「創作四字熟語」=「天声人語」の筆力?に感心・・・
先日の朝日新聞の「天声人語」に、住友生命が募った「創作四字熟語」についての話題があった。しかし、限定された文字数の中に、よくもまあこれだけ凝縮した内容を押し込んだものだと、「天声人語」がコラムの模範生とはいえ、感服・・。曰く・・
「ほぼ健診だけで雇ってくれた良き時代が「無病即採(そくさい)」なら、今の雇用不安は「家内暗然」だろうか。漢字四つで表す世相。以下、住友生命が募った「創作四字熟語」でこの年を振り返る。
借金で消費を重ねたツケだろう。背伸びした米国の住宅ローンは「脆宅惨米(ぜいたくざんまい)」に終わり、リーマン・ブラザーズ破綻(はたん)の「兄弟減価」で危機に火がついた。それより前で幸いだったのが、縦横無尽に働くべき日銀総裁がいない「中央無人」の20日間。危機こそ出番の政界なのに、失言を残して閣僚らが退く「舌退(ぜったい)多数」がなお続く。
医療や年金の不安から、不老長寿の夢は「苦労長寿」に転じ、医師不足の「窮々(きゅうきゅう)病院」に妊婦の顔も曇る。学校では無理難題を吹っかけるモンスターペアレントが「猪突猛親(ちょとつもうしん)」した。
食は今年も傷だらけ。小麦の高騰でパンもうどんも値上げの「粉群憤騰(こぐんふんとう)」。消費者担当相が孤軍奮闘しようにも、中国のウナギを愛知県産と偽る「鰻身(まんしん)相違」が足を引っ張る。
本番前に「聖火乱難(らんなん)」が五大陸を駆け抜けた北京五輪。ソフトボールは上野投手が金の夢をつないだ413球の「好投夢繋(むけい)」、競泳は北島選手がひと掻(か)きごとに連覇に近づく「一掻占金(いっかくせんきん)」にわいた。片やマラソンの高橋尚子さんは現役を引退、惜しまれつつの「活動Q止」に。
学生が大麻に手を出し、大学当局が頭を下げた「汚薬御免(おやくごめん)」もつらい。政治も経済も社会も、国ごと崖(がけ)の上にあるような日本だが、ひとり元気なのがアニメ文化。耳を澄ませば〈ポーニョポーニョポニョ〉と「四面魚歌(ぎょか)」の08年でした。」(2008/12/12朝日新聞「天声人語」から)
住友生命のHPに今年の「創作四字熟語」ベスト50が載っている(ここ)。上の記事とダブルが、その中で自分が気に入ったのを転記してみると・・・
・「好投夢繋」(こうとうむけい:荒唐無稽)北京オリンピック。女子ソフトボールでは、上野由岐子投手の好投が金メダルへの夢に繋がった
・「株式逃資」(かぶしきとうし:株式投資)世界の株安で、株式に投じた資金が目減りして逃げていく。
・「暗増景気」(クラサマスケーキ:クリスマスケーキ)金融不安、円高、物価上昇・・・景気は一段と悪化。
・窮々病院(きゅうきゅうびょういん:救急病院)医師不足で困窮する救急病院。
・兄弟減価(きょうだいげんか:兄弟喧嘩)リーマン・ブラザーズショックは大変なものでした。あちこちで、責任の押し付け合いが発生していそうです。
・「中央無人」(ちゅうおうむじん:縦横無尽)日銀総裁人事が混迷。中央銀行の総裁が空席となる異常事態に。
・「汚米極怒」(オー・マイ・ゴッド)まさか汚染米が流通しているとは!驚きと怒りを覚えました。
・「酷使無償」(こくしむしょう:国士無双)「名ばかり管理職」の過重労働が社会問題となる。
今年で19回目を迎えるという住友生命の「創作四字熟語」。自分は、第一生命の「サラリーマン川柳」(21回)の方が好きだが、まあ保険会社も顧客との“ツテを期待して”色々と考えるものだ。
でも最近は、このようにウィットで受け流さないと、息苦しい世の中になってきたのは確か。何と“米GMが破産の危機!”とか、“ドルが13年ぶりに88円台に突入!”とか・・
“今年の一字”は「変」だとか。これは納得! 今年もあと半月か・・・・。
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