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2009年2月28日 (土)

映画「チェンジリング」を見て

映画「チェンジリング」を見た。いつもの通り、カミさんに言われるままに付き合って見てきた訳だが、何とも心が重い。それは真実の話だから・・・・か?
確かに、とても“書き下ろし”では、このようなストーリーは書けないのではないかと思う。それほど自分にとって「実際にあった話」が重かった。(公式HPはここ

1928年、ある母子家庭で母親が仕事中に9歳の子供が失踪する。母親はロス警察に頼んで探してもらうが、5ヵ月後に戻ってきた息子は別人だった。しかしその少年は自分をママと言う。
背が7センチも低く、学校の教師も歯科医師も少年が別人だと証言するが、取り合わないロス警察。その背後には、市民から腐敗・堕落を追及され、何とか警察の「功績」を市民にPRせざるを得ない警察の姿があった。
別人だと言い張る母親。それを精神病だとして病院に放り込む警察。そこに、ラジオを通じて警察の腐敗摘発キャンペーンをしている牧師が救いの手を差し伸べる。
それから、ロス近郊の牧場で、20人もの少年の誘拐殺人事件が発覚し、その中に息子がいた可能性が出てきた。その事実を前に、警察は徐々に追い詰められ、母親は精神病院から救われ、警察の実態を糾弾して行く結果に・・・・・
(ここまでのスジは公式HP(ここ)に書いてある)(写真はクリックで拡大します)

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事実とは言え、無理スジな所もある。たった5ヶ月しか経っていないのに、別の少年を連れてきて、母親に「お前の息子だ」と押し付けてもそれはムリ・・。当時のロス警察が、いくら男社会だとしても・・・。そしてそれを権力で押さえ込もうとする警察と、それに従順な精神病院。医師・看護士の誇りは??
しかし、市民は黙ってはいない。母親は「警察とモメることは望んでいない。ただ息子を探してくれ・・・」。デモが起き、市民の監視の目の中で徐々に真実が明らかになって行く・・・。
まあ、この流れは見ていて救われる。しかし真実だけにハッピーエンドという訳には行かず、見た後に心が重くなるのは仕方がないか・・・。

この映画は何だろう・・・? 母親の愛と、ロス警察の堕落腐敗の摘発か? 確かに、ここに表現されている母親の息子に対する姿は、この映画のテーマだ。幾ら「諦めろ」と言われても、「どこかで生きている“存在感”を感じる」と言って、決してそれを受け入れようとしない母親の姿。確かに、母親の直感というものはあるだろう。そして、生き甲斐が“息子だけ”の場合、それを奪われた女性は強い。
警察のメンツの話は、横山秀夫の警察小説でも良く出てくる。しかし幾ら1930年代の話とはいえ、ロス警察の横暴は、ちょうどその頃の日本の“特高”に通じる。

この映画は年齢制限のある映画である。つまり、おどろおどろしい場面がいくつも出てくる。それだけに、見終わった後に簡単に「良かった」と言えなかった映画であった。でも最後の「希望」に少しだけ救われたな・・・。(何が「希望」かは、見てのお楽しみ・・・)
(追:ラストシーンは「本当のお母さん?」→カミさんと大論争(?)になっていますので、何方かご覧になったら教えて!)

(付録:最近の映画の公式ホームページは、blogを利用して積極的にその映画をPRしようとする姿勢がある。各種ピクチャーも、何種類かのサイズを変えてダウンロードできるようになっているし、ブログパーツなるものも用意している。せっかくなのでそれも貼り付けておく。~スピーカのアイコンをクリックすると音が出る。それ以外に色々とリンクが張ってある)

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