毎朝通勤電車で会うAさん・・・
“毎朝通勤電車で会うAさん・・・”と言っても、“ほのかな片想い”の話ではない。“痛勤”電車の席取りゲームの話である。
自分の乗る駅は、始発が多い駅の次の駅。だから朝早ければ座れる。でも次の3つ目の駅だと、その可能性はほとんんどない。自分は、毎朝座るために30分早く電車に乗っている。特に冬の寒い時は、座るとシートがポカポカと暖かく、何とも心地よい。
そんな座った自分の席の前にAさんが立つようになったのはいつ頃だったろう・・・・。
ふと、毎朝隣の駅から乗るカバンを右肩からかけた人が、目の前に立つ事に気がついた。目印は左腰に下がった黒いカバン・・・。Aさんの狙いは当然、途中で降りる自分の席に座る事。終点まで1時間の道のりだが、自分が降りる駅はちょうど中間の駅。だから、もしAさんが終点まで行くとすると、自分と交代して残りの30分は座れるわけだ。
前に席を立って降りる時に、一度だけチラッと顔を見たら、30台だろうか、まだ若いサラリ-マン風の人だった。
それに気がついてから、何かプレッシャーを感じるようになった・・・。
隣の駅で、自分を待っている(探している?)人がいると意識すると、そうそう座る場所を変えられない。電車を一本遅らせるのも気が引ける・・・。
そして、Aさんが前に立つとホッとしさえする・・。逆に、目の前に立たないと心配してしまう・・。
今朝もそうだ。Aさんが乗ってこない・・・。風邪でも引いたかな・・・・?
考えてみると、ヘンな話だ。顔もろくに知らず、もちろん名前など知るよしもない。知っているのは黒いカバンだけ・・。でもお互い意識しあっている。ヘンな関係だ。
ふと思う。もしこれが若い女性だったら、どんなにか朝の通勤が楽し(?)かろうに・・・
でも現実はそう甘くない。何だか、高校生の頃の淡き片想いを思い出すな・・・。でも相手が違う・・。
誰か~~。このAさん、何とか若い女性に取り替えてくれないかな~・・・。
“厳しい現実”の話である。
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コメント
実に楽しい随想です。
投稿: カトレア | 2010年5月 2日 (日) 11:24