映画「ポチの告白」を観て
映画「ポチの告白」を観た(これ)。まず、ここまで勇気ある告発をされた製作者に敬意を表したい。逆に、国民が一般的に知らない闇の世界をここまで表現できる日本という国は、別の意味で評価できるのかも・・・
この映画は、カミさんの友達からの口コミで知った。カミさんと二人で行こうとして、2回もドタキャンの末、5月末で東京では見られなくなってしまうため、午後“この道のプロ?”を強引に誘って観てきた。
非常にマイナーな映画らしく、今の時期の上映は、東京では渋谷の一館だけだった。
ウーン・・・。この映画について、どう論じようか・・・・。まず3時間15分という長い映画だが、その長さを感じさせない、という点で、エンターテイメントとしてはOK。しかし、あるイデオロギーに基づいて作られた映画であり、一般の映画館では上映されないことも分かる気がする。そのイデオロギーとは「警察とマスコミの癒着・腐敗、及び検察・裁判所まで巻き込む癒着の告発」か?
この映画は、「日本の警察をひとことで言うと、日本最大の暴力団ということになります」というセリフを代表に、製作者の意図を素直にセリフで言わせている。その点で、最初からマイナーな映画であることを覚悟した映画かも? パトカーの中での“国家権力”を楽しむ警官の会話。麻薬マフィアとの癒着・ワイロ・・・。そして(西松事件ではないが)警察の手柄のPR。そして出世にからむ派閥・・・・。どれも、当事者が笑って許せるような内容ではない・・・
一緒に観た人の話によると、これらのエピソード(事件)は、前にどこかで実際にあった事件らしく、このストーリーはそれらの事件を組み合わされたものではないか・・?と言う。
実直なノンキャリアの警官が、派閥に取り込まれ、警察の負の部分に染まって、やがて警察組織を守るために命まで・・・・。まあ汚職ドラマなどで、組織防衛のために良く聞くテーマではあるが・・・。
この映画は、同じようにタイでの幼児売買春を告発した映画」(ここ)と比較されて論じられたりしている(ここ)。
事前のサイトでの情報で“最後の6分で・・・”とあったので、「闇の子供たち」と同じように、何のどんでん返しがあるのか・・・と楽しみに観ていたが・・・・。まあ、腐敗の警察組織を告発しているので、普通のドラマのような逆転劇などあり得ないのだろう。
まあ本来は、このような内容の映画があっても、「事実無根だから・・」とマスコミが笑い飛ばし(←本当は現実なのだろうが)、当事者たちが「なかなか良く出来た“娯楽映画”だね~」ナンテ、うそぶける世の中だと、本当は良いのだろうが・・・。
でも現実は、ここに描かれていることにリアリティがあるので、上映の機会が少ないのかも・・・?
| 0
コメント