TBSドラマ「塀の中の中学校」を観る
先日放送され、録画しておいたドラマ「塀の中の中学校」(2010/10/11放送)(ここ)を観た。カミさんが観て、良かったというもので・・・
舞台は松本市にある「松本少年刑務所」の中にある「松本市立旭町中学校桐分校」。日本で唯一の刑務所内にある公立中学校だという。ドラマは入学式から始まる。普通の中学生と思っていたら、70代の老人までいる5人。皆、義務教育を受けることなく人生を生き、それ故に犯罪に手を染めた人たち。みな複雑な家庭環境であり、苦労の末だ。でも中に、小学校6年の時に2年間病気で入院し、退院したものの弟や妹に先を越され、プライドずたずたで学校に行かなくなった、という人も居た。こんなキッカケは、どこにでもありそう・・・
皆、今までの人生を読み書きが出来ないのを隠しながら生きてきた。それが1年間の勉強で、自信を身につけていく過程が描かれていた。
最後のテロップにこうあった。「昭和30年以来、桐分校を卒業した受刑者は691名。再犯率は極めて低い。」
冒頭の関係者の語り・・・。「昭和28年当時、255名の受刑者中200名が義務教育未修了者だった。何とか救済策はないかと考え、桐分校が生まれた。」
先日カミさんが買ってきたビッグイシュー(ここ)。ここに「若者を襲う貧困~高校中退者の今、未来」という特集があった。
それによると、実質の高校中退率は2005年度で8.3%だったという。しかし文科省発表の中退率は2.1%・・・・。そのからくりはこうだ・・。(写真はクリックで拡大)
「文科省によれば、全国の高校中退者は90年の12万3千人をピークに、82年から07年まで7万~12万人規模で推移してきた。中退率は毎年「2%」台だという。
「中退率をより正確に算出しようとすれば、ある年に入学した1学年の3年間の中退者数を調べ、それをその入学時の在籍数で割らなければいけないのですが、文科省の算出方法は『ある年度の学校全体の生徒の中退者数÷ある年度当初の学校全体の生徒の在籍数』で、それだと中退率は実質の3分の1になる。中退率が2~3%なのと、8%とするのでは社会に与える影響が明らかに違います。・・・」(ビッグイシュー153号p15より)
この記事にもある通り、底辺校であればあるだけ中退率は上がる。逆に親が教育に熱心な進学校の中退率は極めて低い。これらは良く知られていること。そして貧困が低い教育水準につながり、高校中退が正規社員への壁となる現実。まさに負のスパイラル。
ふと自分の場合を振り返ってみた。そしてゾッとした・・・。
自分の場合、兄貴が3つ上だったため、1年間大学がダブるので、親の負担が大変だったせいか、浪人は許されなかった。つまり当時2回の受験チャンスしか無かった。両方に落ちれば働くしなかい・・・・
まあ何とか引っかかったので、今の自分がある訳だが、もしあの時に引っかかっていなかったら・・・、と思うとゾッする。まさに“人生の命拾い”をしたわけだ。
先日会社で、ある品質事故があり、プリント基板のパターンの分析を外部に依頼した。その報告書に「元素の周期律表」が載っており、懐かしく見た。「すいへのりーべは、ぼくのふね。そうだマグネにアルミくん。・・・」と、ここまでは思い出したが、その後は出て来ない・・・。
自分が受かった大学の物理の試験に、この表が出た・・・。この表を覚えていたので、それで受かった!?
ひょんな事で、また昔の事を思い出してしまった。
まあ誰にでも人生が動く大きなイベントというものはあるもの。しかしそれらをどう乗り越えるのかは、かなりの確率で「偶然」が左右しているのかも・・・。もし人生、うまく行ったなら、それは単に「ラッキー=運が良かった」だけなのかも知れない・・・。
●メモ:カウント~130万
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