小柴昌俊氏の話
このタイトル。全く関係の無い話なのであるが・・・・
今朝聞いたNHKラジオ深夜便「こころの時代 特集・100年インタビュー 物理学者 小柴昌俊」(2008/10/23~24)が、なかなか面白かった。何でも、元の「100年インタビュー」というNHK hiの番組は、「100年たっても色あせない、100年後の日本人にも見てもらいたい、という願いをこめた新しい大型インタビュー番組」というコンセプトだそうで、それをラジオ用に再編集したものだという。これが、なかなか聞きごたえがあり、このシリーズは今後も楽しみだ。
小柴昌俊氏(82歳)というと、ノーベル物理学賞受賞者ということで、いかめしい人柄を想像してしまうが、そのお話は“優しく”、分かり易かった。
聞き手のアナは、小柴さんが人生で辿ってきた色々な出来事を記したメモを片手に、インタビューを進めていた。その中で、何が面白かったかというと、“予想外”の出来事か・・・? もちろん楽しく聞かせるために、ある程度の誇張はあるのかも知れないが、その「意外さ」が何とも面白い・・・!?
①小児麻痺に罹ったんだって・・・
小柴氏は、中学1年の時に小児麻痺に罹って手足が麻痺して動けなくなったという。それを、お手伝いの二十歳位の娘さんに手伝ってもらって風呂に入るのがどうしてもイヤで、何とか這ってでも自分で動くようにして、それで少し動けるようになり、自分で風呂に入れるようになったという。そして、このままでは中学校も卒業できず、自分の将来はダメになると思い、片道4Kの道を普通の人の倍の2時間かけて通うようになり、それが功を奏して歩けるようにもなったという。しかし右手だけは麻痺が残って今でも不自由だという。
自分も、子供の時に周りに小児麻痺の人が何人もいたが、不自由な手足を克服したという話は聞かなかった。
②生活苦から成績は悪かったらしい・・・
父親が中国で捕虜になり日本に帰らなかったため、自分が家族の生活費を稼ぐしかなく、一高・東大ともに授業になかなか出られなかった。一高から東大物理学科に入った時も、成績が悪くて入れそうにないので、寮で同室だった秀才の友人に、試験までの1ヵ月間家庭教師を頼み、その特訓で入れたとか・・。そんな状態だったので、東大での成績は悪く、優が2つだけ。それに、大学院には無試験だったので入れたとか・・・。アメリカに留学した時も、金に追われていたため、奨学金のために論文を書いたりしたとか・・・・。
③自殺未遂もしたんだって・・
一番ビックリしたのが自殺未遂・・・。原因は年上の人妻への恋と、いつまでも続く生活苦。東大1年の時に神宮外苑の池のそばで睡眠薬を3ビン飲んだ。3日後に目覚めた時には、バカバカしいと気を取り直したとか・・・。これだけ聞くと凡人だな・・・
そして、静かに年金生活をしていた時にノーベル賞をもらい、それからは週に2回位講演をたのまれるため、また忙しい生活になったと言っていた。
しかしこの番組は、小柴さんの写真で見る通りの温和な人柄が出ていて、聞いていて楽しかった。この記録は、まさに100年後でも“昔のノーベル賞受賞者の話”として残るだろう。
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コメント
コメントのプレビュー
こんばんは~
お久しぶりです・・
というか 私は実は毎日ご訪問させて頂いて 主にクラシック関係の記事を楽しませて頂いております。
カッチーニやあふるる涙など何度も聴かせて頂きました。
シューベルトのアベマリア 出して頂きましたね。
ストリングスなのですね、穏やかで優しいアベマリアです。
有り難うございました。
クラシックに限らず多岐にわたる記事 大変楽しみです。
これからも宜しくお願い致します。
そうだ どうしてでしょう、私のXP君では エムズさんの記事の右端が切れて読むことができないのですけど・・?
大意は何となくわかるから それでもいいのですが・・・。
投稿: 見切り発車 | 2008年10月28日 (火) 23:42
見切り発車さん
「記事の右端が切れて読むことができない」原因を色々考えて見たのですが良く分かりません。ブラウザは何をお使いでしょう?標準の「Internet Explorer」では、文字の大きさを大きくしたり、画面を横800にしたりしてみたのですが、読めない状況まではなりませんでした。
それより、当サイトだけの症状でしょうか?
もう少し詳しく教えて下さい。検討してみますので・・・。
投稿: エムズの片割れ | 2008年10月29日 (水) 23:16