映画「必死剣鳥刺し」を観る
今日公開になった映画「必死剣鳥刺し」(これ)を観てきた。前々からチラシを見ていたが、 昨夜の夕刊の映画案内に載っていた事もあり、早速Netで席の予約をして今日観てきた。公開初日に観た映画というのは珍しい・・・・(写真はクリックで拡大)
まあ藤沢映画なので間違いはないが、つい先日観た「告白」(ここ)や韓国映画「母なる証言」(ここ)などの映画の“重さ”と、つい比べてしまい、この映画は“エンターテイメントの映画”の印象・・・。
側室の横暴を許す藩主の元で、藩の政治・財政は悪化の一途。そんな中、愛妻を亡くして死に場所を探していた兼見(豊川悦司)はその側室を刺し殺す。しかしその処分は寛大で閉門1年。その間、世話する妻の姪の里尾(池脇千鶴)。しかしその寛大な処分の裏には中老津田(岸部一徳)の謀略が・・・・
物語の全ての原因は藩主の無能さ。しかし藩命で、それを正そうとする勢力と戦う運命になる主人公。何のために、側室を殺めたのか・・・・
そして、組織のために個人が犠牲になるいつものパターン・・・。
豊川悦司は別格として、姪を演じた池脇千鶴が気になった。日本的な芯の強い女性を演じていた。そして岸部一徳の重さ。いよいよ大俳優になってきたぞ・・・。
映画全般で、現在と過去の場面が切り替わるが、なかなか付いて行くのが大変。現在かと思ったら過去だったり・・・。
特に、“その夜”の次の場面が、朝食を作っている里尾(池脇千鶴)の場面。当然次の日の朝、と思ったら、“しばらく経ったある日”だった。子どもを抱いた里見のラストシーンと共に、映画の帰りにカミさんに教わってやっと合点がいった。
ちょっと時間軸に付いて行くのが大変な映画だ。
この映画の主人公も、「天心独名流の剣豪」だったが為に、理不尽な末路に・・・
この手の話は、企業でも良くある話。個人が、何か難しい(国家)資格などを取ると、企業はそれを当然利用する。しかし個人にとってみると、勉強して資格を取っても、会社はそれをもっけの幸いと(その資格者しかできない)新しい難しい仕事を与え、待遇はそのままで、その仕事のために転勤・・・、なんて良くある話。当人は、何もしない方が良かった・・と後悔・・・
つまり、持っている自分の力が、自分に戻ってくるとは限らないということ。
この映画もそれと同じかも・・・・・
しかし昔の黒澤映画も、刀で切った時の血しぶきが話題になったが、この映画でもそれは当然のように・・・。気の弱い自分は少し苦手・・・
壮絶なラストシーンに向かって突き進んでいく映画のテンポは心地よく、夫婦愛や里見との愛もほのぼのしているが、子どもを抱いたラストシーンで、“女は強い”で終わった映画か??
まあ“簡単には世の中は変わらない”という事実を改めて我々に突きつけてくるこの映画。
明日は参院選挙だが、今のこの世の中も、そうそう簡単には変わらないのだろう。
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コメント
私も昨日観ましたがあれは絶対翌日だと思いますよ。
【エムズの片割れより】
自分もそう思ったのですが、すると即日暇を出した事になりますね・・・。随分と早い・・・ そして、子を知らずに死んでいった?
投稿: なおこ | 2010年7月11日 (日) 21:49