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2009年10月14日 (水)

日本女声合唱団と米良美一の「霧と話した」

いやはや朝晩寒くなってきた。今朝の通勤電車は、乗ったらポッと暖かい。暖房が入っていた。今年初めての暖房である。そういえば今朝は当地八王子で12℃・・・。急速に冬に向かっている。それにしても秋や春はどうして短いのか・・?まあ正弦波を連想すると、原理的に春と秋が短いのが分かるような気もするが・・・
ふと「霧と話した」という歌を思い出した。自分の門外漢ではなるが、「霧」は季語で言うと秋だという。まあ良かろう・・・
この歌は、日本女声合唱団の曲が一番好きだ。実に叙情豊かに歌っている。女声ならでは・・、である。

<日本女声合唱団の「霧と話した」>


「霧と話した」
  作詞:鎌田忠良
  作曲:中田喜直

わたしの頬は ぬれやすい
わたしの頬が さむいとき
あの日あなたが かいたのは
なんの文字だか しらないが
そこはいまでも いたむまま

そこはいまでも いたむまま
霧でぬれた ちいさい頬
そこはすこし つめたいが
ふたりはいつも 霧のなか
霧と一緒に 恋をした

霧と一緒に 恋をした
みえないあなたに だかれてた
だけどそれらが かわいたとき
あなたは あなたなんかじゃない
わたしはやっぱり 泣きました

特に合唱曲は、歌詞は気にしないのだが、この歌詞は何ともロマンチックである。(もちろん我々オジサンには関係ないけど・・)

CDの解説にこうある。「中田喜直の代表歌曲の一つで、1960年(昭和35年)関種子リサイタルで初演された。失われた恋の想いが抒情的に詠まれており、ややポピュラー歌曲的な感じがする。中田のことをよく<第二の山田耕筰と評されるが、それは①メロディの美しさ、②日本語のアクセントに忠実、③ピアノ伴奏の和音の使い方への行き届いた神経、の3点が共通しているからであろう。この曲も、ハーモニーが色彩に富んでいていささかも野暮ったさがない。」(米良美一「母の唄」解説より)

有名な歌だけに、自分もこの曲の音源はたくさん持っている。岡田晴美、波多野睦美、米良美一、足立さつき、紙谷加寿子、そして鮫島有美子。独唱ではやはり鮫島有美子が良いのではあるが、もうひとつカウンターテナーの米良美一を聞いてみよう。「わたしはやっぱり 泣きました」のところが、他の女声よりも気になる・・・・。あるいは、“女声”以上に女性的に歌っているのかも・・・(まさかこの声を聞いて女性だと間違う人はいないよね)

<米良美一の「霧と話した」>

しかし他のジャンルの音楽と違って、歌曲は何で“正座をして”聴く雰囲気なのだろう・・。歌詞は普通の歌謡曲と同じようなことを歌っているのに・・。その“固さ”があまり一般的になれない原因だな・・・。

でもこんな曲を聞いて「別世界に入り込む」のも、オジさんのストレス解消法かもね・・。

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コメント

この歌は私も好きな歌です。鮫島有美子のCDで持っています。少し歌い方としては暗い感じになっているとは思いますが、詩と旋律が魅力的です。私は、貴殿より7年早く生まれていますが、同じような傾向の歌が好きで、時々お邪魔して楽しませていただいている、神奈川県の小さな市に住む者です。そこで、お願いなのですが、奈良光枝が歌った、西条八十作詞、古関祐而作曲の「秋草の歌」の歌詞だけでも、或いは歌が聴ければなお良いのですが、何とかなりませんでしょうか。
 当方の情報を何も入れずに、お願いのみで恐縮です。
 これからも楽しませていただきたいと思っております。

投稿: 坐骨神経痛 | 2009年10月24日 (土) 21:44

坐骨神経痛さん

コメントありがとうございます。奈良光江の「秋草の歌」は持っていますが、YouTubeにもありました。下記をたたいて聞いてみて下さい。歌詞も載っていました。
http://www.youtube.com/watch?v=ut3TdExzBS0

投稿: エムズの片割れ | 2009年10月25日 (日) 20:15

 ご教示ありがとうございました。以前から気になっていた曲でしたので、早速、懐かしく嬉しく聴きました。YouTubeにUPして下さった方には、アカウントをとるのが面倒なのでコメントはしませんでした。ただ、画面が何とも言えない画面でした。これからも、このサイトを楽しませていただきます。

投稿: 坐骨神経痛 | 2009年10月25日 (日) 21:40

初めまして♪
この春、BS日テレ「こころの歌」という番組を偶然見て、フォレスタのファンになり、http://foresta.music.coocan.jp/main/foresta.html
日本語の合唱曲をYouTubeやCDで捜して聞くようになりました。

エムズの片割れさんのサイトへは、「霧と話した」を検索して伺いました。米良さんのCDも鮫島さんのCDも持っておりますが、おっしゃるとおり日本女声合唱団の歌が一番好きです!ひたひたと迫り満ちてくる霧、寂しく優しげではありますが、ミステリアスな和音も有り、素晴らしい合唱だと思いました!

Amazonで調べると、日本女声合唱団のCDは何枚か有りますが、エムズの片割れさんの持っておられるCDのタイトルを教えていただけないでしょうか?

宜しくお願い申し上げます。

【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。この音源は昔、FM放送か衛星デジタルラジオから録ったもので、CD番号は分かりません。でもしみじみした歌い方で好きです。

投稿: waysea | 2010年10月25日 (月) 14:27

追伸:
米良さんの「霧と話した」を聞いて、この曲は男性から男性への恋歌なのでは???などと、妄想してしまいました。。。。。

別に米良さんが男性のCTだからではなく、作詞なさった鎌田さんって、よく21歳の男性が、こんな詩が書けたなと思いました。ググって調べたのですが、もし足尾銅山のレポやミステリー小説をお書きになった鎌田さんなら、どんな方なんだろうとその人となりに興味を持ちました。

YouTubeで、今を時めくソプラノ森 麻李さんの歌も聞きましたが、普通の女性の過去への恋歌に聞こえました。

投稿: waysea | 2010年10月25日 (月) 14:38

ご多忙のところ、
早速お返事いただき恐縮です。

エアチェックで、
こんなにクリアな音が出るんですね!
「日本女声合唱団」Amazonで調べてみます。

有難うございました!

投稿: waysea | 2010年10月26日 (火) 10:02

クラッシックの歌を習い始めてまだ1年ですが、この譜面を何曲目かに渡されて、家でなんども歌詞を読みましたが理解できず、その上死にたくなるような唄だと思えたり、耳なし法一のような感情なのではないかと思えたり、そのうちに胃が痛くなる毎日が続きました。私の直感としての解釈は真綿でくるんで相手に私はあなたの想ってる人ではないのですよと何気にふっている歌のように感じました。つまり、私に恋をされても私はいないのと同じですよと優しい??というか辛辣な歌に感じました。私はこの歌をもらってから胃が痛くてたまらない・・・ふられたことが身にしみたからだから泣いたのだと思うのです。変な解釈です??

【エムズの片割れより】
自分のように、ただ無責任に聞いているだけの人間と違って、教科書としての「霧と話した」だと大変ですね。
自分なりに、歌を解釈しないといけない・・・
でも、それには「正しい」「正しくない」は無いので、自分なりに感じたままを歌えば良いのだと思います。
自分も、勝手な解釈をしながら聞いています。

投稿: ふたがあかね | 2019年10月 8日 (火) 22:12

米良さんの歌は叔母とよく聞きに行きました。日本語の美しさを表現しないと歌えない歌のひとつだと思いました。私もこれは男の人が男の人に歌った?伝えた?のだと感じました。相手に自分は霧なのだと言って彼を振ったのかもしれませんが、それ以上に自から振られた痛みのような情感さえ米良さんの歌には感じます。
米良さんの歌をのせてくださって本当に感謝します。嫌いなまま忘れたいような譜面でした。今はなぜか痛みを感じてしまって歌えませんが、米良さんのリサイタルがあれば必ずリクエストしてその場で聞きたい曲です。

投稿: ふたがあかね | 2019年10月 9日 (水) 03:04

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