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2009年10月21日 (水)

インドのカースト制度~最下層で相次ぐ改宗

先日の朝日新聞に「さらばヒンドゥー教 インド最下層で相次ぐ改宗~差別放置に嫌気」という記事があり、何か心にズシンと残った。曰く・・・

「インドで多数派を占めるヒンドゥー教を捨て、他の宗教に改宗する動きが静かに広がっている。ほとんどは、ヒンドゥー教のカースト制度の中で「不可蝕民」として虐げられてきた最底辺の人たち。ヒンドゥー教が長年、差別的な構造を放置してきたつけとも言える。

・・・集団改宗を率いるのはインド国籍を得た日本人僧侶でインド仏教界の最高指導者の一人、佐々木秀嶺師(74)だ。・・・(改宗式に来た人は)「村では私たちは井戸を使わせてもらえない。ヒンドゥー寺院へ行くことも、近づくことも許されない。ヒンドゥー教徒でいてもいいことは何もなかった」と話す。
考えた末での決断だった。仏教徒になってもすぐ差別がなくなるとは思えない。最上位カーストのバラモンから嫌がらせを受けるかもしれない。それでも「仏教徒になってよかった。犬の暮らしにおさらばし、これからはライオンだ。バラモンに仕返しした気分だ。」
「・・・仏教への改宗に対し、ヒンドゥー主義者は「仏教はヒンドゥー教の一部だ」との論理で表向き静観の構えだが、反発は渦巻いている。仏教徒の人権擁護組織「全インド法兵軍」によると、仏教寺院が破壊されたり、村人が仏事の最中に襲われたりする例は年間100件を超す。・・・・法兵軍の幹部は「仏教をヒンドゥー教の一部だと主張することで、改宗後も差別構造を温存しようとしている」と非難する。・・・」(2009/10/16朝日新聞より)

雑誌「大法輪」11月号の特集「知っておきたい世界の宗教」(ここ)に「カースト制度の功罪は?」という項があり、こう述べられている。

カースト制度の功罪は?
百害あって一利くらいはあるかもしれないという比率。悪法も法なり、とはいえ一分の利を見つける方が難しい。
カーストはインドではジャーティ(生まれ)と呼ばれる。宗教上の浄・不浄の観念に基づいて貴賎上下の関係や職種を世襲的に定められた身分制度で、三千種に及ぶほど細分されている。カーストの異なる者とは結婚できないし、食事も共にできない。人権無視の差別制度。生まれながらに職種が決まっており選択の余地はほとんどない。一生失業することがないのが一分の利なのかもしれないが、一生低い賃金に甘んじなければならない。
現代インドでは憲法上はこのような因習は禁じられているはずだが、実際には今なお厳然と残っている。」(「大法輪」2009年11月号p98より)

平和ボケしている日本人からすると、このような話はまるで他人事だが、これが世界の現実・・・。テレビでインドの雑踏を見ると確かにこのような雰囲気はある。
同じ朝日新聞によると、2001年度国勢調査では、インドの仏教徒は0.9%、キリスト教徒は2.3%しかいない。これは「調査員が「仏教はヒンドゥー教の一派」「改宗したキリスト教徒でも親族や祖先はヒンドゥー教」との論理で、ヒンドゥー教徒として報告した例がわかっている。」という。
そして「不可蝕民は人口の約16%にあたる1億6600万人。8400万人の指定部族と合わせると。「改宗予備軍」ともいえる最底辺層は全人口の約25%に達する。・・・カースト差別を根絶しようという具体的な動きは、見えない。」という。

この世界の事はあまり知らなかった・・。Netで少し覗いただけで(ここ)、最下層の人は人口のかなりの割合を占めており、それらの人たちが上の階層の人たちを支えるのがインド社会の仕組みだという。
これらの事を論じる資格は自分にはない。良く知らないからだ。3000年とも言われるカースト制度の歴史。そう簡単に論じられる世界では無さそう・・・。

韓国歴史ドラマでも、身分制度の束縛はドラマのベースにある。当時は、奴隷などは当たり前だったのだろう。
でもこれを機に、少し本を買ってインドの歴史について勉強してみようかと思った。「アンベードカルの生涯」などなど・・・

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