スペイン民謡「追憶」
スペイン民謡の「追憶」という歌を習ったのは、たぶん中学校の音楽の時間だったと思う。何とも“懐かしさ”のある旋律で好きだった。それを強烈に再認識したのが、大学の時、中学の先輩だった“女性の音楽教師のタマゴ”が歌ったのを聞いた時。何の発表会だったのかは、覚えていない。しかし強烈に覚えているのが、ピアノ伴奏の1番、2番が終わった後の間奏の分散和音の旋律・・・。楽譜は(これ)である。(←別サイトにリンク~変なアラームが出るな・・・)
この旋律のピアノ伴奏の音源(CD)を探しているが、手に入っていない。鮫島有美子のCDが出た時に、ドキドキしながら聞いたが、別の編曲であり、この伴奏ではなかった。
残念だが、今日はクロスロード・レディース・アンサンブルの演奏で聴いてみよう。この音源では、2番が終わったあとに自分の好きなあの分散和音が少し出てくる。
<クロスロード・レディース・アンサンブルの「追憶」>
「追憶」
作詞:古関吉雄
作曲:スペイン民謡
歌 :クロスロード・レディース・アンサンブル1)星影やさしく またたくみ空
仰ぎてさまよい 木陰をゆけば
葉うらのそよぎは 思い出誘いて
すみ行く心に しのばるる昔
ああなつかし その日2)さざなみかそけく ささやく岸辺
すず風うれしく さまよい行けば
くだくる月影 思い出誘いて
すみ行く心に しのばるる昔
ああなつかし その日
この歌は、明治23年8月「明治唱歌(五)」の中に「月見れば」という題で載ったものだという。原題は「flee as a bird (鳥のように自由に)」で、いちおうスペイン民謡となっているが、スペイン語の歌詞は無く、英語の歌詞を昭和14年4月に(出典はここ)、明治大学国文学教授の古関吉雄が訳詩したものだという。
ともあれ、中学時代を思い出す、心が躍る懐かしい歌ではある。
(追:2009/9/21)
上に書いたピアノ伴奏の音源が手に入ったのでアップします。
<石井健三の「追憶」>
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コメント
追憶を聴くと心が清らかになります。まだ恋さえ知らない少女の心に戻る事ができます。ソプラノの透き通った声で聴きたいですね。最近この歌を聴くことが殆どなくなりました。テレビ時代になって、よい歌が消えていくのは寂しい限りです。
投稿: 白萩 | 2009年2月26日 (木) 23:51
白萩さん
そうなんです・・・。原曲のピアノの伴奏で、きれいなソプラノで聞きたい・・・。
でも鮫島さんを除くと、ソプラノ歌手のアルバムに、この歌はほとんど入っていません。
時間を掛けて探すことにしましょう。
投稿: エムズの片割れ | 2009年2月27日 (金) 22:42
この曲は日本の明治時代のスペイン民謡なんですね。昭和に限って曲を探す時、外国の民謡に付いては気をつけなければ・・と思いました。ちなみに、「鶴」は昭和?と、検索して戻ってまいりました。セーフ!昭和なんですね。辞書のように使わせていただいている私です。音源が嬉しいですキョロ(・_・ )( ・_・)キョロ
投稿: 乙丸朝子 | 2009年3月 1日 (日) 10:45
乙丸さん
「追憶」も女声が良いですね。(自分の持っている歌は、実に女声が多いが・・・)
何気なく聞いている歌も、ルーツを辿るとなかなか面白い事実が浮かびます。
投稿: エムズの片割れ | 2009年3月 2日 (月) 22:08
この曲を聴くと、母のことを思いだします。
よく歌ってましたから。
どうやら女学校で習ったみたい。
この訳詩、傑作ですよね。
私は、何か懐かしいものに出会うとこの曲が浮かびます。マロディーよりこの歌詞が。
投稿: assi | 2009年5月 1日 (金) 23:53
私も母を思い出します。
母から姉を経由して覚えました。
こういったすばらしい歌を最近は学校で教えないのでしょうか、私の娘たちは知らないと思います。娘たちの前で口ずさんだことはあると思うのですが、興味を示さないようです。
ところで、「分散和音」とはどういうものなのか教えていただければ嬉しいのですが。
投稿: 周坊 | 2009年5月 2日 (土) 16:16
assiさん、周坊さん
確かにこの歌は女学生を連想しますね。自分はなぜかピアノ伴奏の旋律が好きです。
(分散和音=和音を構成する各音を同時に鳴らさず、順次に1音ずつ奏するもの。アルペッジョなど)
投稿: エムズの片割れ | 2009年5月 4日 (月) 14:40
分散和音の解説有難うございます。
ハーモニカのことを調べていて、分散和音(アルペッジョ)奏法というのがあって、いかなるものだろうと思っていた矢先でした。
楽器の演奏はカラキシですが、お蔭様でなんとなく判った気がします。
投稿: 周坊 | 2009年5月 4日 (月) 20:38
中唐の詩人杜牧は
花を歎いて詩った
往年 曾(かつ)て見しは未だ開かざる時
如今(いま) 風擺(かぜふる)いて花は狼藉(ろうぜき)と
我は聴くのみ
追憶の歌を
投稿: assi | 2009年5月 6日 (水) 22:41
くだくる月影とありますが、この「くだくる」とはどういう意味なんでしょう?
砕く、それとも下る?降りてくる月の光だとするとくだりくる、になりそうなんですが、いまいち解りません。
投稿: おはぎ | 2009年10月 7日 (水) 13:53
おはぎ様
さざなみかそけくささやく岸辺、とありますから、川面に映った月がちらちらと揺れ動く様を歌ったのではないでしょうか。砕け散る月影、作詞者の言葉の使い方の巧みさに感心してしまいます。
投稿: 白萩 | 2009年10月 7日 (水) 20:00
「追憶」私のところに倍賞千恵子が歌っているテープがあります。伴奏にギターが付いています。私は楽器に疎いので、後ろについているのがオーケストラなのか、小規模編成の何なのかわかりません。主旋律はギターです。哀愁が漂ってギターも良いものだと思います。ギターだけの演奏を1度聴いてみたくなりました。
投稿: 白萩 | 2009年10月 9日 (金) 23:53
二番の歌詞、さざまみとありますが、さざなみの間違いでよろしいでしょうか。
投稿: おはぎ | 2010年2月 4日 (木) 12:38
おはぎ さん
大変に失礼致しました。修正しました。
投稿: エムズの片割れ | 2010年2月 4日 (木) 12:48
今日音楽の授業で初めて聞きました。
音楽の先生がもう少し速いテンポで歌っていたのですが、今時の歌にはない愁いさに似たようなものがあり、感動しました。
ぜひこの歌を覚えて祖母と歌いたいです。
【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。そうですか。今でも学校の授業で取り上げられていますか・・・・
年齢の行った人は必ずこの歌は知っています。ぜひいつまでも歌われて欲しいものです。
投稿: 霧島 | 2010年6月10日 (木) 20:54
もうじき68歳になります。中学生の頃、家にあったオルガンの伴奏でよく歌いました。中学校の音楽の教科書には沢山すばらしい曲がありましたが、「帰れソレントへ」と「追憶」が一番好きでした。残念ながらカラオケには無いので、先日みんなとアカペラで歌いました。こういう曲がカラオケにあればカラオケファンがもっと増えるのではないでしょうか。
【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。カラオケですか・・・。
団塊の世代も世に放出(?)され、カラオケボックスもシルバー族が増えているとか・・・。すると顧客志向で、シルバー族好みの曲が増えても不思議ではないですよね。自分は「追憶」のピアノ伴奏の旋律が何故か好きです。
投稿: 山下仁平 | 2010年6月10日 (木) 22:54
霧島様
私も55年ぐらい前に中学で「追憶」を習いました。良い歌だと思ったのですが、音楽の女教師がピアノでは有名だったのに、声がしゃがれ声で歌の良さが伝わってこなかったのです。この歌が本当に良い歌だと思ったのは40歳代からです。意地の悪い人に出会ったり裏切られたりして、心が淋しくなるとこの歌が出てくるのです。すると気持ちが爽やかになって明るくなれるのです。どんなにこの歌に救われたかしれません。良い歌には力がある様に思います。
エムズ様
ピアノ伴奏のソプラノで美しい「追憶」早く聴くことが出来ますように願っております。
【エムズの片割れより】
そうです。鮫島有美子の「追憶」が、オリジナルの伴奏譜だったら・・と残念です。
投稿: 白萩 | 2010年6月15日 (火) 23:06
白萩様
コメントありがとうございます。私は今、十四ですが、気持ちが爽やかになる歌というものは人生においてとても大切なものです。私もまたもう少し馬齢を重ねた頃に聴くと、今とはまた違う感じ方をすると思うのでとても楽しみです。
エムズ様
遅れまして。コメントありがとうございます。学生の身であるが故、祖母に聴かせてやることは未だに叶っておりませんが試験が終わり次第と思っております。
投稿: 霧島 | 2010年6月17日 (木) 21:15
東欧の長期旅行者です。昨年知り合いになった友人の奥様が癌の再発で一週間前に亡くなりました。請われ、埋葬に参列しました。高原の村の墓地で、隣国のウクライナ方面から風が吹きつけておりました。涙を堪えようと見上げましたら、白樺の枝が葉裏を見せて、風にそよいでおりました。燦燦たる陽光の下でした。そのとき、「葉裏のそよぎ」は死の静けさにも通ずるものだと悟りました。ギシングの「ヘンリ・ライクロフトの手記」では、葉陰の静けさをリーフィ・サイレンス leafy silenceと表現していますね。エムズの片割れ様、美しい、郷愁を誘う歌、ありがとうございます。
【エムズの片割れより】
書かれている光景は、日本からはただただ想像するしかありませんが、日本とは別世界なのでしょうね。しかし年金で東欧一人旅とは、何ともおしゃれというか・・・。到底自分など足下にも及びません。
別世界の話をまた聞かせて下さい。
投稿: 永遠旅行者 | 2010年6月20日 (日) 06:44
エムズの片割れ様 ここ東欧の田舎の民食では、長期契約(十ヶ月)の場合、一泊三食付が千円ほどで済むのです。食事はたっぷりで、なかなか美味しいですよ。日本では百万円の年金では窮乏感著しいものでしょうが、ここでは三人がホテル住まいできるということになりますね。私の住む部屋には、トイレ兼用のシャワー室、小さな暖炉が付いていて、寝台枕頭の窓からはカルパチア高原が見渡せます。窓を開けたまま眠りにつき、冷たい風によって、五時に起こされます。もう近所の美しい女の子(ルシンというスラヴ族)が、粗末な衣服を恥じるかのように、俯いて羊を草原に追ってゆきます。静かな静かな生活です。満足しています。
投稿: 永遠旅行者 | 2010年6月22日 (火) 23:05
「追憶」は私も好んで聴いております。エムズ様のおっしゃっている1番、2番の間奏の旋律はこの曲の魅力をいっそう素晴しいものにしていると思います。何種類か持っているCD、レコードの中からこの旋律の入ったものを探しました。
藍川由美「翻訳唱歌」のCD(チェンバロ伴奏)
由紀さおり、安田祥子のCD(シンセサイザー伴奏)
うたの原風景のCD(ピアノ伴奏)
中学生の指導者用レコード2種(ピアノ伴奏、児童合唱、女性合唱)
以上 ご参考にまでに
【エムズの片割れより】
貴重な情報をありがとうございます。そうですか・・。色々とあるのですね。そのうち何とか手に入れて聞いてみます。
・・・・とNetで調べてみると、貴重な、なかなか手に入らない音源のようで・・・・。うーん。
投稿: 酒屋 | 2010年9月23日 (木) 13:34
「追憶」いい歌ですね
今度独唱コンクールに出ます。
香川の独唱コンクールで「追憶」を歌います。
歌うと結構難しいです。(;´Д`A ```
なにかアドバイスがありまいたらお願いします
【エムズの片割れより】
この記事にも書いていますが、大学の時に聞いた、音楽の先生のタマゴが歌った「追憶」を、未だに覚えています。ぜひそんな印象に残る「追憶」を歌って下さいね。
投稿: 笹雪 | 2011年7月24日 (日) 18:23
追憶のお好きなイントロはこれかな? と思うCDがありました。
ソプラノのサイ・イエングアンという人のCDで、タイトルは「赤とんぼ」、サブタイトルが「聞かせたい母なる歌」です。
私の母が歌っているのは聞いたことがありませんが、中学の頃習った曲で、今でも歌は覚えています。私にとっては、「ふるさと」と並ぶ位の曲です。
【エムズの片割れより】
サイ・イエングアン、Amazonで試聴しました。声が素晴らしいですね。「追憶」も・・・
紹介、ありがとうございました。
投稿: 昔少年 | 2012年4月27日 (金) 14:41
男はつらいよ No.42僕の伯父さん の終りごろこの曲が一瞬小さく聞こえてきました。高校の女子生徒の合唱でした。
この曲は?と思ってDVDを戻し、かすかに聞こえる歌詞からネットで調べて、このサイトにたどり着きました。
いやー名曲ですね。そしてこの曲を挿入した山田洋次監督はさすがですね。
【エムズの片割れより】
そうですか・・・。良く見付けられました・・・
この歌はやはり女子学生が歌うのが一番にあっていますよね。
投稿: 濁り酒 | 2012年12月 2日 (日) 21:21
この曲は中学の音楽の授業で習いました。この曲を聴くと私も「先生の卵」のある女性の教生(教育の実習生)のことを思い出します。私はある大学の教育学部の付属中学の卒業生なので、中学在学中は毎年ある時期になると教育学部の大学生が教生として来校し、授業を担当しました。この教生の先生は私が2年生のとき理科を担当しましたが、理知的な美人で、授業もきちんとしていたことを覚えています。(ほかの教生の先生のことはどういう先生がいたかもよく覚えていません)。ある時、ホームルームの時間(あるいは教育の実習が終わってお別れ会のときだったかもしれません)、この教生の先生がお別れに歌を歌ったのがこの曲でした。ピアノの伴奏もない、独唱でしたが、たいへんきれいな声で、美しく歌いあげたことを覚えています。先日、この中学の同窓会があったので、このサイトを見ていれば、ほかの皆さんにこの女性の教生のことを覚えているか聞いてみることができたのにとちょっと残念な気がしています。
【エムズの片割れより】
何ともロマンチックな・・・。でも、こんな想い出は、そっとしておくに限る・・。現実(彼女の今・・)を知ると・・・!?
自分の思い出も、学生時代の“女声”。まあこっちはそんなロマンチックなものでは無かったけど・・・。
しかし、しみじみと心に滲みる歌ですね。
投稿: KeiichiKoda | 2012年12月 7日 (金) 09:07
「追憶」はいい歌ですね。これはスペイン民謡だと言われていますが、なぜか英語の歌詞で日本に伝わっています。タイトルはFlee as a Birdで、Free as a Birdではありません。fleeは「飛んで行く、逃げ去る」の意。英音lはrと発音が異なり、歌手には正確な発音が求められます。
【エムズの片割れより】
大変失礼しました。綴りを修正しました。どうも外国語が苦手なもので・・・。ヘヘヘ・・・
投稿: いにしえの | 2016年9月14日 (水) 09:35
いにしえ様のコメントに導かれて参りました。
この歌の存在を忘れていました。
しかしコメント欄の「追憶」をみるや
瞬時に旋律と歌詞が甦りました。
中学校の音楽室とグランドピアノの姿が甦りました。音楽的情報の少ない時代に鮮烈な印象を刻んだ歌です。古希目前ながら今、心は中学生に戻っています。(歌の翼に乗って)
【エムズの片割れより】
自分もこの歌を聞くと、中学に戻ります。
投稿: りんご | 2016年9月14日 (水) 18:50
昭和58年頃に中学2年か3年の音楽の教科書で追憶を知って以来、いまだに最も好きな曲のひとつです。
特に最後の「すみゆく心に」の部分は、歌い出しと同じメロディラインなのに、コード進行が変わっていて、それがとても気持ち良く大好きでした。
ただ当時は音楽が得意ではなく、そのコードを覚えておらず、残念なことに、教科書は無くしてしまっていて、どんなコード進行だったかを思い出したくて苦しんでおります。
最後の方だけは2拍づつでコードがかわり、augとか9thが使われていたように思うのですが、どなたかご存知ないでしょうか…?
いくつかネットで楽譜をみつけたのですが、どれも出だしと同じコード進行で、あの教科書に載っていたコード進行がみつけられなくて。。。
投稿: すいすいすい | 2017年12月14日 (木) 05:22
この時期になると必ず上ってくるメドレーと「…葉裏のそよぎ…」の歌詞。
散歩の途中に見上げた楠や他の雑木林の木々の新芽を春の明るい陽射しが薄く揺らしています。
何て云う曲だったか…
ずっと、喉に刺さった小骨の様な心持ちでいました。
そうだ!検索してみようと、した結果!
いとも簡単に幾つも出てきて、長年のモヤモヤが解消されました。
おまけに綺麗な歌声まで〜。
楽譜も、歌詞も。
今年71になりますが、良い少女時代を送らせて貰った世代なんだなーと思います。
また、覗かせて頂きますね。
投稿: 吉村美知子 | 2020年4月27日 (月) 13:02
追憶は中学の頃の教科書にあったので、よく覚えています。昨日もCDを聴きながら帰省しました。歌詞の「くだくる」は「下方へ向かって移動する」と解釈しますが如何でしょうか?
いづれにしてもこの曲はしっとりと、懐かしい感じで、変調されていて素晴らしい曲ですね。
【エムズの片割れより】
確かに自分も分からなかったので、色々とググってみると「砕(くだ)くる月影」というサイトが多いようです。
砕ける月影? 月が池の水面にでも映っているのでしょうか?
投稿: 小林 正隆 | 2020年6月27日 (土) 05:48