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2010年6月15日 (火)

ショルティ/ロンドン響の“マーラーの3番”のCD

ショルティ/ロンドン響のマーラーの交響曲第3番を、40年ぶりにゆっくりと聞いた。そう・・・、この音だ・・・。
マーラーのLPを初めて買ったのは高校3年の時。ワルター/コロンビア響の1番「巨人」(ここ)だった。

前にも書いたが、自分がクラシックを本格的に聴きだしたのは高校のとき。通学時、駅前の本屋で、音楽の友社の「名曲解説全集」を立ち読みしては、旋律を追ったもの・・・。大学に入ってからは、ただ一人見つかったクラシック好きと友達になり、その友人からLPを借りては、オープンデッキに録音して聞いた。下宿の部屋で、1時間半にも及ぶ大作をSTAXの100615mahler3

ヘッドフォンで散々聞いたもの。それが、ゲオルグ・ショルティ指揮、ロンドン交響楽団の演奏するマーラーの交響曲第2番「復活」と第3番だった。
前に「復活」の記事を書いた時(ここ)、その時に聞いた音源が欲しくなって、通販でショルティの「復活」のCDを手に入れた。しかし、3番は手に入らなかった。
その3番が、先日yahooのオークションに出ていて、競争相手に何とか競り勝って落札した。やっと、昔の恋人に逢えたわけだ・・・。
それがこれ・・・・(冒頭の部分だけ)

<ショルティ/ロンドン響のマーラーの交響曲第3番冒頭>

録音から半世紀を経ようとしている音源にしては、何と生々しい音か・・・。さすがデッカ・・・。この録音も、てっきりカルショー(ここ)のプロデュースによるものだと思っていたら、どうも違うらしい。(この)サイトを読むと、カルショーはマーラーと肌が合わなかったらしい。その記事によると・・・

「カルショーはマーラーの曲が大の苦手で、比喩的ではなく肉体的に猛烈な不快感を覚えるほどだったらしい。・・・ショルティはカルショーの考えを変えられると思い、彼らはこの第1番に挑んでみたものの、『編集の終わりまでには、もうこれ以上我慢できないことがわかった』。そのため、以後ショルティは当時新人だったデーヴィッド・ハーヴェイのプロデュースで他の7曲を録音し、マーラー交響曲全集を完成したのだった。」とある。

しかし、この大曲。まさに学生時代の夜の下宿では、格好の娯楽だったわけ・・。

この録音を聴きながら、全然関係のない小学校の頃の風景を思い出した。小学校3~4年の頃、学校の前にあった雑木林で、粘土細工のオジサンが店を出した。雑木林の木々の間に、むしろを敷き、そこに粘土細工の型を売るのである。小学生はそれを買い、別に買った金粉などの粉をその型に塗り、粘土を入れて色々な造形を作った。それが何であったかは忘れたが、出来上がったものを、そのオジサンの所に持って行くと、むしろの上でコンクールを開き、当選するとまた材料をくれた。ほどなく学校から禁止令が出てそのイベントは終わったが、頭の引き出しからそんな光景がこぼれた。
そう、その粘土細工のように、この録音が自分の“記憶の型”とぴったり合うのである。

要は40年前、自分の頭の中に型が作られた。いったんそれが出来てしまうと、簡単には変わらないようである。前にカラヤン/ウィーン・フィルのブラームスの1番について、同じようなことを書いた。(ここ)この録音も同じ例である。

このところ、同じような「音の“昔の恋人”探し」をしている。まあそれだけ余裕が出てきたとも言えるが、古きを探す自分の姿は、既に老いの境地に達しているのかも・・・
見方を変えると、オーバーな言い方だが、自分の人生に影響を与えたレコードなのかも・・。
世の高名な音楽評論家さまが勧める名盤というのは色々ある。でも、自分にとっての名盤は、何のことはない、自分が最初に巡り会った録音(盤)なのかも知れない・・・

(関連記事)
旧日本フィル解散時(72年)の小澤征爾の「復活」
ジョン・カルショーの録音

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コメント

Msの片割れ様
叙情歌やクラシックの音源を探していて2年前から時々拝見させていただいております。私は昭和20年生まれ茨城県南で中学卒業まで、その後吉田正記念館のある町で生き、引退して暇を持てあましている昨今です。Msの片割れ様の文の中に出てくるKeyWordに自分の少年/青春時代が重なり共鳴してほのぼのとします。今回はSTAXのヘッドフォンで聞いたお話、私もSR3やSRXで音の良いオープンリールTapeを楽しんだ昔を懐かしく思い出されます。人生を反芻しながらこれからも楽しく拝見させてください。

【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。ほとんど同じような人生だったようで・・・。
まさに自分もStaxのSR-3そしてSRXを使っていました。そしてオープンリールデッキは、SONYから始まって、憧れのティアック6010の中古を買って・・・。
今、その頃の音源を懐かしく聞いています。

投稿: まさ | 2010年6月16日 (水) 18:46

エムズの片割れ様へ
当時の私は電蓄のプレーヤー部とセラミックイヤホン(クリスタルイヤホン)で聞いていました。凄い格差ですね。

【エムズの片割れより】
エッヘン!STAXの世界は知る人ぞ知る世界・・・・
今でも作っているとか・・・。でも自分の耳の性能から、もうカネは掛けませんが・・・

投稿: wolfy | 2010年6月20日 (日) 10:03

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