布施明の「愛のこころ」
自分は、プロフィール欄にも書いている通り、布施明が好きだった。1960~70年台、小椋佳や井上陽水の前の時代は、布施明とブルー・コメッツだった・・・。でも、布施明については「霧の摩周湖」と「愛の香り」しか挙げていないことに気が付いた。これはやはり布施明くんに失礼だ・・・。
・・・というワケで、今日は布施明の「愛のこころ」。
前にも書いたが(ここ)、自分が布施明を聞き始めたのは大学2年のとき。「恋」(1967年3 月発売)という歌をTVの歌謡番組で聞いてから・・・。この当時は歌番組が多かった・・。
布施明のこのシリーズは、「恋」から始まって1967年9月20日発売の「愛のこころ」、「愛の園」(68年4月)、「愛の香り」(68年9月)と続く。その前には、かの「霧の摩周湖」(1966年12月)があった。まずは聞いてみよう。
<布施明の「愛のこころ」>
「愛のこころ」
作詞:なかにし礼
作曲:平尾昌晃あなたとぼくには 愛の世界がある
涙をふき合う 手と手がある
バラのひと枝も ぼくにはないけれど
つきぬ真心を 約束しよう
あなたにあなたに ぼくの心を
あなたにあなたに 捧げつくしたいあなたとぼくには 愛の光がある
微笑み見交わす 目と目がある
そばにいるだけで なんにもほしくない
恋の涙が 生きてる証し
あなたにあなたに ぼくの心を
あなたにあなたに 捧げつくしたいあなたにあなたに ぼくの心を
あなたにあなたに 捧げつくしたい
あなたにあなたに ぼくの心を
あなたにあなたに 捧げつくしたい
調べてみると、この歌はオリジナルの一回しか録音していないようだ。再録盤が見つからない。それだけに、布施明の歌の中ではマイナーな曲なのかもしれない。
確かに歌詞の内容を読むと、それほどインパクトがある歌とは思えない。愛する人に“捧げる”というフレーズ・・・。
同じ、なかにし礼の作詞で、奥村チヨの「恋の奴隷」(1969年6月)という歌があった。ここにも「あなた好みの 女になりたい」というフレーズがあったっけ。もう一つ思い出した。山口百恵の「青い果実」(1973年9月)という歌に、千家和也作詞の「あなたが望むなら 私何をされてもいいわ」というフレーズもあった。
どれも当時、このような“危険なフレーズ”が話題を呼んだものだ。
そうか・・・・、この時代は女性が男性に「捧げる」時代だったのかな・・? でも今は草食系男性が肉食系女性に捧げる時代か?? その意味では、布施明の「ぼくの心を 捧げつくしたい」というスタンスは、当時は受けなかったものの、時代の先端を行っていたのかも知れない・・・(←何をつまらない事を・・・)
最近、「やすらぎが ほしくて結婚 しない僕」というサラリーマン川柳が頭を離れない自分ではある。
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コメント
「愛のこころ」載せてくださって凄くうれしいです。
私は、布施明のデビューの頃から大好きです。歌唱力が素晴らしいです。
「霧の摩周湖」など有名ですが、
私は、布施明の歌の中でもこの「愛のこころ」が最も好きな曲です。
ところが、余り皆さんが覚えていらっしゃらないのが残念でたまりません。
私がこの曲を聴いたのは、たぶん中学生くらいのときですから・・・、
この歌詞の中でも一番惹かれたのが、
「バラのひと枝も ぼくにはないけれど つきぬ真心を 約束しよう」という部分です。
そして、
「あなたにあなたに ぼくの心を あなたにあなたに 捧げつくしたい」
も素晴らしい。
この曲を聴くと、シンプルで初々しさを感じます。
しかしそれだけでなく、人間の一番素直な気持ちが出ているように思います。
その後、「百万本のバラ」という歌を聞いたりする度に、私は、「愛のこころ」のこの歌詞を思い出します。
(実は、前々からエムズの片割れさんがこの曲を載せてくださるといいな、でもそんなこと書けないしと思っていました。だから、本当にうれしいです。)
布施さんに、コンサートとかテレビでこの「愛のこころ」を歌ってもらいたいと40年以上思い続けています。
投稿: ジャン | 2010年2月26日 (金) 00:28
ジャンさん
そうですか・・・・。自分にとっては、この歌は世の中から幾ら忘れ去られようが、青春の一ページです。この当時の歌を聞くと、どれも色々なシーンが浮かんできて、懐かしい限りです。
投稿: エムズの片割れ | 2010年2月28日 (日) 17:57