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2008年11月18日 (火)

中村元の「観音経」(9/13)

この連続記事は、1985年4月から9月まで、NHKラジオ第二放送で行われた全26回の連 Image01261_2 続講義「こころをよむ/仏典」(CDはこれ)の「第18回 願望をかなえる-観音経」の部分を、『中村先生の声』と『原文』『読み下し文』を元に味わっていくもので、今日はその第9回目である。

<こころをよむ/仏典「観音経」~その9CDはこれ

に-じ-むーじんに-ぼ-さつ い-げ-もんわつ
爾時無尽意菩薩 以偈問白
せ-そんみょうそ-ぐ- が-こんじゅ-もんぴ- ぶつし-が-いんねんみょうい-かんぜ-おん
世尊妙相具 我今重問彼 佛子何因縁 名為観世音
ぐ-そくみょうそうそん げ-とうむ-じんに にょうちょうかんのんぎょう ぜんのうしょほうじょ-
具足妙曹尊 偈答無盡意 汝聴観音行 善応諸方所

ぐ-ぜいじんにょうかい りゃっこうふ-し-ぎ- じ-た-せんのくぶつ ほつだいしょうじょうがん
弘誓深如海 歴劫不思議 侍多千億佛 発大清浄願

が-い-にょ-りゃくせつ もんみょうぎゅけんしん しんねんふ-くうか- のうめつしょ-う-く-
我為汝略説 聞名及見身 心念不空過 能滅諸有苦

け-し-こうがいい-  すいらくだいか-きょう ねんぴ-かんのんりき か-きょうへんじょうち
假使興害意 推落大火坑 念彼観音力 火坑変成池

その時、無尽意菩薩は偈(げ)をもって問うて曰わく
「世尊は妙相を具(そな)えさせたまえり われ今、重ねて彼を問いたてまつる
『仏子は何の因縁にて 名づけて観世音となすや』と。
妙相を具足したまえる尊は 偈をもって無尽意に答えたもう。
『汝よ、観音の行(ぎょう)の 善く諸の方所に応ずるを聴け。
弘誓(おおいなるちかい)の深きこと海の如く 劫(こう)を歴(ふ)るとも思議しえざらん。
多千億の仏に侍(つか)えて 大清浄の願を発(おこ)せり。
われ汝がために略して説かん 名(みな)を聞き及び身を見て
心に念じて空しく過(すご)さざれば 能く諸有(あらゆる)苦を滅せん。
仮使(たとい)、害(そこの)う意(こころ)を興して 大いなる火抗(かぎょう)に推し落とさんも
彼の観音の力を念ぜば 火抗は変じて池と成らん。

よく独立して唱えられている偈(げ=詩)の部分は、当記事の最初でも紹介している。(ここ)しかし、ここでもう一度、味わう事にしよう。
観音経は、前回までの「長行(じょうごう)=散文形式」の内容を、再び「偈(げ)=漢詩の形式)」で説いている。五文字の連続が何とも心地よい。
「観音」の別名は、サンスクリット語で「サマンタ・ムカ」(あらゆる方向に顔を向けた人)という。つまり、観音さまは、あらゆる方向に顔を向けて、それぞれの場所で苦しんでいる人を見、それそれの人に応じてみずからの姿を様々に変えて教えを説き、救って下さる。その変身は33身に及ぶ。
そして「念彼観音力」シリーズ(?)12の始まりである。今日のところは「①火難=火の坑(あな)に突き落とされて焼き殺されようとする難」である。観音さまを念ずれば助けてくれる・・・。

話は変わるが、今日の昼休み、会社の近くの高野山東京別院に散歩して、観音さまに(先週から気になっている)「カミさんの**が下がりますように・・」と念じてきた。でも、健康の事は、薬師如来の特技だった事に気が付いた。でも近くに薬師如来を祭っている寺を知らないので・・・
まあ観音さまは、何でも聞いてくれるはずなので、たぶん**は下がるだろう?甘いかな???

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