ザ・ベンチャーズの「パイプライン」
先日の朝日新聞の訃報欄に「ベンチャーズの創設メンバー、ボブ・ボーグルさん死去」とあった(ここ)。曰く・・・
「ボブ・ボーグルさん(米ロックバンド「ベンチャーズ」創設メンバー)ベンチャーズの公式サイトによると、14日死去、75歳。米紙(電子版)の報道によると非ホジキンリンパ腫を患っていたという。
59年、リーダー格のドン・ウィルソンとともにベンチャーズを結成。初代のリードギタリストで、ノーキー・エドワーズが2代目のリードギタリストとして加入後はベーシストとして活躍した。日本にはエレキギターブームさなかの65年以降、04年夏まで毎年のように公演で訪れていた。」(2009/6/17朝日新聞より)
ザ・ベンチャーズは“懐かしいバンド”と言っては失礼だ。まだまだ現役のバンドだから・・・。
ベンチャーズは1959年結成。初来日は1964年だという。それ以来毎年のように来日し、その回数は50回を超えるという。初期の代表曲である「パイプラン」を聞いてみよう。(パイプラインとは、サーフィンをする時の、大きな波が作る“波の輪”のこと何だって!←知らなかった・・・)
<ザ・ベンチャーズの「パイプライン」>
この曲は、日本では1964年(昭和39年)に発売になったという。自分が高校2年の時だ。この時、4曲入りの17cmLP盤(写真)を買ってきて、そのステレオ感に酔ったもの・・・。調べてみたら、このLPは1965年発売(高校3年)という。この頃は、ステレオ盤の出始めの頃で珍しく、ベンチャーズのこのレコードは(ステレオ感を楽しむために)何度聴いたか分からない。
10数年前、中野サンプラザで、たまたま貰ったチケットでベンチャーズの公演を聴いたことがある。ロックバンドなどそれまで聴いたことが無かったので、会場でのその“大音響”にまずビックリ・・・。そして懐かしい曲の数々を、年を取ったお爺さんたちが、何のてらいも無く、大観衆を前に淡々と演奏していた事を思い出す。そしてその時に思った。既に「過去」だとばかり思っていたベンチャーズが、まだまだ現役なんだと・・・。
その時、4人のメンバーの一人が、その息子に代替わりしたことを紹介していた。逆に3人は昔のメンバーのままか・・と、その息の長さに驚いたもの。
Netで見ると、メンバーは少しずつ変わっているらしいが、その音は変わっていない。前に書いたが、全く同じ頃(1958年)に結成されたブラザーズ・フォーもオリジナルメンバーは一人だけになってしまったが、昔と同じスタイルで歌っている。(ここ)
ちなみに、日本の4人のグループでは、現在3人で歌っているダークダックスは1951年結成、デューク・エイセスは1955年結成、ボニージャックスは1958年結成だという。(ピンク・フロイドやビートルズなども4人・・)
どのグループもトシを取った。しかし、メンバーを変えても“その音”を長く保ち続けているということは素晴らしいこと。
(400年続いているという養命酒ではないが)同じ品質を長く保ち続けるというのは大変なこと。まあ人間(声)が製品(=歌)の場合は、(生き物はいつか死ぬので)限度はあるが、ベンチャーズはインストルメンタルなのでその点は有利。そのベンチャーズも“日本だけで有名”というジンクスを乗り越えて、その音を続けて欲しいもの。
我々還暦組にとっては懐かしいテケテケではある。
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コメント
ベンチャーズが日本だけしか人気がないというのは迷信です。
米国では、1960〜1971年くらいまでの間に、35枚だか37枚だかのアルバムをビルボード誌にチャートインさせています。
創刊以来、全ジャンルのトータル売り上げランクで25
位くらい。24位がエリック・クラプトン、26位がポール・マッカートニーだったと記憶しています。
ベスト3は、エルビス・プレスリー、ビートルズ、フランク・シナトラでした。順番は忘れましたが。
これを、1960年代に限るととんでもないことになります。
①ザ・ビートルズ
②エルビス・プレスリー
③シナトラ・シナトラ
④レイ・チャールズ
⑤レイ・コニフ
⑥ザ・ベンチャーズ
つまり、ビートルズのライバルで、シングル盤チャートイン数2位のビーチボーイズ、シングル盤チャートイン数3位のビージーズ、ビートルズの弟分でライバルだったローリングストーンズも目じゃない。
しかも、ロックインスト、エレキインストという旬が短かったジャンルでこれです。
だから、エアロスミスが「レジェンド」と称えるわけです。
たぶん、ツアーバンドとしての人気、作曲家としての人気は、日本の方が高かっただろうし、瞬間風速としてのシングル盤売り上げも日本の方があったでしょう。今現在の人気という意味でも。
しかし、1960年代〜70年代初頭のアルバム売り上げだけ見れば、本国のアメリカの方が遥かに売れていたことを数字が物語ると思います。
ちなみに、10年くらい前ですが、私が当時所属していたバンドで演奏していたら、米国人の若者が「私の国の音楽」と言って嬉しそうに会場に入ってきました。
投稿: | 2009年11月25日 (水) 23:20