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2008年12月22日 (月)

藍川由美の「時計台の鐘」

札幌市のシンボルともいえる時計台が、札幌農学校の演舞場として明治11年(1878年)に造られてから、今年で創建130年になるのだという。
Tokeidai1 今朝の日経(文化欄=p40)に、西 安信氏(北海道工業大学学長)の「米国生まれ 札幌塔時計」という記事があった。西氏は30年に亘ってこの時計台に設置してある「塔時計」について、その歴史を追ってきたそうだ。調べ始めた創立100周年の頃は、米国製か日本製かが議論されていたという。そして結論は・・・・(写真はクリックで拡大)
「・・・1906年版の米ハワード社のカタログには「Japan,tokio,Clock erected,1878」とあり、「#738」の書き込みがあった。札幌農学校から塔時計の発注を受け、同社が東京へ発送した記録だ。「738」というのは製造番号である。記載されている価格表によれば、価格は525ドル。クラーク博士の年俸が7200ドルだったから、1カ月分に近い金額といえる。・・・」(2008/12/22「日経」より)
そして、札幌時計台は電動ではなく巻き上げ式なので、その守り役を1933年から担ってきたのが井上清さん、和雄さん親子であり、その保守状態を写真で見た米ハワード社の元副社長は「素晴らしい保守状態なので、あと200~300年は動くだろ」という手紙をくれたとか・・・。

まあ、そんな訳で、今日は「時計台の鐘」という歌を・・・
この歌も、色々な歌手で持っているが、藍川由美さんの歌が一番オーソドックスなような気がする。

<藍川由美の「時計台の鐘」>


「時計台の鐘」
  作詞/作曲:高階哲夫

1)時計台の 鐘が鳴る
 大空遠く ほのぼのと
 静かに夜は 明けて来た
 ポプラの梢に 日は照り出して
 きれいな朝に なりました
 時計台の 鐘が鳴る

2)時計台の 鐘が鳴る
 アカシヤの木に 日は落ちて
 静かに街も 暮れてゆく
 山の牧場の 羊の群も
 黙ってお家へ 帰るだろう
 時計台の 鐘が鳴る

この歌は、高階哲夫(富山県滑川市出身)の作詞・作曲。1923年(大正12年)に、当時、東京音楽学校出身の新進バイオリニストだった高階哲夫が(後に妻になる)アルト歌手の相沢ます子(旧姓)と共に、ます子の故郷の札幌で演奏会を開いたが、その演奏会は新聞Tokeidai で酷評されたものの、その時に巡った札幌の印象をこの曲にしたのだという。その後、何度かの手直しを経て1927年(昭和2年)に楽譜が出版されたという。
そして初レコード化は、昭和6年4月に、高階氏のピアノで夫人のます子さんが独唱して録音されたものらしい。
自分は、この歌も岡本敦郎の古い録音を持っていたので、てっきりラジオ歌謡などの仲間かと思っていたが、今回調べてみて、より歴史のある歌であることが分かった。

そういえば、この歌は自分が小学校の時、音楽の教科書に載っていたように思う。そして、(冬でもズボン吊のついた半ズボンの)“東京っこ”の同級生が、(家庭教師から教わった)ビブラートをつけたキレイな声で、学芸会で歌っていたのを思い出す。

札幌の時計台・・・。前に出張で札幌に行った際に、中まで入って見学したことがあったが、たしか道路を隔てた正面に、見学テラス付きのコーヒーショップがあったような記憶がある・・・。しかし、町を代表する「歌」があるのは羨ましい・・・・
ちなみに、当八王子には、「八王子の鐘」も無ければ、八王子を代表する歌も無い・・・。

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コメント

昔からか最近か分かりませんが、時計台では毎夜のようにコンサートが開かれています。文化財を守り札幌市を元気にするそんな意味合いからも時計台、豊平館等でコンサートを開催することは意義あること事と思いますが、いかにせん床が平ら、演奏者が見えない、木造なので通りの雑多な音(サイレン等)が聞こえてくる。豊平館に至っては絨毯が敷き詰められています。私も何度も時計台のコンサートに出演しました。開演時間が6時半だと、途中7時にまさしく時計台の鐘が七つなります(ノ∀`)・゚・。 アヒャヒャヒャヒャその鐘の音をどう使うかも出し物によっては面白いところではあります。今年はエムズさんから「三つの山の歌」の回答を頂けた事、8月に声楽のリサイタルを開催したことこの二つが私にとっての二大ニュースでした。「三つの~」はまだ手をつけていませんが、今後の楽しみの一つです。今一度お礼を申し上げます、ありがとうございました。

投稿: 乙丸朝子 | 2008年12月23日 (火) 11:12

乙丸さん

確かに自分も一度時計台の中に入りましたが板の間でした。元々の演舞場は、舞台が必要なかったのかも?
音も確かに筒抜けですね。でもムードだけはあるような気がしました。
騒音にめげずに頑張ってください。

投稿: エムズの片割れ | 2008年12月23日 (火) 20:48

燈台元暗し
先ずは日本の歌をこのように集められたことに敬意を評します。以前から中学、高校の音楽の教科書に苛立ちをおぼえています。文部省は何故この国の先人達の残した格調高い歌を子供たちに教えずにジャズやビートルズ、或は『詩がない』表層善意表現のような最近の歌などを取り上げるのか?そんなもので情操は育たないと思いませんか?話は逸れますが最近中学高校生の英語をみて『これは英語の勉強じゃない、推理力を試すだけだ』と思ったことがあります。『評価』に先生方の『洞察力』を要しない問題をさせる、等。これでは子供たちの芽を教育が潰しているとしか思えないし本当は愉しい英語や国語の勉強がカサカサでうんざりするものになっている、ように思います。教育は子供たち、即ち将来の日本を作る為にあるのです。先生方が効率よく仕事をし、どこに何人入れた、を競う為にあるのではありません。かつて秋山好古は『国家は栄達の為に貴官らを任命したのではない』と、前線に出ず弾の飛んで来ない後方で指揮をとっていた軍人達の肩章を毟り取って激怒したらしいですが多くの場面でこの辺りが日本人の大きな欠点ではないかと愚考します。

【エムズの片割れより】
なかなか手厳しい・・・。コメント無~し。

投稿: yakata1578 | 2011年4月 1日 (金) 07:58

孫の遊び場所にと考えてたら、富山県滑川市「東福寺野公園」が出てきました。
以前勤務していたことから、出身者の[高階哲夫]の歌碑があったこを思い出しましたが、題名が出てきませんでした。ネットで調べたところこのこのホームページにたどり着きました。
「時計台の鐘」を懐かしく聴かせてもらいました。感謝しながら、これからも利用させてもらいます。
今年で、天下りをしないで定年5年目です。
経済金融から地球の動きを調べ、本質を周囲の人達に啓蒙したいと考えています。
いま丁度、八尾の町で「[風の盆おわら祭り」がやっています。今月末には立山の紅葉も始まります
こずくら、ふくらぎ(はまち)、ぶりと続く魚も獲れだします。秋風にそよぐ秋桜を観ながらの酒も一興です。
顔に似合わない隙(数寄)者

【エムズの片割れより】
そうですか・・・。行ったことはありませんが、風の盆のお祭りの季節ですか・・・(自分も2008/7/3の記事で書きました)
お孫さん相手に、自由な余生のご様子・・・。羨ましい限りです。

投稿: 中村博司 | 2011年9月 2日 (金) 10:58

八尾「風の盆}の記事を読みました。秋口の、山間の哀愁風情を愛する人達が訪れて来てくれるのだから、地元の人達も嬉しくなってきているらしいですよ。
不思議な、縁を感じた話です。コメントを書いた9/2の翌日のことです。次女(名古屋在住)の嫁ぎ先のお父さん(大分在住、70歳)が「風の盆」が大好きで三回目の見物に、単独で来ておられたのです。帰宅寸前のところへ連絡を入れることが出来、我が家へ泊まってもらい、親交を深めることができました。台風12号の影響もなく踊り、唄、胡弓の伴奏を堪能された様子。解禁になった蟹、鮎、を食べ、弱いのに赤ワインを飲み、赤くなった顔をして覚えたての、おわらの歌を披露してもらいました。至福のひと時でした。

【エムズの片割れより】
何とも不思議なご縁で・・・
日本の情緒。色々と体験したいとは思いますが、何せ当方、オミコシが重い・・・

投稿: 中村博司 | 2011年9月 7日 (水) 10:47

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