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2009年4月15日 (水)

手仕事屋きち兵衛の「生きている悲しみ」

春は鬱病が悪化する季節とか・・・?? また、そろそろ「五月病」などが話題になる季節・・。
手仕事屋きち兵衛さんが「最近こんな時代になって生きていることを悩んでいる人が多いでしょう。自殺する人も多いし・・・。だから皆に聞いてもらいたい。知ってもらいたい」と心を込めて作ったという「生きている悲しみ」という歌。アルバム「風暦これ)」に入っている。しかし、実に哲学的テーマを扱っている。
「人はどうして生きてゆくのか?」「生まれたことの理由を探して」「私はどこの何者なのか?」というフレーズの数々・・・。何とも奥が深い・・・
少し聞いてみよう。

<手仕事屋きち兵衛の「生きている悲しみ」>


「生きている悲しみ」
  作詞・作曲:手仕事屋きち兵衛

生きてることに少し疲れて
ため息ついてふと立ち止まる
人はどうして生きてゆくのか?
ふいにおそう行き場のない深い悲しみ
オーイ オーイ 泣いてばかりの
はぐれていた迷子がまた 見え隠れする

生まれたことの理由を探して
歩き始めた私の人生
迷路を抜けて 峠を越えて
孤独のなか たったひとつ見つけたいのは
オーイ オーイ 誰かいないかあ?
私を待つあなたは今 どこにいるのか

人は誰でも自分という名の
迷子を連れて尋ねて歩く
私はどこの何者なのか?
どこから来てどこまで行く旅人なのか?
オーイ オーイ 呼びかけながら
また一人で歩いてゆく 歩きはじめる

フト「人はどうして生きてゆくのか?」と思う・・・。がむしゃらに働いている時は考えない。でも何かをキッカケに立ち止まってしまうと、意識が内面に向かって悪いスパイラルに入り込む。そして・・・
人間は目的が無いと生きて行けないという。「五月病」を代表に、フト目標を見失うと心が揺らぐ。その時「私を待つあなた」が居れば、ハッと我に返る事も出来る。そう、「あなた」のために「私」が存在している事もあるので・・・。しかし「私」だけの場合はツライ。

我々“サラリーマンという人種”の場合、定年という節目が一番怖い。
「どこから来てどこまで行く旅人なのか」というフレーズがあるが、「どこから来て」は自分で分かっている。しかし「どこまで行く旅人なのか」という事は分からない。そして、“分からない”という事が不安を呼ぶ。その時に唯一頼りになるのがやはり「私を待つあなた」の存在だろう。
何が言いたいかって?? ⇒“世の若い人は、絶対に結婚すべき・・・”(笑)

でも「解」は意外とこれかも??
「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」(ここ

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コメント

 しみじみとした 実にいい詩(歌)ですネ。手仕事屋きち兵衛さん お幾つぐらいなのでしょう。声はまだ30代かナ と思いますが、詩の内容は人生の辛酸を十分味わった人のようにも思えます。私などのトシになりますと、旅の行き先は分るような気がするのですが、むしろ越し方を振り返ることで 生きてきた証を探りたくなります。生きてきてよかったのか、さてまた……?
 ご健筆を振るっていらっしゃいます。毎日拝読するのが楽しみです。
 “エムズのひとり言”さんがお休みになるとか、寂しいですね。アヒル君が「see you]といってましたから、またお目にかかれるのでしょうネ、よろしくお伝えください。

投稿: 奥山 和 | 2009年4月16日 (木) 18:57

手仕事屋きち兵衛さんは、1949年生まれのようです。
「わすれ雪」で知ったのですが、この歌がデビュー曲だったのですね。
小椋佳さんの「しおさいの詩」のように、ほんわかとした歌ですね。

投稿: | 2009年4月16日 (木) 21:30

あっ、上の書き込み、名前を書かなくても投稿できました。

投稿: なち | 2009年4月16日 (木) 21:34

奥山さん

ご無沙汰しています。
きち兵衛さんは還暦を迎えます。この歌は、ご本人の一番聞いて欲しい歌とか。
なかなか味わいがありますよね。

=====
なち さん

きち兵衛さんのような歌手があまり有名でないのが“もったいない”と思います。

投稿: エムズの片割れ | 2009年4月18日 (土) 22:42

きち兵衛さんを見ていると、こういう人が「悟りを開いた禅僧」とか「山奥の仙人」になるんじゃないか・・・とさえ思ってしまいます。

きち兵衛さんの歌は、明るいものも沢山ありますが、この歌は優しいですが重いですね。でも、聴けば聴くほどグッと沁み込んできます。

人は、物事が順調に廻っているときは考えないようなことも、それこそフトした何かによって、支えを失ったように・箍(たが)が外れたように、崩れ悩み苦しむことがあります。
きち兵衛さん自身もそんな青春時代を過ごされたからこそ、このような歌が書けたのではないでしょうか。
そして、ニッポン放送の「テレホン人生相談」の回答者を長くやっていたからこそ、悩める人々の心を察して、この歌を多くの皆さんに聞いてもらいたいのではないでしょうか。
『生きている悲しみ』の最後の「また一人で歩いてゆく 歩きはじめる」これで終わっているところがいいですね。

ところで、『わすれ雪』は1986年にNHK新ラジオ歌謡で流れ、87年発売の「詩紬」と言うCDに収録。
『生きている悲しみ』は1999年再活動開始後の2000年の「安曇野」というCDと「風暦」というCDに収録されていますので、この歌の声は48・49歳頃の声だと思います。
でも、いまでも変わらぬ声で歌ってくれるから、うれしいですね。

それから、1987年のテレビドラマ「風雲 真田幸村」(テレビ東京で半年間)の手仕事屋きち兵衛作の主題歌『光る風』の中にも、「どこから君は来るのか どこまで行くのか」と言うフレーズが出てきます。「どこから来てどこまで行く旅人なのか?」とは、きち兵衛さんが、ご自身に対して一貫して持っている気持ちなのかも知れないなと思います。

人が、重いものを抱えているとき、この歌を聴いたら、同じような気持ちを持っているのは自分だけではないと元気になれると思います。

載せてくださってありがとうございます。

投稿: ジャン | 2009年4月19日 (日) 00:15

きち兵衛さんのCDと友人を介して出会ってから数か月の私ですが、初めから彼の澄んだ歌声にすっかり魅了されてしまいました。それから次々とCDを入手。毎日聞かない日がないほどのきち兵衛病になってしまいました。なかでも、この「生きている悲しみ」の歌詞は衝撃でした。私が物心ついた時からずっと考えてきたテーマそのものだったからです。孤独、一人ぽっち、というのは誰も分かってくれない、共感してくれる人がいない感覚からくると思うのです。きち兵衛さんが私と同類(失礼)と分かってホッとしたというか、だからこんなに惹かれたのだと、納得したのでありました。

投稿: みほムー | 2009年4月21日 (火) 22:08

みほムーさんへ
よくぞ言ってくれました。
きち兵衛さんが私と同類・・・・
その感覚なんです、私がずーっと長い間、言いたくても言えなかったのは!

きち兵衛さん自身が「自分は少数派だ」と仰っているのですが、
実際、周波数がピッタシ合って共鳴する感覚っていうのは、
そうそうあるものではないんですね。
この歌だけではないんです。
どの歌を聴いても、どのエッセイを読んでも、
いつ、どのトークを聴いても、ピタッと来る感覚。
きっと同じ周波数で生きていらっしゃるんだと思いつつ、
でも、私ごときものが そんなことを言っていいものかどうかと迷いに迷って、言葉に出せずにいました。
ありがとう!!

アルバム「詩紬」の中にある「時の流れに」も、好きですよ。
「生きてることの言い訳なんて はじめからないのかもしれない」
この歌詞を聴いて、なんかホッとしたのは、いつの日のこと・・・

投稿: 園内麻亜 | 2009年4月22日 (水) 17:07

ジャンさん、みほムーさん、 園内麻亜さん

皆さんのコメントを読むと、きち兵衛さんがあまり表に出ないのが本当にもったいないですよね。
きち兵衛さんの名曲はまだまだありますので、またアップしますね。(そのうち、きち兵衛さんのカテゴリが新たに必要かな?(笑))

投稿: エムズの片割れ | 2009年4月23日 (木) 20:53

きち兵衛さんの歌を初めて聞きました。
この爽やかさはなんだろうとつぎつぎ聞きました。言葉には表せないほど心が震えています。もっともっときち兵衛さんの歌をききたいのです。どうしたら聞けますか。
よろしくお願いします。

投稿: のりこ | 2009年8月22日 (土) 22:46

のりこ さん

コメントありがとうございます。
自分の“きち兵衛さん”の師匠はジャンさんで、ジャンさんから色々と教えて頂きました。CDなどの情報は「風の桜衣」の記事でリンクしてありますので、(ここ)という所をクリックしてみて下さい。
また、松本あさま温泉「ホテル玉の湯」で毎月第2金曜日に「車座コンサート」があり、きち兵衛さんのナマ演奏が聴けます。
また「手仕事屋きち兵衛保存会」というのもあるようです。
しかし多くのCDが廃盤になっており、残念です。

投稿: エムズの片割れ | 2009年8月23日 (日) 13:25

ネットサーフィンでここに来ました。
私は松本市に住んでいて安曇野市穂高の出身です。
きち兵衛さんは。松本市出身で、今は穂高の田舎に住んでますので、私とは逆ですね。
ホテル玉の湯の車座コンサートも久しく行ってないですが、きち兵衛さんとは何度かコンサートの後にお話を伺う機会かあり、音楽を専攻している息子にも何枚か色紙を書いていただきました。

「わすれ雪」を初め、CDは殆ど持っています。
きち兵衛さんが近くに居るというのは、私にとって幸運だったんでしょうね。

投稿: 和煦 | 2009年8月27日 (木) 07:05

けさNHKラジオ深夜便ではじめて手仕事や吉兵衛さんの歌も、この曲「生きている悲しみ」も、聴きました。まさに自分の人生そのものだと思いさっそくネットで検索しました。人の一生はそんなものなのでしょう。
GOOD LUCK!

【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。そうなんですね。今朝の「ラジオ深夜便」の録音を再生してみたら、4時台「明日へのことば」の最後にこの歌が流されていました。
なかなか放送から流れてこないきち兵衛さんの歌。段々と見直されていくと良いのですが・・・

投稿: がんちゃん | 2010年11月 3日 (水) 09:07

このサイトを発見した時は、感激しました。
お金が無くて、CDなど買う事ができず。以前かって持ってたCDをブックオフで売りました。思ったよりいい値でした。
お気に入りに入れて、時折、聞いています。
ドンドンアップ願います。
【生きている悲しみ】は、今の私の心境にピッタリでした。有難う。慰められました。
死にそこ無いの岩波鈴也です。

【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。
きち兵衛さんの歌は、何故か心に滲みますよね。また別の歌を紹介しますね。

投稿: 岩波鈴也 | 2010年12月15日 (水) 05:58

青春の手紙、わすれ雪、安曇野 等々
何を聞いても心のしみこむ
北海道に来て欲しいです
仕事を休んでもいきたいです
生きてるうちに、北海道に来てくれることはありますでしょうか?

【エムズの片割れより】
当サイト2009年5月30日&6月27日の記事を参照下さい。近くの方が、きち兵衛さんを招聘され、自分も聞きに行きました。
何人かで共同でコンサートを主催するのであれば、ホテル玉之湯さん経由で、マネージャーさんにコンタクトすれば、コンサートの交渉は可能だと思います。
北海道に行くツアーでもあれば良いのですがね・・・

投稿: まっちゃん | 2011年3月10日 (木) 21:21

せわしない生活、ストレスに溢れた日常に、心が少しカサカサになった時、”エムズの片割れさん”のブログに逃げ込んでこの歌を聴きます。

哀愁漂うオカリナの音色に詩を載せてしまうきち兵衛さんの匠を感じます。

歌と言うより、”詩語り”が心に沁みて来て、聞き終わると、ほっこりとした気分にさせられます。

【エムズの片割れより】
この歌は、きち兵衛さん自らが“聞いて欲しい”歌だということです。若しかすると、“きち兵衛さんの全て”がこの歌に込められているのかも・・・

投稿: てんとう虫 | 2011年7月30日 (土) 09:57

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