TVドラマ「風のガーデン」と「乙女の祈り」
このところ、フジテレビで(木)夜に放送中のドラマ「風のガーデン」(これ)にはまっている。つい、緒形拳の遺作だというので見始めたが、さすがに倉本聰の脚本だけあって味がある。
物語は、富良野で妻を浮気で自殺に追いやり、父親(緒形拳)に勘当された麻酔医・白鳥貞美(中井貴一)が、手遅れのガンになって絶縁状態の富良野に戻って行くというもの。緒形拳扮する父親の医師は、在宅緩和医療をすすめている。緒方拳は、自宅での看取りのため、各家庭を回る。そして、「尊厳死協会」のチラシが何気なく映る。
ある家庭で、息子が死直前の父を入院させろ・・と言うと、「入院をさせたら、病院は治療をしなければならない。だから切開して管を付ける。そして家族から離される。そして亡くなった後、何も出来なかったと家族に後悔が残る。だから本人の希望通り、家で最期を迎えさせてあげたら?」と諭す。このようなセリフを、まさに自分自身の死を目の前にした緒方拳が話す・・・
この「風のガーデン」は、「北の国から」「優しい時間」に続く「富良野三部作」の最終章として書かれたという。そういえば「北の国から」は、昔ビデオで全部見たっけ。いつだったか、単発物のSP「北の国から」を初めて見たときに、“これがウワサの「北の国から」か・・・”と感激(?)し、夏休みにレンタルビデオで、1981年からの連続ドラマや、その後のSPドラマを全部見た。
この「風のガーデン」もその雰囲気を伝えている。しかし、少し気になる所もある。息子の岳は自閉症っぽいが、絶対音感を持っており、ピアノの調律をし、ピアノも演奏する。少し出来過ぎかも?? でも“純な雰囲気”は良く出ている。それに余命数ヶ月という主人公が富良野に戻るが、末期がんであるにも拘わらず、あれほど他人に気付かれない生活が続けられるものか・・・?(もし自分だったら、気落ち落胆して到底普通の会話など出来ないだろうに・・・)加えて、緒形拳も自分の病気を外部に絶対に知られないようにしていたらしい。その精神力・・・)
ともあれ「風のガーデン」も、もう6回が終わった。あと4回で終わる?
前回の第6話(2008年11月13日放送)で、息子の岳がピアノで「乙女の祈り」を弾いている場面が出てきた。そして父親・中井貴一のチェロと合奏・・・。久しぶりに聞いた「乙女の祈り」であった。
最後にその「乙女の祈り」を聞きながら、緒形拳の冥福を祈り、ドラマの続きを期待する事にしよう。
<バダジェフスカ:「乙女の祈り」~クーパー(pf)>
ついでにバダジェフスカを調べてみたら、テクラ・バダジェフスカは1838年生まれのポーランドの女流ピアニスト・作曲家。この「乙女の祈り」は18歳の時の作品であるが、バダジェフスカが23歳で亡くなったため、この曲だけが知られているという。
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