小椋佳の「歌談の会」に行った~「海辺の恋」
今夜、昭島市民会館で小椋佳の「歌談の会」というコンサートがあり、行ってきた。小椋佳との(レコードでの)“初対面”は昭和49年(1974年)8月なので、もう付き合いが35年にもな るが、やっと今日、ホンモノと対面したという訳。(対面といっても、相手は自分の事は、当然知らないが・・・)
このコンサートの事を知ったのが、チケットの発売から大分経ってからだったので、席は後ろの方・・・。よってさすがにホンモノは遠かった・・・。カミさんに言わるままオペラグラスを持って行ったが。これが正解だった・・。でも手で持っていると、どうしてもオペラグラスが揺れるので見にくい・・・。つい、どうもテレビとあまり変わらないな・・・と思ってしまったり・・・。つまり、声と演奏はスピーカを通してだし、画面はオペラグラスを通しての切り取った画面・・・。でも解像度は無限大・・・・。まあ「時を同じくしている」事はテレビと違うところだけど・・・・(←これ、席が遠かったためのグチ・・・)
小椋佳のファーストコンサートは1976年10月だったが、それから30年以上経った小椋佳は、さすがに慣れたもの・・・。話も実に珍妙でうまい! あの銀行家が・・・、そして“もう二度とコンサートはしない”と宣言したファーストコンサートでの緊張とは大違い・・・。(まあ当然だが・・・・)
今日のコンサートは「普段着での歌とおしゃべりの会」、と謳うだけあって、実にアットホーム。「さっき場内アナウンスで、写真を撮るなとか、携帯の電源を切れとか、飲食はダメとか言っていましたが、守らなくて結構です。隠れてやって頂く分には構いません。自分の写真を撮るような無駄なことをする人も居ないだろうし・・・、アッ携帯鳴っていますね。どうぞ、そこで・・・」から始まった。(本当にシャッターを切る人もいる・・・・)
そして今日の歌は、主に“作詞か作曲を別の人と組んで作った歌”の特集だった。そして、津軽を舞台にした「物語」も披露。女性のピアニストをお婆さんにしたり、ギタリストを役者に仕立てたりして、持ち歌を、物語に沿った替え歌にして歌う・・・・。
しかし、この「物語」のように、小椋佳のチャレンジ精神は旺盛。前はミュージカルをやっていたが、今日は物語・・・
軽妙な話の中に出てきた俳優さんでは、吉永小百合さんと3時間、直に話して楽しかった・・・とか、八千草かおるさんは、本当はオトシなのになぜあんなに若いのだろう・・・とか、團伊玖磨さんと堤清二さんと3人で、月に一回美味しい食事とおいしい話をする会があったが、そのうちそれぞれが奥さん以外の美しい女性を連れてくる事になり、自分は調達能力が無かったので、自分用の女性を二人が用意してくれた、とかいう話など、なかなかウィットがあって面白かった。
今日の小椋佳も健康そのもの。血色も良く(?←本当は遠くて分からなかった?)、顔も丸顔に戻って65歳とは思えないバイタリティ・・・。年齢的にも超ベテラン・・・。今日、本人が話していたが、作曲を始めてから38年で、作った曲が著作権協会に登録してあるものだけで2千曲を越えたという。そして他の歌手に提供した曲は300人にのぼるという。
今日の歌の圧巻は「山河」だったが、これは前にアップしたので(ここ)、最初のほうで歌った「佐藤春夫の海辺の恋」を聞いてみよう。この歌は「ほんの二つでしんでゆく」という1973年6月発売のアルバムに入っている歌である。
<小椋佳の「海辺の恋」>
「海辺の恋」
作詞:佐藤春夫
作曲:小椋 佳こぼれ松葉をかきあつめ
をとめのごとき君なりき
こぼれ松葉に火をはなち
わらべのごときわれなりきわらべとをとめよりそひぬ
ただたまゆらの火をかこみ
うれしくふたり手をとりぬ
かひなきことをただ夢み入り日の中に立つけぶり
ありやなしやとただほのか
海べのこひのはかなさは
こぼれ松葉の火なりけむ
もちろんこの歌詞の解説などしない。(僭越な・・・・)
しかし今日のコンサートの観客は、案の定、初老の人ばかり・・・。若い人はほとんどゼロ・・・・
でも一介のサラリーマンでも、才能さえあれば(例え風貌がどうであれ(失礼!))“ここまでの存在になる”という、ある意味“歌のアメリカンドリーム”かもね・・・
カミさんよりも長い付き合い(?)の小椋佳だが、元気な姿を見て安心をした今宵ではあった。
●メモ:カウント~32万
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