ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲
自分にとって、「幻の協奏曲」だったハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲のCDを買った。第一主題は頭にこびり付いているが、全曲をまともに聞いたことはほとんど無かった。40年以上に亘る録音人生の中でも、録音のチャンスはなかった。
人間の記憶は、それぞれ引き出し(風呂屋の下駄箱?)に入れているようだという。この曲が、その記憶の引き出しにまだ入っているようで、この曲を聞いた場面を今でも覚えている。中学生の頃だったか、寝ようとして床に入っていたとき、隣の部屋のラジオから流れてきたのがこの曲だった。暗い床の中で、そのユニークな第一主題と曲名とを知った。その後、どこかで聞いたことがあったかも知れないが、録音は出来なかった。そして今・・・
<ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲>
~パールマン/メータ・イスラエル・フィル
アラム・ハチャトゥリアン(1903-1978)は「剣の舞」で有名なソ連の作曲家であるが、このヴァイオリン協奏曲をご存知の方はそう多くあるまい。何せレコードが少ないのである。
このヴァイオリン協奏曲は、アルメニア民族音楽を研究していた研究成果として1940年に作曲され、ダヴィッド・オイストラフに献呈された。1940年11月16日にオイストラフの独奏とアレクサンドル・ガウク指揮のモスクワ放送交響楽団によってチャイコフスキー・コンサートホールで初演され、大成功を収めたという。日本での初演は、1963年2月9日、レオニード・コーガンの独奏、ハチャトゥリアン指揮 読売日響の演奏で東京文化会館で自作自演された。
1963年2月というと、自分が中学3年の時だ。もしかすると、その初演の演奏をラジオで聞いていたのかも知れないな・・・。そう思うと、この曲に対して何か親近感を覚え、ゾクゾクしてきたぞ・・・。オイストラフもハイフェッツと並んで、若い頃によく聞いたな・・・
還暦になって、一回りした記憶が蘇って来るこの頃ではある。
| 0
コメント
ヴァイオリン協奏曲は何と言ってもIPOですね!フーベルマンフェスティバルでの「四季」は大好きなCDです。
このパールマンも冬を演奏しています。彼も好きですが、このCDに関しては「夏」のズーカーマンが白眉です!「春」はスターン、「秋」はミンツ、豪華でしょう!この曲に関してはイ・ムジチが有名ですが、お勧めします。
できればこのコンサートでの他の曲…例えば「ビヴァルディの4台のヴァイオリンの~(調和の霊感作品3の12)」とかミンツの「メンコン」とか、欲しい…。シカゴフィルと協演したミンツを購入しましたがフィルとの重なり具合がいまいちでした。録音によるのでしょうか?
IPOは創立記念ボックスCDを発売していますが、このコンサートでのCDは「四季」のみのようです。どこかでゲットできないかと思案しています。
ちなみに、このフーベルマンフェスティバルの模様はユーチューブでかなりの楽曲を視聴できますよ。
投稿: rirac | 2009年3月10日 (火) 11:27
「調和の霊感作品3の10」でした。すみません…。
投稿: rirac | 2009年3月10日 (火) 12:11
rirac さん
かなりお詳しいようで、降参・・・
「四季」は子供の頃に聞いたアーヨのイ・ムジチが耳にこびりついて、他の演奏を受け付けません。ホンモノも2回ほど聞きに行きましたが、アーヨが自分の中の標準になってしまっていて・・・。
まして他の演奏など違和感があって・・・。演奏によって全く違う曲になりますよね、四季は・・。
そうですか・・。パールマンやズーカーマンも良いですか・・。今度、アーヨを忘れて聞いてみますね。
投稿: エムズの片割れ | 2009年3月10日 (火) 22:37