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2009年5月 5日 (火)

手仕事屋きち兵衛の「命連綿(いのちれんめん)」

今日は5月5日の「こどもの日」である。それにちなんだ歌は「背くらべ」や「鯉のぼり」等色々あるが、こんな歌はどうだろう。手仕事屋きち兵衛の「命連綿(いのちれんめん)」という歌である。永六輔氏による歌詞が何とも暖かい。

<手仕事屋きち兵衛の「命連綿」>

「命連綿(いのちれんめん)」

  作詞:永 六輔
  作曲:手仕事屋きち兵衛

母の母の 母の母の母の 母の母の母に逢いたい
父の父の 父の父の父の 父の父の父に逢いたい
オトコがいて オンナがいて
出逢い 愛し合い 生命がつながる
明日の生命が生まれる

親子 親子 親子 親子 親子 親子 親子 親子は語ろう
家族 家族 家族 家族 家族 家族 家族 家族は語ろう
親がいて 子供がいて
向かい合い 語り合い 家族がつながる
明日の家族がつながる

明日の生命 明日の家族
生きていれば 何とかなる
何とかなるまで 生きていればいい
生きていればいい

孫の孫の 孫の孫の孫の 孫の孫の孫に逢いたい
祖父の祖父の 祖父の祖母の祖母の 祖母の祖父の祖母に逢いたい
あなたがいて 私がいて
出逢い 愛し合い 生命がつながる
明日の家族が生まれる

明日の生命が生まれる

この歌は、前に紹介した「風の桜衣(はなごろも)(これ)」と同じく、手仕事屋きち兵衛さんのCD「色即是空」(ここで入手可能)というアルバムに入っている曲で、作詞は永六輔氏である。
単調な言葉の繰り返しが、永遠の時間軸を感じさせる。あまり日常的には使わない「連綿」という言葉。広辞苑には「長くひきつづいて絶えないさま。連々。」とある。
そうなのだ。自然の摂理として、命が連綿と続いて行くには、命が永遠に受け継がれて行かなければならない。それには男と女の出逢いがあり、家族を作って子供を育む環境が必要。こんな当たり前のことが、最近は危機に瀕しているという。

話は飛ぶが、先日の日経新聞に「シングルのための老後設計」なんていう記事がありImage02741 (2009/4/26 p15)、未婚率の上昇についてのグラフが載っていた。それを見ると、我々世代の30年位前に比べて未婚率は、25~29歳で男が50%⇒70%に、女が20%⇒60%に、30~34歳では男が10%⇒50%に、女が7~8%⇒30%以上にまで晩婚化が進んでいるという。(写真はクリックで拡大)
せっかくの「こどもの日」。これを機に、将来を担う子供について自分たちの周囲を見回してみることも良いのでは?

話は戻るが、この「色即是空」というアルバムの裏表紙にきち兵衛さんのこんな一文があった。
「以前、永 六輔さんから「人は何故歌を唄うのか?」と尋ねられた事があった。「それは、ある想いを言葉よりも深い所に届けたいからだと思う。」・・・と私は答えたのだが、その思いは今も同じだ。それどころか、ここ数年は大切な方が相次いで逝ってしまい、もっと電話をすればよかった、もっと手紙を書けばよかったと後悔すると共に、もしかしたら、歌なら人伝に、風の便りに、あの方に届くかもしれない・・・と思うようになっている。
歌は例え歌詞を忘れることがあっても、メロディーはいつまでも忘れない。もしメロディーにぴったりとくっついて、離れることのない詞で歌が書けたなら、その歌は決して忘れられないものになるだろう。そうなれば、その歌は言葉よりも深い所、魂にまで届き、何もかも越えて、遠くの人に届いてくれるような気がする。そして、歌に限らず、言葉よりも深い所に届くもの、それが芸術であり、そういう歌なら「時代」も「国境」も「時空」も越えて、人々の心に魂に伝わって行くのだろうと思う。 きち兵衛」

これは、自分も実にその通りだと思う。
そんな想いでこの歌を聞いてみると、皆で一生懸命に働き、暖かな家庭で将来を担う「こども」を育む。そして何かあっても、“生きてさえいれば何とかなる”“家族が助け合えば何とかなる”・・・。そんなきち兵衛さんの想いが伝わってくる歌ではないか・・・?

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コメント

子供の日に照準を合わせて「命連綿」を載せてくださるとは、なんと気の利いた粋な計らいでしょう。ニクイネ! いえいえ感謝します。
命連綿とは、今日五月六日のブログにも繋がっていますね。でも今の日本では、五世代同居その上長老に敬意を払うと言うことは、残念ながら夢のようなことでしょう。

話は戻りますが、この歌に関してとても心に残ることがありました。それは昨年の秋、我が家に遊びに来た友人に、きち兵衛さんのCDの中からピックアップして歌を何曲か聞かせたことがありました。そのとき友人は「命連綿」というこの曲がいたく気に入りました。
その後、話を聞くと、ご長男が数日後結婚するとのこと、そして春にはお孫さんが生まれるとのことでした。それで納得! 結婚式の前日、両親族が一同に会するからそのとき流したいとも。そのお孫さんも無事生まれ五月五日に初節句を迎えました。

私が、始めてこの曲をコンサートで聴いたのは2004年11月でした。それから、「母の母の 母の母の母の 母の母の母に逢いたい・・・」絶対に忘れられない曲です。
この詩は永六輔さんが30数年ぶりに書いた作品の一つです。もう一つが「色即是空」と言う曲です。
そのコンサートの折、きち兵衛さんのお話では、
「・・・永さんに以前から詩を書いてくださいと頼んであったのですが・・・・、ある日突然詩が送られてきて、それも僕に直接ではなくお寺さん(多分、松本の神宮寺さんと思う)に届いて・・、なぜお寺さんかと思ったら「色即是空」は亡くなった奥様と息子さんを供養するため書かれた歌で、この詩を供養してから“きち兵衛”に渡して欲しいといわれたもので・・・・、その後「命連綿」という詩が直接僕のところに送られてきました。
最初どうしようかと思いましたね。
 母の母の 母の母の母の~~~~   これはどういうメロディーにしようかと・・・!
次に
 祖母の祖父の 祖母の祖父の~~~  それこそ口がマゴマゴしてしまって!(笑)
でもこれが何とか歌に出来てよかったというか感謝したんですが・・・。
やっぱり、永さんとはいえ、自分の一番、最愛の奥さんを亡くされて改めて命の大切さというか、そういうものを実感して、こういう詩を書いてよこしたのだと言うことがよく分かりました。・・・・略」 

と言うようなことでした。
「命連綿」一度聴いたら忘れられない曲です。
そして、また機会がありましたら、「色即是空」と言う曲も紹介していただけるといいなと思っている私です。 

投稿: ジャン | 2009年5月 6日 (水) 23:18

なぜ唄うのかと訊かれたら、私は「これまでに育んできた自分の心の琴線を奏でたいから」と答えたい。一人で聴き、一人で唄い、一人で涙しています。
きち兵衛さんのように人の琴線に響く歌を作り、唄ってくださる人に感謝、感謝です。

投稿: 周坊 | 2009年5月 8日 (金) 11:42

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