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2010年2月 7日 (日)

“大過なく”・・・・・

今朝の朝日新聞「天声人語」は切ない・・・。若い母親が、幼い子を残して先に逝かなければならない状況は、あまりに切ない。曰く・・・

「本欄へのご感想の中には、ただ黙するしかないようなものがある。埋葬地に木を植える「樹木葬」を取り上げた過日の小文にも、そのようなお便りをいただいた。 「いつ折れるとも知れない心を老夫婦で支え合いながら、娘のために樹木葬の適地を探しています」。次女を34歳で亡くしたばかりのご夫婦からだった。乳がんの告知からわずか1年半。夫と、告知の直後に生まれた男児が残された。遺言めいたメモには、病のため震える字で家族葬の希望と、お墓にはオリーブかローズマリーを植えてほしいとあったそうだ。若い人ほど木の勢いは強かろうと書いた小欄を、励ましと受け止めていただいた。偶然に言葉もない。ご連絡すると、お二人は乳がん撲滅への願いを静かに語られた。 同じ34歳で逝った女性を悼む歌がある。小学生の姉妹の親でもあった。<遺児ふたり長き髪もつ明日よりは母に代わりて誰が結ばむ>羽場百合子。作者は朝日歌壇にも入選を重ねた元教師で、弱き者を思いやる歌風が際立つ。 どんな死も悲しいけれど、若い母親のそれは切ない。お母さんは風になり木になって、わが子に声援を送り続ける。他の母親より少し短い、真珠のような思い出を抱きしめながら。 乳がんに侵された先の女性は、幼子にも走り書きを残していた。〈男の子はやさしくなければいけません。まわりの人の言うことをよくきいて。いっぱいおでかけにつれていってもらうんだよ。本もいっぱいよんで、音楽もいっぱいきいて……〉。連なる「いっぱい」に、母性の叫びを聴く。」(2010年2月7日付 朝日新聞「天声人語」より)

まさに「どんな死も悲しいけれど、若い母親のそれは切ない」・・・・。

同じ今朝の日経新聞「社会人」というコラムに自死のことが書いてあった。曰く・・
「「殺したのはおまえだ。葬式には出なくてもいい」。夫の親族からの吐き捨てるかのような電話の怒声が石倉紘子の脳裏に焼き付く。夫の自死から25年。・・・(夫は)慣れない交渉事の疲れに人間関係のトラブルも重なりパニック障害に陥った。生活の不安もあり「辞めたら」とは言えなかった。療養生活を終え地元に戻る夫に「京都で仕事見つかるかしら?」と電話で問いかけると「うん、見つけなくちゃ」と弱々しい声が返ってきた。それが最後の言葉だった。・・・・残された者まで後を追う悲劇も絶えず「1人の自殺は周囲10人以上の人生を変えてしまう」と痛感している。・・・」(2010年2月7日付 日経日新聞p30「社会人」より)

昨日の朝日新聞のコラム「男のひといき」の「いま分かる“大過なく”」という投稿。
「若いころ、退職する大先輩のあいさつに必ず「大過なく・・」というフレーズがあった。それを聞いて、サラリーマンの世界で「大過なく」とは可もなく不可もなく、何もしないことだと若干軽蔑していた。そういう私もついに今年、定年を迎えることになった。定年を1ヵ月後に控えたある日、妻が「本当に長い間ご苦労様。おめでとう」と私をねぎらい祝福した。私が「おめでとう?」と、けげんな顔をすると、「だって約40年間も無事に過ごすことは大変なことよ」と笑顔で答えた。・・・・今年1日に職場で定年式があり、「皆さんのお陰で大過なく、無事にこの日を迎えたことに感謝します」と挨拶した。(札幌市 鈴木茂明(60))」(2010年2月6日付 朝日新聞p29「男のひといき」より)

もちろん世の中には色々な人生がある。
「さーて、リタイア後はどうしよう」ナンテ考えている当サイトだが、「そんなの誤差範囲」と言われそうで、何とも気恥ずかしい。
まあ“大過なく”還暦を過ぎ、子どもも巣立ち、自分がリタイア後どう過ごそうが、誰にもほとんど影響ない・・・、と思うと、肩を怒らせている自分がなんとも滑稽??

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