ダーク・ダックスと倍賞千恵子の「かあさんの歌」
今朝の通勤電車の中で、先日(08/7/22)放送されたNHKラジオ深夜便「母を語る 作家…北原亜以子」を聞いた。実は「北原亜以子」という作家を知らないまま、ついつい聞き入ってしまった。氏は現在70歳。1993年に「恋忘れ草」で第109回直木賞を受賞するなど、数々の受賞に輝く時代小説の大家らしい。幼少の頃に父を戦争で亡くし、その後再婚した母・・・・。
前に、当blogでも同じ番組で、「母を語る 画家 木下晋氏」(ここ)を取り上げたことがあったっけ。
それで今日はこの番組にちなんで?「かあさんの歌」・・・・・
「かあさんの歌」は、昭和31年に作られ、昭和33年に発表された。作詞・作曲は窪田聡(本名:久保田俊夫)。この人については(ここ)のサイトに詳しい。
それによると、窪田聡は開成高校に進んだが太宰治に心酔、デカダン(頽廃的)な生き方に憧れて、進学せずに親が準備してくれていた入学金・授業料を持って家出。その後、共産党系の人が進めていた「うたごえ運動」に共鳴して共産党に入党。母親から小包が届き始めたのは、その頃から。両親の意を受けた次兄が、彼の下宿を探し当て、母から送られて来る小包には、彼の好きな食べ物や手編みのセーター、ビタミン剤などとともに、「体をこわさないように」といった母親の手紙がいつも入っていたという。
また「かあさんの歌」ではあるが、2番の「おとうは土間で藁うち仕事」の部分に、自分の勝手な生き方を黙認してくれた父親への気持ちも込められているという。(出典:ここ)
この「かあさんの歌」の初レコードはどれかと探してみたが分からない。この歌は、うたごえ運動の一環で広まったので、オリジナルの歌手・録音というのは無いらしい。確かに自分も学生時代、兄貴に「うたごえ喫茶」というのに連れて行かれた事があり、そこでこの歌は“定番”だった。
この「かあさんの歌」は、自分も色々な歌手で8種類の録音を持っているが、いち押しはやはりダーク・ダックスの旧盤である。ダーク・ダックスも色々なレーベルでこの歌を録音しているが、自分はこのキングの古い録音が一番好きだ。少し聞いてみよう。
<ダーク・ダックス「かあさんの歌」>~キング1969年発売のLPより
「かあさんの歌」
作詞/作曲:窪田 聡1)母さんが 夜なべをして
手袋あんでくれた
木枯らし吹いちゃ 冷たかろうて
せっせとあんだだよ
ふるさとの便りはとどく
いろりのにおいがした2)母さんは 麻糸つむぐ
一日つむぐ
おとうは土間で わら打ち仕事
お前もがんばれよ
ふるさとの冬はさみしい
せめてラジオ聞かせたい3)母さんの あかぎれ痛い
生みそをすりこむ
根雪もとけりゃ もうすぐ春だで
畑が待ってるよ
小川のせせらぎが聞こえる
なつかしさがしみとおる
しかし、どんなに立身出世を遂げた立派な人にとっても「母」は特別な存在らしい。確かにこの世に生を授けてくれた存在が母親であることは確かだ。理屈無く子を愛するのも母親だ。この歌も、窪田聡のそんな境遇を念頭に聞くと、また別の味わいがあるな・・・。
ところで、良く言われることだが、なぜ「とうさんの歌」が無いのか・・・? でも少なくとも天下のNHK! そのうち“NHKラジオ深夜便”でも「父を語る」という番組が出来るだろう・・。(←100%期待してないけど・・)
最後に、“暖かい”「かあさんの歌」を聞いてみよう。倍賞千恵子のこの録音は、実に暖かく、自分が好きな録音だ。
<倍賞千恵子「かあさんの歌」>
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コメント
来る、10/4詩吟大会で、まさしく『母さんのうた』を吟詠するのに、間奏でこの唱歌を挿入する為に歌詞を探してるところでした。
いつも、タイムリーな選曲に感謝です・・・と、同時に話題のシンクロ?に、いつも不思議な思いでイッパイです。
投稿: 花舞 | 2008年8月 7日 (木) 23:28
こんにちは。楽しみに閲覧していましたが、
大好きなメロディーが消えてしまいました。
残念、残念、どうしようもなく残念!
茨城県古河市 塩谷五郎
投稿: | 2008年11月 3日 (月) 06:15
塩谷さん
この度、ある事情で、かなりのファイルを削除しました。スミマセン・・・。
投稿: エムズの片割れ | 2008年11月 3日 (月) 12:53