がん難民コーディネーター 藤野邦夫氏の話
このところ、世界的な株の下落ばかりではなく、今日はドル安、ユーロ安が大きく報道されている。悪い情報は、体に“悪い気”が入るので聞かない方が良い。という考え方もあり、自分もそうしたい方だが、下記のラジオ番組で「現状を正しく認識しなければダメ!」と叱られてしまった・・・。
先日(08/10/15)放送されたNHKラジオ深夜便「〔輝いて生きる〕がん難民を救え~がん難民コーディネーター 藤野邦夫」を聞いた。
<「〔輝いて生きる〕がん難民を救え~がん難民コーディネーター 藤野邦夫>
この放送は録っておいて、今後、自分や家族がガンに罹ったときに再度聞き直す事にしたい・・・・、そんな番組であった。まあ要約するとこうなるかな・・?(必ずしも話をされた順ではない。~話が飛ぶため、語録をカテゴリ毎に整理した)
「西東京市の翻訳家 藤野邦夫さん(73)は、自分の母親と弟・妹の3人をがんで亡くした体験、および自身が4年前に前立腺がんで「小線源療法」を受けた事をキッカケに、手弁当(無料)で、がん患者と医師との間のコミュニケーションを手助けする“がん難民コーディネーター”をしているという。「がん難民」とは、末期がんなどで病院から見放されて(治療する事が無くなって)退院を余儀なくされ、病院から追い出されて行く所が無くなった人。
藤野邦夫さんは、職業が翻訳という事から医療情報が豊富に入ってくるため、その情報をもとに、色々なアドバイスをしている。
<キッカケとなった「本」>
最初は、医学のがん治療の最先端の本を訳していた。それから医者のシンポジウムで話したりしていた。訳した本の中に「ガンに打ち勝つ患者学」(これ)というのがあり、余命1ヶ月と言われた人が10年以上生きている人が何万人も居ると書いてあった。
<病院・医師の現状>
もはや日本は2人に1人はがんになる時代。
他の病院で手術をした人は、大病院では受け入れないというドライな面がある。
医師は週90時間労働など、あまりに忙し過ぎて、余裕が無い。
医師の中には「これから3ヶ月命をのばして、どんな意味がある?」と言う人も居るが、人は生きる意味を考えて生きているわけではないので、患者や家族が生きたい、生かせたいと思えば生かすべき。
病院側は、手術できない末期がんの患者を抱えても金にならないという事情がある。でも患者側は、切羽詰っても行くところが無い。
抗がん剤は、大病院ではシステム化されており、抗がん剤をどう使うかは、病気の状況によりプログラム化されている。
<患者と医師>
知識の無い患者、親切に出来ない(=時間の余裕が無い)医師の間をどう埋めるか。これが仕事。
患者側もうろたえて医師の質問に答えられない。例えば治療方法に4つの選択肢があります、と言われても萎縮してしまって答えられない。
<どうアドバイスするか?>
相談される患者は、余命3~6ヶ月と言われた人が多い。
まず時系列の病歴を聞く。そして細かく、貯金は幾らあるかまで聞く。
地方の人は東京に呼び出して話を聞き、計画を立て、実際の治療は地方の病院で行ってもらう。セカンドオピニオンは地方では難しい。しかも2万円の金が掛かる。
①患者は自分の病状を正確に認識する事。医師は、もっと患者に詳しく説明するようにならなければいけないが、医師の力量に差がある。
②今、どのような療法があるかを全部話す。
西洋医学が中心になるが、進行がんの場合、先ず抗がん剤で緊急状態を脱する。そして時間的な余裕を持ち、それから本人の免疫をいかに高めるかを考える。最後にがんと闘うのは、本人の免疫以外はない。
世界の共通認識だが、「統合医療」が世界の趨勢。がんを精神的なものを含めて対応する。
<免疫を強くする>
まず患者にとって一番大切なことは。痛みを取ってやる。痛みさえ無くなれば、あっち(あの世)に行きたいと言う人は居なくなる。
痛みの無いQOLの高い生活は寿命を長くする。これは6月に行われた全米の学会でも発表があった。
免疫を強くするには、ライフスタイルが重要で、朝水を飲む。1日コップ8杯2リットル。
そして運動すること。運動は週に3時間以上散歩すること。雨の日はしなくても良い。
これで乳がんや大腸がんの免疫が2倍になるという。ぬるめの風呂に20~30分入って血行を良くすること。玄米も昔から良いと言われている。そして、検査データに一喜一憂するな。マイナスの事は考えるな。
抗がん剤も個人で効き方が全く違う。温熱療法や免疫療法。
新しいデータは毎日のように入ってくる。医療の現場の人は、新しい知識に欠けている人が多い。」(2008/10/15放送、NHKラジオ深夜便「〔輝いて生きる〕がん難民を救え~がん難民コーディネーター 藤野邦夫」より)
まあこれらをひと言で言うと、「自分で余命を永らえたければ、自分で病状を良く認識し、世界の療法を良く知って選び、そして自分の免疫を高める努力をすれば、幾ら医者が3ヶ月と言っても、それ以上生きられるよ・・・」と言う事か・・・
確かに、標準治療というのはあるらしい。先日カミさんの友達のヘルパーさんから聞いた話では、「利用者さんの90歳を超えた人にがんが見つかって手術をした。でもがんが再発して2度目の手術をしたが体調が悪化して、その後の検査の最中に亡くなってしまった」という。この例は、本当に手術をした方が良かったのか・・・。年齢に関係のない?「標準治療」の犠牲になったのかも知れない・・、と感じた。
まあ自分の場合は、本人(自分)はオロオロと、うろたえるだけだが、まあカミさんがしっかりと医師と話をするだろうから心配はしていない。(トホホ・・)
(2010年5月6日追加)
<NHKラジオ深夜便<ないとエッセー「今、がんと闘うために」翻訳家・がん難民コーディネーター 藤野邦夫>
(2009年11月23日~26日放送/2010年2月22日~25日再放送)
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コメント
放送内容の貴重な要約を有難うございました。
こちらのサイトの「臨床医のひとり言」のページに、腫瘍内科のお医者様が藤野邦夫さんについて書いておられます。
http://2nd-opinion.jp/
投稿: | 2009年1月31日 (土) 12:48
「臨床医のひとり言」のサイトを読みました。
先日、ブータンの記事で、「マスコミ報道で流される情報がすべて正しいと思い込むのは禁物。むしろ報道には嘘があると思うのが懸命」とのご指摘を頂きました。
これは全くその通りで、知った事実も「ある一側面」と認識すべきですよね。同じ事実も、切り口で結論が違って見えてくる・・・。
自分も、事実を客観的に見られるように勉強が必要かも・・・。
でも自分がもしガンに罹った時は、「何でも良い話には飛び付きたくなる・・・」という気はします。弱さですね・・。
投稿: エムズの片割れ | 2009年1月31日 (土) 13:23
食生活でガンになりにくいとかいうのはナンセンスだという。なぜなら、この世にそんなガンになりにくい食べ物があるのなら貪欲な製薬会社が当然発売するはずだから。
投稿: みかんちゃん | 2013年10月 8日 (火) 19:44