アダモの「夜のメロディー」
洋楽を殆ど聴かない自分だが、昔、少しだけ聴いたのがブラザース・フォア(ここ)とこのアダモである。もちろん「インシャラー」や「雪が降る」などの定番しか聴かないが、その中でもこの「夜のメロディー」は、1970年代に聴いた懐かしい曲である。
当時は、EMIのレコードの音が悪く(モノラル!)、とてもレコードを買う気になれなかったが、1980年にEPICソニーの「最新録音!」のLPレコードが見つかったので買った。これは、1978年3月のアダモ34歳の時の録音である。伴奏はトゥールーズ交響楽団の協力による。
<サルヴァトーレ・アダモ「夜のメロディー」>
歌詞オンチな自分は、もちろん外国の歌の歌詞など興味はない。でもせっかくなので、原詩の意味を読んでみた・・・。レコードの解説(訳詩)によるとこうある。
「夜のメロディー」
昼間はおまえを忘れていても
夜毎ぼくはおまえを呪って過ごす
そして月が沈む頃には
ぼくの魂はうつろで
心は重くなる、重く
夜よ、お前は巨大に見える
おまえをつかまえようと腕を伸ばすけれど
おまえは意地悪く
ぼくの先手を打って喜ぶ
夜よ、ぼくは気が狂う
夜よ、ぼくは気が狂うその上おまえの笑いは闇をさく
ぼくにはもうどこを探せばいいのかわからない
静かになった時、また希望がよみがえってくる
そしてぼくはまたおまえを愛しはじめる
おまえが戻ってくるのは束の間だそしてぼくを軽くあしらうために呼ぶ
けれどぼくが血の凍る思いをするたびに
おまえの笑いがすべてを消しに来る
夜よ、ぼくは気が狂う
夜よ、ぼくは気が狂う日の光はおまえの姿をかき消す
おまえはぼくの知らないところへ行く
おまえを籠にとじこめておく奴のところへ
そいつはぼくの気を狂わせる
夜よ、ぼくは気が狂う
気が狂う・・・狂う・・・狂う・・・
(対訳/中村敬子)
この歌詞をどう読む??“気が狂う”とは、前に当blogで書いた「森田童子の“「逆光線”」という歌を思い出す(ここ)。やはり日本の歌の歌詞の方が、味があって好きだな・・・
ところでアダモについて少し調べてみたら、サルヴァトーレ・アダモは1943年まれだという。イタリアのシシリー島生まれ。3歳の時にベルギーに移住。17歳の時から録音開始。18歳の時には、既に自作曲200曲以上のストックを持っていたという(出典ここ)。
そしてこの「夜のメロディー」は20歳(1964年)の時の作品。ちなみに「雪が降る」は19歳、「インシャラー」は22歳の時の作品とか。そして日本語版の「雪が降る」がヒットしたのは1971年だという。
アダモの来日は30回にも及び、海外アーティストの中でも特に親日家であるという。(ベンチャーズの50回にはかなわないが・・・)
こんな曲を久しぶりに聞くと、独身の頃を思い出す。
しかし世の中、洋楽で歌詞を良く認識して歌って(聴いて)いる人がどのくらいいるのだろう? 自分のように、歌詞などどうでも良くて聞いている人が多いような気がするが、勘違いかな?(まあ、負け惜しみだけど・・・)
洋楽にも良い歌はあった(←過去形)、と、フト気が付いたこの頃ではある。
| 0
コメント