“ちあきなおみ”と“すぎもとまさと”の「かもめの街」
ちあきなおみの「かもめの街」は、スケールの大きな歌である。カラオケなどで素人が歌える歌ではない。プロ専用の曲のような気がする。つまり、大変な歌唱力が必要とされる歌だ。
<ちあきなおみ「かもめの街」>~ライブ盤
「かもめの街」
作詞:ちあき哲也
作曲:杉本真人
歌 :ちあきなおみ
やっと店が終わって ほろ酔いで坂を下りる頃
白茶けたお天道が 浜辺を染め始めるのさ
そんなやりきれなさは 夜眠る人にゃ分からないさ
波止場に出れば カモメがブイに2,3羽
一服しながら ぼんやり潮風に吹かれてみるのが
あたしは好きなのさ
カモメよ カモメよ
淋しかないか
帰る故郷があるじゃなし
おまえも一生 波の上
あたしも一生 波の上
あ~あ~ドンブラコ
いろんな人が居たし いろんな人が居なくなった
泣いてくれるのは カモメと霧笛ばかり
一服しながら あれこれ取り止めなく懐かしむのが
あたしは好きなのさ
カモメよ カモメよ
風邪などひくな
絹の寝床があるじゃなし
おまえも一生 波の上
あたしも一生 波の上
あ~あ~ドンブラコ
カモメよ カモメよ あ~あ~
(作詞が「ちあき哲也」とあるので、ちあきなおみと関係があるのかと思ったが、無関係のようである)
「紅とんぼ」もそうだが、ちあきなおみは素晴らしい歌唱力である。しかし、周知のように1992年に夫の郷鍈治が肺がんの為、55歳で亡くなったのをきっかけに、一切の芸能活動を休止している。今どうしているのは分からない。
ちあきなおみは、かけがえの無い夫を亡くしたことで、「歌う」という本来の姿を失ってしまった・・・。この事から、ちあきなおみの場合、歌は単なる「生活の手段」ではなく、「自己表現の手段」だったのだろう。だから、その活動の一翼を担っていた夫の存在が無くなったとき、まさに「ちあきなおみ」という存在(歌手)は、「片割れ」だけでは機能しなくなったのかも知れない。
「ちあきなおみ」という歌手は、一見“トボけた”一面とは裏腹に、何とも壮絶な大歌手ではある。
ついでに、この歌を作曲をした「すぎもとまさと」の歌でも聞いてみよう。
<すぎもとまさと「かもめの街」>
●メモ:カウント~24万
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コメント
ちあきなおみって歌の上手い人だったんですね。「何時ものように幕が開き~」を聴いている限りでは、単にこの顔、この声が好き、嫌いで終わってしまっていましたが、上手いですね。そしていい歌ですね。
投稿: 乙丸朝子 | 2008年12月 3日 (水) 16:40
始めまして、森男と申します。
ひばりの「津軽のふるさと」以来、愛読しております。
ちあきのこの歌は知りませんでした。
実はちあきが活躍していた頃は、何かフザケタ感じがして、あまり好きではありませんでした。
しかし、最近あちこちで聞くちあきは、なかなかいい、と思います。
この「かもめの街」も素晴らしいですね。
よろしければ、私のブログでこちらさまのブログと共に紹介させて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?
投稿: 森男 | 2008年12月 7日 (日) 22:19
森男さん
コメントありがとうございます。
当サイトはリンクフリーですので、ご自由に扱ってください。
読者が増えれば嬉しいので・・・
ちあきなおみを、自分は「とぼけた」と表現しましたが、人間、なかなか裏側は分かりませんね。
投稿: エムズの片割れ | 2008年12月 7日 (日) 22:36
ここで取り上げられて嬉しく思う、好きな曲です。
すぎもとまさとさんでいいなと思い、ちあきなおみさんのCDを買いました。
そのCDには同じすぎもとまさとさんの冬隣も入っていましたが「悲しみを拾って」が切なくてジーン、でした。
投稿: 福田 | 2008年12月21日 (日) 00:07
福田さん
作曲家も、歌手としても“プロ”もですよね。
同じような曲ですが、「紅とんぼ」も好きな曲です。
投稿: エムズの片割れ | 2008年12月21日 (日) 20:11
ちあきなおみのかもめの街:聴いて『ああ、エーなあ!』と思う歌がある、後で胸中を何度も去来する歌もある、浮き立つ歌もある。不覚にも落涙してしまう歌もある、それがこれだ。ちあきなおみ、素晴らしい歌唱力、惜しい。この歌、ポルトガルギターで伴奏をつけてファドのようにアレンジし、彼女の歌で聴いてみたい。
投稿: yakata1578 | 2011年4月15日 (金) 13:07