瞬間までを追ったドキュメンタリーである。人々の息づかい、緊張、そして衛星分離での歓声・・・。ある共通の目標に向かって、人々が結集する姿や、それを束ねる執行責任者の姿を追っていた。

この番組に出てくる2010年9月11日に打ち上げられたH2Aロケットは、WIKIによると「地上設備・打ち上げ費用等が約335億円」だという。(その他「衛星開発費が約400億円」)それがたったの30分で結論が出てしまう。もし失敗だと、700億円がパー・・。こんな怖ろしい仕事が世の中にあったのだ。ロケットのミッションからすると、打上後30分間で衛星を放出できたら、それで終わり。ロケットが100億円とすると、1分が3.3億円、1秒が550万円に相当する。1秒550万円の仕事か・・・

しかし、発射に向けたプロジェクトの動きは男冥利に尽きる。リーダー(執行責任者)の温和そうだが厳しい目。まさにリーダーは徳がなければ務まらない。責任の重圧、しかし衛星放出の瞬間は、ただ祈るだけ・・・。そして「衛星分離」のアナウンスとともに安堵の顔に戻る・・・

幾多ある仕事の中で、これほど集中的に達成感を味わえる仕事はない。こんな国家的大プロジェクトをやってのける三菱重工という会社は、まさに日本の顔・・。
学生時代、同じ下宿にいた先輩が三菱重工に行った。その後の消息は分からない。自分とは縁の薄い会社だが、この番組を見て、特に三菱重工の巨大さ、底の深さを認識した。

そもそも自分は理系(のつもり)なので、このような番組は好きだ。機械モノや、特に製品がどんどん作られて行く自動機械の流れなど、見ていて楽しい。
小学校低学年の頃、ロケットとロボットが好きだった。当時夢中になっていたブリキ製のオモチャの人間型ロボット。そして宇宙に羽ばたくロケット。どれもマンガから来ている。子どもの時に母親に聞いたことがある。「ロケットとロボットはどっちが難しい?」。母親が何と答えたかは忘れたが、「大人になったら、ロケットかロボットを作るんだ・・・」という夢は消えたけど、でもロケットは未だに憧れ・・・

色々と別世界に連れて行ってくれるドキュメンタリー番組は面白い。特にハイビジョンになってからは、画像もリアル。同じように、何か巨大プロジェクトが出来上がってゆく過程を色々と見たいね。ダムとか、船とか、飛行機とか・・・。次の番組に期待!

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