「所得に応じた負担に」:与党プロジェクト~障害者自立支援法を考える(7)
今朝の朝日新聞に「自立支援法 所得に応じた負担に 与党PT「原則1割」削除」という記事があった。この記事は非常に重要なので全文を記す。曰く・・・
「自立支援法 所得に応じた負担に 与党PT「原則1割」削除
障害者自立支援法の見直しを検討してきた与党プロジェクトチーム(PT)は、10日の実務者会合で、障害者がサービスを利用する際、費用の原則1割を自己負担させる現行法の規定を削除、所得に応じた「応能負担」へと法改正する方針を固めた。自立支援法は06年に施行されたが、負担増となった低所得層を中心に強い反発が出たことから、今回、大幅な見直しに踏み切る。
与党PTの議員は「原則が変わることが最大の違い」と、理念の転換の意義を強調する。ただ、現在も所得に応じた負担軽減策をとっているため、法改正後も負担水準は大きく変わらない見通しだ。
法制定にあたり、国は将来的に介護保険と統合することも視野に入れ、介護保険と同じ「1割負担」の原則を盛り込んだ。その上で、所得に応じて負担上限額を設けた。
しかし、主に低所得層で負担増となり、「1割自己負担は違憲だ」として、障害者らが各地で国と自治体を相手に提訴した。
こうした状況を踏まえ、PTの見直し原案は、「今回の法改正では、介護保険との整合性を考慮した仕組みを解消し、障害者福祉の原点に立ち返り、自立支援法により障害者の自立生活に必要十分なサービスが提供されるという考え方に立って、給付を抜本的に見直す」と記述。定率負担の原則を撤退し、応能負担の原則に切り替える。ただし、サービス利用が少なく定率のほうが負担が少ない人は、現在の負担水準とする方向。
政府・与党は2度にわたって期限付きの負担軽減措置を実施、実際の負担率を平均3%程度に抑えている。新年度も軽減措置を継続する方針を決めており、今回の法改正は、軽減措置がとられた現状を法的に追認する格好だ。(中村靖三郎)」(2009/2/11 朝日新聞p6)
前に「社保審 障害者部会が論点整理」という記事を書いた(ここ)。そこでは法改正に後ろ向きの状況が報道されていた。しかし、今日の報道は「応能負担」に戻すという記事で(当たり前だが)嬉しい動きである。
自分も、社保審の重み、今回の与党PTの重みが良く分からないため、今日の報道がどの程度の影響力を持つか分からない。しかし朝日新聞の同じ記者の記事であり、何よりも“与党自民党からの声”ということで、「応能負担」への転換を期待したいと思う。
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●メモ:カウント~31万
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