「“日経平均”株式会社」への投資成果
春が近い。昼休みのたった15分の散歩も、今日は快晴で暖かく、気持ちが良かった。
ところで、今朝の日経新聞「一目均衡」というコラムに面白いシミュレーション(模擬計算)が載っていた。「“日経平均”株式会社」にドルコスト方式で投資をしたとするとどうなっていたか・・・、というシミュレーションである。曰く・・・
「日経平均株価が9日、バブル崩壊後の安値を更新した。個人投資家にとって株式市場は何だったのかを振り返るために、「日経平均株式会社」が上場していたと仮定し、大学卒で社会人となる23歳から毎月同じ金額ずつ買い続けたと考えた。この結果、損益の分岐年齢は65歳だった。今年は戦後64年だから、戦後生まれは全員、含み損を抱えた計算だ。
毎月(または毎年)一定金額ずつ買うのはドルコスト平均法と呼ばれ、多くの投資の教科書が「最も賢い長期投資の方法だ」と紹介している。安いときに多く買え、高いときには少ししか買えないから、平均取得価格が下がるのである。
例えば、今年64歳になる人が23歳だった1968年4月には、日経平均終値が1456円だった。1万円を投資すると、「日経平均株式会社」の株式が6.87株買えたというわけだ。日経平均が3万8915円の最高値を付けた89年12月には0.26株しか買えなかった。
今年3月まで41年間(492ヶ月間)に買えた「日経平均株」は682.73株となる。これに9日の終値の7086円を掛けると484万円弱。投資元本は累計492万円なので、8万円強の含み損を抱えた計算だ。
他の年齢の人も同様に計算した。その結果、23~64歳は全員含み損を抱え、65歳以上は含み益となった。最も効率が良かったのは戦後の東京証券取引所再開とともに投資を始めた83歳の人で、6.27倍になった。
対照的に40歳から51歳までは、23歳からずっと「日経平均株」に投資し続けても。元本の半分以上を失った。損失のピークは46歳。23年間の投資成果は元本の0.44倍にすぎない。
物価上昇による目減り分も考慮すれば、戦後生まれにとって株式市場は資産を減らす場所だった。政府が「貯蓄から投資へ」と背中を押しても、賢い個人が動かないのは当然だろう。・・・(編集委員 前田昌孝)」(2009/3/10日経朝刊p13より)
“日経平均”を捉えてのシミュレーションは、たぶん投資の平均像を示すのだろう。上記は絶対額で比較しているが、比較はやはり「銀行の定期預金」などと比較すると、よりリアリティが増すのではないだろうか・・・。つまり、現金で持ち続ける人は居ないので・・。例えば年利1%とすると元金492万円は600万円位になる。年利2%だと760万円位・・。(Excelでの計算が合っていればだが・・・。←昔は普通預金で1%だった・・)
つまり、色々な条件を加味すると益々損益分岐年齢は上がってしまう。それは戦後生まれだけでなく、戦中・戦前派も大きな損を抱える、ということ。
まあ一般論として、「今の株価」で評価する限り、“株式投資は損だった”という結果らしい。
話は変わるが、我々“還暦組”にとって、退職金等の蓄えの運用は老後の生活レベルに直結する。しかし、あまり毎日“上がった下がった・・”を気にするのも、心の安定に良くない。(逆に毎日その“スリル”を味わって、“生きている実感”を毎日確かめるのも一つの方法だが・・)
よって自分はとっくの昔に株とは縁を切った!(もっとも株と言っても会社の持ち株会位だが・・) だから株が幾ら下がろうが関係ない・・・!、と格好良くうそぶきたい所だが、なぜか我が家は毎日“ユーロ・ドルの為替レート”を気にしてしまう・・・。(我が家も、結局同じ・・・)
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