焼香の回数は?~雑誌「大法輪」より
雑誌「大法輪」(ここ)は、仏教の総合誌であるが、現在書店に並んでいる今月号(2009年3月号)は、特に勉強になる。今月号の特集は「仏教の誤解を解く~思い違いのQ&A」(ここ)である。身近な話題では、こんな記事が載っていた。
「焼香の回数は決まっている?
焼香は「香を焚いて仏を供養すること」です。この焼香は宗派により作法の回数も異なります。浄土真宗では「つまんだ香を「いただく」という動作(額のあたりに恭(うやうや)しく持ち上げる動作)はありません。それ以外の宗派では、香をまず「いただき」ます。
回数が定まっているのは、浄土真宗の本願寺派(お西)が1回、真宗大谷派(お東)が2回です。その他の宗派は特に定まっていないようですが、真言宗と日蓮宗は一般に3回、臨済宗は1回が多いようですし、曹洞宗は2回が多いような気がします。どうも全部の宗派に通じる、正しい作法、回数というのはないようです。」
「喪服は黒色が正式?
本来の「喪服」は「喪中であることを表す服」のことです。つまり遺族が着用する(会葬者は着ない)もので、日本では白が本来の喪服とされてきました。おそらく死者も白服に改められたことから、遺族もこれにならったものと思われます。遺族の女性は白布で頭を覆いました。黒が喪の色であったのは西欧です。明治中期に欧米文化を取り入れる中で、日本でも黒を喪の色とし、普及したのは関東大震災以降といわれます。なお、前述のとおり喪服は本来、遺族が着るものですが、一般の会葬者までもが黒の喪服を着用するのは、戦後の高度成長期以降の日本だけです。欧米にはないし、戦前の日本にもなかった習慣です。」(「大法輪」2009/3月号P115~116より)
この「大法輪」は、昭和9年に創刊された一宗一派にかたよらない仏教雑誌であり、書いてあることは信用できる。それが、今月は身近な話題で、一般に勘違いされていることなどを“正して”いて面白い。
しかし、葬式のときに焼香の回数をどうするかは意外と分からない。我々は、仕方が無いので前に焼香した人を真似する場合が多い。しかし「プロ」から見ると、色々とあるようだ。
それに葬式に行くには、黒の喪服を着て行くのが礼儀だと思っていたが、そのスタートが、何と戦後に始まった日本だけの習慣とは・・・・。あまりに最近の習慣なのでビックリ。
そう言えば、“お清めの塩”についても書いてあった。
「清め塩は仏教の教え?
「清め」というのは、日本古来の「穢(けが)れから身を清める」という観念から来ており、仏教とは本来関係のない習俗です。穢れの一つに死があり、この施に接したものは何らかの形で清められなければいけないという観念は中世からありました。「清め」には、身を海水に浸す=塩をかける、水で洗う=手水(ちょうず)などがありました。そこで死者を弔問したり、火葬場に行った者は、死の穢れに触れたので清められる必要がある、ということで出てきたのが「清め塩」です。もっとも今日のような葬儀の会葬礼状に挟む形式は、1970年代に葬祭業者が顧客サービスの一つとして開始したものです。そもそも仏教では死を穢れとはしないので清め塩は不要なはずですが、日本人の死に対する恐怖感が生んだ習俗で、それを現代日本では葬祭業者が増幅したものと言えそうです。」
先の当blogの記事で、新しく買ったパソコンに「清め塩」をしたことを書いた(ここ)。その時は「清め塩」の由来が分からなかったが、これで分かった・・・。
しかし我々は毎日、特に何も考えずに「風習」を実行している。でも、それらをいちいち理由・出所を意識しながら行うのも大変・・・。まあ大体で良いよね。
*・・・と、ここまで書いたら、電話が鳴った。カミさん曰く「振り込め詐欺の電話だ~!!」
「**(九州の息子)だけど、参っちゃったよ。携帯なくしちゃってさ・・」「モシモシどちらにお掛けですか?」「ツーツー・・」
だいたいウチの息子はそんなにベラベラしゃべらない! どうせ詐欺の電話を掛けてくるのなら、もう少し本人の喋り方を勉強してから掛けて来い!(しかし、本人の名前と電話番号が、どこかから漏れているわけで、気持ち悪いな~)
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