昭和40年の出来事(18歳)~フランク永井の「妻を恋うる唄」
自分が生まれてから順に、その年の出来事を辿るシリーズの19回目。自分が17歳から18歳、つまり高校2年生から3年生になった昭和40年(1965年)の出来事を調べてみる。
この年は、アメリカがベトナム戦争で北爆開始。反戦運動の嵐の始まりである。家電製品では、アイワからカセットテープレコーダーが発売され、名神高速の全面開通や国鉄の“みどりの窓口”開設などがあった。明るい話題では朝永振一郎氏がノーベル物理学賞を受賞し、本のベストセラーでは、女子バレーの大松監督の「おれについてこい!」や山崎豊子の「白い巨塔」があった。またTVでは、NHK大河ドラマで緒形拳の「大閤記」が放送され、受験勉強中の自分も、唯一見たテレビ番組がこの「太閤記」だった。
映画では、市川崑監督の「東京オリンピック」(ここ)が封切され、学校から見に行った。
プロ野球では、巨人が優勝しV9が始まった。
この年のヒット曲としては「夏の日の想い出」(日野てる子)、「さよならはダンスの後に」(倍賞千恵子)、「妻を恋うる唄」(フランク永井)、「女ひとり」(デューク・エイセス)、「赤いグラス」(アイ・ジョージ)、「星娘」(西郷輝彦)、「 恋心」(岸洋子)、「涙の連絡船」(都はるみ)、 「君といつまでも」(加山雄三)、「知りたくないの」(菅原洋一)などなど、たくさんある。
今日はその中で、昭和40年(1965年)4月発売のフランク永井の「妻を恋うる唄」を聞いてみよう。もちろん当時、自分はこの歌を知らなかった。たまたまこの年の発売と知って、アップしてみるわけ・・・。
<フランク永井の「妻を恋うる唄」>
「妻を恋うる唄」
作詞:岩谷時子
作曲:吉田正いつでも荒れた 手をしていたね
エプロンの端 まさぐりながら
首をかしげて笑うのが
朝のお前の癖だった送ってくれる人もなく
毎朝勤めに行く僕を
お前はどこで見てるんだ僕の声さえ届かない
空へ昇っていったきり
お前は帰って来ないのか
お前は帰って来ないのかお前の髪の匂いがするよ
ひとつの櫛を ふたりで使う
これが貧しい僕達の
いつもしてきた癖だった曇った鏡ふきながら
涙こぼしている僕を
忘れてどこへ行ったんだ僕の眼にさえ届かない
雲のかなたへ行ったきり
お前は帰って来ないのか
お前は帰って来ないのか昨夜は 雨が降りつづいたよ
巣を失った 小鳥のように
あてもないのに外へ出る
雨の降る日の癖だった黙って肩をしめらせて
送りどころのない愛を
ひとりで夜に捨てるんだあつい想いも届かない
とおいところへ 行ったきり
お前は帰って来ないのか
お前は帰って来ないのか
今こうして聞いてみると、実にシンプルな伴奏。よほどの歌唱力がないとこの歌は歌えない。それをフランク永井が切々と歌う・・・。
こんなスタイルの歌はもう古いのかも知れない。しかし我々シルバー族は、現代のリズムと伴奏だけが賑やかな歌より、こんなシンプルな歌の方がしっくり来るのである。
さてこの年の自分は、まさに受験勉強一色。自分の高校がいわゆる進学校だったので、自分の能力以上のことを要求され、もうヘトヘト・・・・
受験勉強以外のことでの“事件”としては、転校生が一人いた。その男とは家が近かったので、一緒の駅から通学したもの。その男は我々とは別世界で暮らしてきた(?)ため、違う文化を色々と教わった。女の子のことも含めて・・!?
この男との付き合いは、“世界が広がる”という意味で、色々と勉強になった。この男は、案の定、工学部から畑違いのアナウンサーになり、後日、自分の結婚式の司会を務めてもらう事になる・・。
だれでもそうだが、人生の大転換点となる“受験”を前に、年明けの国立Ⅰ/Ⅱ期校の2回の受験に向かって奮闘していた年であった。
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コメント
エムズの片割れ様
フランク永井のこの唄、しんみりと情感を誘う唄で、貴殿と同感です。
今現在この曲を歌いこなせる歌手はいるでしょうか?なかなか見出せないですね。
もうひとつ岩谷時子さん(1916年大正5年生)の作詞もすばらしいと思います。
y、yより
【エムズの片割れより】
そうですね。昔の歌手は、歌唱力がありました。伴奏に頼らず、歌そのもので勝負していました。
岩谷時子さんの作品にも、後世に残る名曲が多いですね。
投稿: yuji yokozeki | 2010年7月31日 (土) 11:41
やっとフランク永井まで読んできました
ここで一つ発見しました たぶん同じくらいの年齢かなと思ってたら 生まれた年が同じでした 私は早生まれなので一学年上かもしれませんが 国立大学のⅠ期校Ⅱ期校なんて懐かしく聞こえます
閑話休題 この「妻を恋うる唄」大好きな歌で私のカラオケのレパの一つです
他には「初恋の詩」がお気に入りです
フランクにはホントに素敵な曲が沢山あります この後も宜しくup願います
投稿: analogumann | 2012年11月12日 (月) 15:09