スクラッチノイズの低減~川田孝子の「叱られて」
このところオーディオ系の話ばかりで恐縮だが、今日はレコードのスクラッチノイズの話。
先日、“通行人”さんからのコメントで(ここ)、エルプという会社から「レーザーターンテーブル」なる製品が出ていることを知った。(ここ)
これは、レコードの溝を針でなくてレーザー光で読み取るという物。原理的には良く思い付く話だが、本当に製品があったのだ。HPを見るとデモCDがあるというので、送ってもらった。再生してみて、期待とは違った。自分の思い込みではあるのだが、針と同じようなスクラッチノイズがある。確かに溝にゴミがあったり、溝にキズがあればスクラッチノイズとして出てしまう。
これは自分が「レーザーなのでノイズが無くなる」と思い込んだ方が勘違い。では何のためにレーザー?という事になる。「レコードを痛めない」「録音時の音を忠実に再生」「割れた盤や反った盤も再生可能」というのが特徴らしい。しかし100万円はなかなか高価・・・・。
デモCDの中に「パソコンソフトでのノイズ低減」なる音源があり、この効果がかなりある事が分かった。スクラッチノイズを見事に消している。
Netで検索すると、このレーザーターンテーブルを使って、貴重なレコード音源をCDにしてくれるサービスがあるのを知った。それで(ここ)に書いた自分にとって非常に大切なモラヴェッツの「月光」のLPのCD化を頼んでみた。
このサービスをしてくれる会社は九州と神奈川にあった。それで今回は神奈川の会社に頼んでみた。CD化されていない、自分にとって貴重なLP。それがどのように復活してくるか楽しみである。1ヶ月以上かかるとの事だが、うまく再生出来たらまた紹介しよう。
話は変わるが、ひょんな事で、郡修彦(こおりはるひこ)著「親子で読んで楽しむ日本の童謡 (CDブック)」(これ)という本をAmazonの中古屋で買った。既に新刊本は手に入らない。郡修彦氏は世界的に高名なSPレコードの復刻技術者であり、音楽史の研究家。この本には、その郡氏が復刻した昭和初期に録音された日本の童謡25曲が、CD化されて付いている。(写真はクリックで拡大)
実は、その再生音が素晴らしい。まず昭和27年1月25日発売のコロンビアC146-Aから復刻された、川田孝子の「叱られて」を聞いてみよう。
<川田孝子の「叱られて」~郡修彦氏復刻>
「叱られて」
作詞:清水かつら
作曲:弘田龍太郎叱られて 叱られて
あの子は町までお使いに
この子は坊やをねんねしな
夕べさみしい村はずれ
コンときつねがなきゃせぬか叱られて 叱られて
口には出さねど眼に涙
二人のお里はあの山を
越えてあなたの花の村
ほんに花見はいつのこと
同じSPレコード盤を、NHKで放送されたものと聞き比べてみよう。普通に再生するとこんな音になる・・・。
<川田孝子の「叱られて」NHKの放送>
このスクラッチノイズの違い・・・・
このために、どんな技術が投入されているのかは知らない。しかし、この効果は絶大。その苦労が忍ばれる。
昔のアナログ音源のほとんどは、それなりに音質を改善されてCD化されている。ヒスノイズも少ない。しかしもちろん全てではない。よってCDが手に入らない場合は、自分が持っているレコードを個人的に再生することになる。その時、どうしてもスクラッチノイズが気になる・・・。Netで見ると、パソコン用のノイズ低減ソフトもあるようだが効果の程は分からない。
自分もそのうち、時間が取れるようになったら、持っているLPをゆっくり聞いてみようと思ってはいるが、これは先の楽しみ・・・
それよりも、先の本に付いていた郡氏が復刻した発売当時の童謡レコード。これらは、まさに日本の文化遺産である。それが、このような形で手に入ったのはラッキーと言うより他はない。この日本で初めてレコード化された時の色々な童謡の音源を、想像以上に良い音で楽しめるのも、我々シルバー族ならでは・・、かも知れない。(若い人は童謡など興味がないだろうから・・・)
当blogでも今後、何回かこの音源を取り上げてみたい。非常に貴重な音源であるので・・・・。
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コメント
エムズの片割れ様こんにちは!
私にも手放せないLP(CD化されていない)が少しありますので、「月光」のCD化の報告を楽しみに待っています。
一ヶ月以上とは、大分忍耐が必要ですね。
【エムズの片割れより】
CD化は、簡単ではなさそうです。ノイズの低減などの処理に時間がかかるのでしょうか?どの程度の音になるか楽しみです。
投稿: wolfy | 2010年8月 7日 (土) 11:07