オルガンとピアノによる「ワーグナー」
前に、ショルティ/ウィーン・フィルのワーグナー「タンホイザー」序曲の“録音”について書いたことがあったが(ここ)、今日はそのワーグナーの楽曲の、オルガンの編曲とピアノの編曲の紹介である。
まずオルガンの編曲(リスト編)だが、オリヴィエ・ラトリーのオルガン演奏による歌劇「タンホイザー」から「巡礼の合唱」の旋律。オリジナルのオーケストラの音は、この上なく重く、荘厳な曲だが、このオルガンによる演奏も、なかなか荘厳で良いではないか。少しだけ聞いてみよう。
<ワーグナー(リスト編):「タンホイザー」から巡礼の合唱>(CDはこれ)
オルガン:オリヴィエ・ラトリー
次に、同じ旋律を4手のピアノ(連弾)で演奏したものを聞いてみよう。この編曲はワーグナー自身である。これは、オルガンよりも細かな旋律を演奏しているが、重みは無い。これも少し聞いてみよう。
<ワーグナー(ワーグナー編):「タンホイザー」序曲より>(CDはこれ)
ピアノ:タール&グロートホイゼン
ちなみにオリジナルはこれ・・・
<ワーグナー:「タンホイザー」序曲より>(CDはこれ)
ショルティ/ウィーン・フィル~1961年録音盤
ついでに同じワーグナーの楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」前奏曲も聞いてみよう。これは2台のピアノのためのもので、レーガーの編曲である。
<ワーグナー(レーガー編):「ニュルンベルグのマイスタージンガー」前奏曲>(CDはこれ)
ピアノ:永井幸枝&ダク・アシャッツ
聞いてみると、重いワーグナーやブルックナーの音楽にオルガンの音色は合っているが、ピアノはモーツァルトの音楽に、より合っているような気がする。
そうは言っても、確かにワーグナーの荘厳な音楽を、ピアノやオルガンで演奏すること自体が“作曲者に対する冒涜だ”という見方もある。(もっともピアノ編曲は自身が行っているので、そうでもないか?)
でも、もし自分がピアノを演奏することが出来たら(まったく出来ないが・・)、ワーグナーを“自分一人で演奏出来る”という事は、すばらしいことだ。(もっとも4手必要なので、2回録音??)
まあ“夢のまた夢”だけどね・・・・
(関連記事)
ショルティ/VPの「タンホイザー」序曲
| 0
コメント