「宇宙エレベーター」~夢のある話
先日の朝日新聞に「できるぞ 宇宙エレバーター:総延長10万キロ、建設費1兆円なり」という記事があった。なんと夢のある話だろう・・・(2008/11/24朝日新聞p10)
ロケットを使わずにエレベーターに乗って宇宙に行く「宇宙エレバーター」の日本初の国際会議が今月(2008年11月)中旬、日英米の専門家を集めて開かれたそうだ。これまではSFの世界の乗り物とされてきたが、技術革新によって建設実現も夢ではなくなってきたという。
宇宙エレベーターは、赤道の上空3万6千キロにある静止衛星からとてつもなく長いケーブルを地上に垂らし、これを伝って昇降機を上下させ。地上と宇宙を行ったり来たりする乗り物。静止衛星から、地球と反対の宇宙方向にもケーブルを伸ばす必要があり、ケーブルの総延長10万キロの、いわゆる縦に長い静止衛星だという。昇降機は時速200キロで、静止衛星までは約7日間で到着。
こんな奇妙な乗り物が考案されたのは、いまの宇宙ロケットが効率の悪い乗り物のためと言う。
米ロス・アラモス国立研究所の元研究員で旗振り役のエドワーズ博士によると、建設には15年、費用は1兆円。地球からエネルギーを送るレーザー照射器に1500億円、静止軌道への打ち上げに1000億円、地球上の基地建設に600億円、ケーブル作製に400億円という内訳だそうだ。
宇宙エレベーターのケーブルは、あまりに長いため、自重に耐え切れずに途中で切れてしまうと考えられてきた。鋼鉄の180倍の強度が必要だが、理論上400倍まで耐えるカーボンナノチューブの出現で風向きが変わり、すでに必要強度の1/3近いナノチューブが開発されているという。
この会議を主催した民間団体、日本宇宙エレベーター協会の大野修一会長は、「議論は『できるかどうか』から『いつ、誰がつくるか』に移ってきている。早期実現のかぎは、必要な技術で最先端を行く日本が握っていると思う」と話しているそうだ。
この記事を読んで、実に夢があって面白いものの、色々な心配事が浮かぶ。素直な疑問だ。スペースシャトルに比べて、本当に効率が良いのかどうか? ケーブルは薄いベルト状とあるが、どうやってよじ登る?登山電車でさえ、車輪の摩擦だけでは登れないので、線路の真ん中に歯形のレールがある。ベルトに滑らないような細工が必要だろう。
でもケーブルの重さは、1kmあたり7kgほどだという。どうも信じられないな・・・
ともあれ、天下の朝日新聞に載っている記事なので、ウソではないだろう。
しかし、祝日(11/24)にこのような「悩み」を与えて、暇つぶしをさせるなど、なかなか“ニクイ”新聞ではある・・・!?
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