嬉しくなること・・・良質FM放送
このところ、NHKのFM放送が楽しみ・・・。“今更”なのだが・・・。
今惚れている我が恋人、ケンウッドのL-02TというFMチューナーはつくずく音が良いと思う。特性がどうの、という問題ではない。聞いていて何か嬉しくなるのである。これはすごい事だ。30年も前の製品を今頃論ずるのは、もはや時代遅れなのかも知れないが、それ以降、同じような製品がないのだから仕方がない・・・。
FM放送はあらゆるジャンルの音楽を無尽蔵に放送しているので、考え方によっては実に楽しい音源。しかし、そのFM放送を良い音質で聞くのは至難の業だということが良く分かった。
まず電波の質。当サイトでも何度か書いているように、我が家で最大の悩みだったマルチパスノイズが97Km先のNHK水戸送信所の電波を捉えることで解決し(ここ)、やっと思い通りの音でFM放送を聴けるようになった。
何度も言うが、その電波を最高級のチューナーで捉えたその音が感動ものなのである。一番分かるのが、スタジオのアナウンサーの所作。声以外の音が筒抜け。原稿をめくる音、原稿をずらす音が全て聞こえる。別に雑音が聞きたいわけではないのだが、今までの音に比べて、別格。実に生々しい。だから安心して聞ける。これは多分に雑音レベルによるのだと思う。電波の状況によっては、CD並みにノイズが聞こえない。特に音楽が始まる直前、アナウンサーが手元のスイッチを切った瞬間、まさに無音の時間が訪れる。これは感動ものだ・・・(これ~マルチパスノイズがひどいが・・・)
NHK FMは、何よりも放送内容が自分に合っている。歌謡曲から童謡、クラシックまで音楽が多彩。他の民放は、若者の音楽に偏っていて自分は全く聞かない。
電車の中で、録音したおいたFM放送の“良い音”を聴くと、ゾクゾクッと嬉しくなる。別にCDを買わなくて済んだ、とかいう経済的な問題ではない。“良い音”で新しい音楽を、または聞き慣れた音楽を聴ける喜びである。
単にお金を論ずると、L-02Tの中古を手に入れて、メーカーにオーバーホールに出し、FM専用アンテナを建てると、まあ13~14万円位かかるか?そのお金でCDを買うと、50~60枚位は買える。だから最初からそのお金でCDを買えば良い、という議論もある。しかし放送の世界は無限の可能性を秘めている。つまり、あらゆる音楽を手に入れられる可能性・・。
自分の場合、FM放送は、NHKラジオ深夜便が毎日4時間、それに(月)~(土)までの「歌謡スクランブル」、(月)~(金)までの「にっぽんのうた 世界の歌」を定期的に録音している。前は、1週間録音しておいて、前の週のMP3ファイルを携帯プレヤーに転送し、1週間遅れで聴いていた。それが今では、次の日には聞いている。つまり放送が待ち遠しいのである・・・。まったく予想してなかったこの動き・・。それこそL-02Tの御利益であり、マルチパス退治が成功した(遠路はるばる来る)水戸の電波のお陰・・・。これこそ趣味・・・?
でも究極はデジタルラジオなのだろう。しかし日本のデジタルラジオの試験放送は先日終了したと報じていた。いつになったら本格放送が始まるのか・・・
アメリカでは全米の90%のAM/FMラジオ局でデジタル放送を実施しているというし、英国では、例えばロンドンでは、51局の放送がデジタルラジオで聴取可能であるという。
しかし、もしデジタルラジオが始まっても、その放送の方式が問題だ。圧縮をかけると当然音質は下がる。帯域の関係でPCMのまま放送するとは考えられないし・・・
そうなると、当分はNHKのFMを現在のアナログのままで聴くしか方法はないようだ。そうすると、将来考えられる一番のリスクはチューナーの寿命、という事になる。何せ30年も経っている老人チューナー。まあ予防保全の手段は講じたものの・・・。
何?幾ら良い音でもMP3で録音して聞いていたのでは意味無いって? それは仕方がないのさ・・。昼は家に居ないし、夜は寝ている・・。まさかWAVで録音する訳にもいかない。元々の音源の質が良ければ、MP3で録音しても良い音なのさ・・・。
このトシになって、改めてFM放送の音に惚れ、毎日“嬉しくなっている”シルバー族ではある。(←別に高価なL-02Tを買った言い訳をしているわけではないが・・・。ついでに、L-02Tは部品の関係で、故障すると直らない可能性が高いとケンウッドのサービスが言っていた。ケンウッドが修理不能と断った製品がまたオークションで売られ、ジャンクでも修理を期待して買う人もいるという。これは危ない。年月が経つに連れ、完動品は益々希少価値が増すかも??)
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コメント
始めまして、私は50代後半の男性です。
楽しく拝読いたしました。私はこのようなしっかりした文章を書くことができませんので、失礼な表現があったらお許しください。実は私もNHKFMをこのごろよく聴くようになり合点がいったところです。
清瀬に居住して共同受信です。地デジ、BSにかくれてあまり注目されませんがFMもノイズレスで聴くことができますがクラシックのピアノ、管楽器がにごるときがあり、一大決心でT-1100を購入しました。
マルチパス対策ができることが魅力でした。しかし他のチューナーよりは良いけれど完全には除去できません。L-02Tと聞き比べしたいですね。T-1100は高分解能のアキュフェーズらしい細身の音質です。民放FMは問題なく聴けますがほとんど利用しません。私の夢はL-02Tも最善の状態で聴いてみたいことです。たまにメール送信したいと思います。よろしくお願いします。
【エムズの片割れより】
嬉しいですね、同胞が居て・・。L-02Tは随分と研究しましたが、マルチパスにはからっきし弱いです。当方は何とかマルチパスの無い局(水戸)を探し当てて、ほぼ満足の行く受信が出来ています。
それにしてもアキュフェーズT-1100を買いましたか!マニアですね~・・・。自分もマルチパス退治のためにこれも検討しましたが、高価なので諦めました。FMはとにかくアンテナです。NHKでしたら、あっちこっちマルチパスのない電波を探すしかない・・・(もし評価されるのでしたら、当方のL-02Tの予備機をお貸ししましょうか?でもマルチパスがあると、とても評価には耐えられないでしょう)
投稿: 風鈴崋山 | 2010年11月 1日 (月) 21:16
楽しいご返事ありがとうございました。
L-02Tの予備があるのですか!すごいことですね。
今T-1100の調整を行っています。電源ケーブルをTUNAMIにして、音の彫りが深くなったようです。
デジタル音声出力(同軸)があるのでヤマハのCDR-1500HDに録音して再生しているのですが、どうもオンエア直接聴く方がクリアに聞こえます。
そこでデジタルケーブルもSAECにして今チェック中です。T-1100の条件が整いましたらぜひL-02Tと比較したいですね。大鵬VS白鵬みたいですな。
しかしこんな苦労するのもミュージックバードが停波になるからです。CDのコピーばかりでライブ等は少なかったので不満はありましたがノイズなしでしたから・・・
取りとめない文章ですみません。また変化がありましたら連絡いたします
【エムズの片割れより】
いやはや、相当に良い耳を持って居られるようで・・・
当方、10年ほど前に片耳が壊れてしまって、からきし自信が無くなりました。
投稿: 風鈴崋山 | 2010年11月 5日 (金) 18:06