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2008年9月19日 (金)

「強欲」嫌い始めた若者たち~破綻した貪欲リーマン・ブラザーズ

今朝(08/9/19)の日経産業新聞(p28)のコラム「眼光 紙背」に「“強欲”嫌い始めた若者たち」というコラムがあり、“好ましく”読んだ。曰く・・・

「米国発の金融危機に歯止めがかからない。名門金融機関のエリート社員たちが、私物を放り込んだ段ボール箱を抱えてオフィスを出る様子が、連日テレビに映し出されている。この惨状をずっと前に予知していた人たちがいる。米国の大学生たちだ。今から3年目、ニューヨーク在住の友人がこんな話をしてくれた。
「少し前まで、ハーバード大学でMBA(経営学修士)」を取るようなエリート学生は、初年度に2,000万円を超える年俸を出す証券会社や投資銀行に迷わず就職した。大きな会社で金融のスキルを見に付けたら、独立して投資ファンドを立ち上げるのは『成功』だった。でも、今の学生が最もあこがれるのは、年収200万円にも満たない職業なのよ」
その職業とは「ソーシャル・アントレプレナー」。日本語に訳せば「社会起業家(=社会変革と収益事業を両立させて起業する人達)
」となる。ビジネスの技術を駆使して社会貢献を目指す新しいタイプの起業家だという。知人はこう続けた。
「投資銀行に行く人たちも『自分はお金がほしいのではなく、金融を学んで将来、ソーシャル・アントレプレナーになるのが目的だ』と言い訳しないと、白い目で見られるようになったのよ」。経営破綻した米証券大手のリーマン・ブラザーズは世間に「グリーディー(強欲さ)」を批判された。若い世代はかなり早い段階から、その価値観を共有していた。(蹴球)」

同じような指摘で、先日(08/9/17)の日経朝刊1面下のコラム「春秋」に、こんな記事もあった。
つまり、芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」を引用して、同じ糸に登ってくる他の罪人をののしる主人公に、お釈迦様が慈悲の欠落を見抜いて糸を切ったのと同様に、バンク・オブ・アメリカのCEO(最高経営責任者)は、救済相手を(今回破綻した)リーマン・ブラザーズでなくてメリルリンチに変え、リーマン・ブラザーズを見捨てた理由を「グリード(貪欲)」(な会社だったから)と言い切っているという・・・。

「・・・・小説で蜘蛛の糸を垂らしたお釈迦様は、同じ糸に連なって登ってくる他の罪人をののしる主人公に、慈悲の欠落を見ている。破綻した米国4位の証券大手リーマン・ブラザーズの問題点を、救済対象を第3位のメリルリンチに変えたバンク・オブ・アメリカのCEOは「グリード(貪欲)」と言い切っている。・・・」

法人(会社)という「人間」の生きざまを、皆はじっと見ている。そしてイザという時に、その過去の生きざまを、皆は思い出す。そしてその「法人」は、その時に後悔してももう遅い・・・・。

話が変わるが、先日、韓国サムスン電子が、東芝のフラッシュメモリーの提携先である米サンディスクに買収を提案し、サンディスクが評価が低いとの理由で拒否したと報じられた。しかも、数ヶ月間両社が内々で協議していたことも明るみに出た。
開発した東芝と、技術供与されてシェア1位を確保した韓国サムスン電子とは、大人の付き合いだった、とも書いてあった。しかし、心を許していたはずの許婚が、何と別の男と結婚の相談をしていたとは・・・・

確かにビジネスは「競争」である。しかし、ただ儲けるために食用でない米を食用として売った三笠フーズを始め、背信行為をした法人は舞台からたたき出されることは世の常でもある。
ここで、リーマン・ブラザーズやサムスンを論ずるつもりはないが、最近自社も色々とある事から、これらの話題を聞きながら、法人を構成する社員全員の心をひとつにして世の中から尊敬される「法人」を作ることが、如何に難しいかを感じるこの頃である。

しかしこの記事で、若者たちが「お金」だけでない・・・という価値観を持っている姿に、頼もしさを覚えた。

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