仲宗根美樹の「川は流れる」
幾多ある昔の歌の中で「懐かしい・・」と感じる歌のひとつに、仲宗根美樹の「川は流れる」という歌がある。この、何ともエキゾチックでハスキーな声の歌が流れたのは1961年(昭和36年)で、その年の日本レコード大賞新人奨励賞を受賞したという。
昭和36年というと、自分が中学2年のときだ。この歌を聞きながら、自分の記憶の引き出しを開けると、何が出てくる??
ところがビックリしたことに何も出てこないのである。この歌にまつわる“事件”は、どうも何も無いようである・・・。
まあ聞いてみようか。オリジナルはもちろんモノラル。ステレオでの再録盤もあるが、やはりこの録音が記憶にある音だ。
<仲宗根美樹「川は流れる」>
「川は流れる」
作詩:横井 弘
作曲:桜田誠一
歌 :仲宗根美樹1)病葉(わくらば)を 今日も浮かべて
街の谷 川は流れる
ささやかな 望み破れて
哀しみに 染まる瞳に
黄昏の 水のまぶしさ2)思い出の 橋のたもとに
錆びついた 夢のかずかず
ある人は 心つめたく
ある人は 好きで別れて
吹き抜ける 風に泣いてる3)ともし灯も 薄い谷間を
ひとすじに 川は流れる
人の世の 塵にまみれて
なお生きる 水をみつめて
嘆くまい 明日は明かるく
ところで、この歌のシンボルの「病葉(わくらば)」という言葉。辞書で引くと「病気や虫のために枯れた(変色した)葉。特に、夏、赤や黄に色づいて垂れたり縮まったりした葉」のことらしい。
この言葉は、この歌以外は知らない。自分で使ったことも無い。でも「わくらば」と聞くと直ぐにこの歌を思い浮かべる・・・。
同じように、イメージと人との関係は面白い。特に芸能人(俳優)は、自分のカラー(個性)を出すのに懸命だ。カラーが無ければ、いわゆる「その他大勢」になってしまって、“売る”のは無理だ。しかし、我々“一般ピープル”にとって、カラー(イメージ)は自分自身では、意外と分からないものだ。
若い人は別だが、自分のように還暦を過ぎる頃になると、個性はもう変わらない。既に染み付いていて、もう取れない。そこで自分のイメージ(カラー)を振り返るとどうなる??
カミさんに聞いてみた。「オレのイメージは?」「奇人」「じゃあ貴女は?」「変人」「じゃあメイ子(ウチの愛犬)は?」「・・・・・・」
念のため、もう一度聞いてみた。「オレのイメージは?」「変人」「じゃあ貴女は?」「奇人」「じゃあメイ子は?」「・・・・・・」
さっきと逆じゃないか・・・。つまりウチは奇人・変人の集まりというわけか・・・・
まあリタイア後、「あのお爺さんは・・・・」と、陰口だけは叩かれないようにしたいものだが・・・・、サテ、どうだろう?
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コメント
病葉(わくらば)が使われている大好きな曲があります。
「つまさき坂」 永井龍雲さんの作品です。
お聞きになってみてください。
投稿: 秋野 道 | 2008年8月11日 (月) 11:44
わたしも、病葉が使われている曲と言えば、
「つまさき坂」が最初に思いうかびました。
あと、徳久広司の「旅の重さ」にも使われていますね。
どちらもYouTubeにアップされています。
永井龍雲「つまさき坂」
http://jp.youtube.com/watch?v=tsva7xhyPJw
徳久広司「旅の重さ」
http://jp.youtube.com/watch?v=Bem6Mz-P9r0
投稿: とく | 2008年8月12日 (火) 16:03
秋野道 さん
とく さん
コメントありがとうございます。
永井龍雲さんの「つまさき坂」と、徳久広司さんの「旅の重さ」を初めて聞きました。
なるほど・・・。しかし歌の世界も広いですね。
投稿: エムズの片割れ | 2008年8月12日 (火) 17:41
エムズの片割れさんのブログには次々と私の好きな歌が出てきて、次は何かと楽しみです。ところで、わくらばが出てくる歌に、三橋美智也の古城があります。この歌はたぶんご存知でしょうが。
投稿: かえるのうた | 2008年8月18日 (月) 15:52
かえるのうた さん
確かに、三橋美智也の古城の2番に、
「くずれしままの 石垣に
哀れをさそう 病葉や・・・」
とありますね。
いやはや、失礼しました。
投稿: エムズの片割れ | 2008年8月18日 (月) 20:49
懐かしいです。高校3年生の時だったと思いますが。お昼ごはんをさっさと食べ終わって、7人ぐらいで、教室の後で、その当時流行っていた歌を次々に歌ったことを思い出します。「川は流れる」は必ず歌ってました。又松島アキラの「湖愁」も欠かせませんでした。それにしても、他の人たちはまだお弁当を食べているのに、さぞかしうるさくてゆっくり食べてられなかったかもしれません。(-_-;)でも歌う人が一人、二人と増えていったんですよ。今から47年位前の女子高に通ってたころのお話です。
投稿: よっぴー | 2008年10月29日 (水) 22:50
よっぴー さん
ヘエー~・・・。何とも平和なことで・・・
もうあれから半世紀。何ともすごい時間です。でも歌を聞くと、気分がその頃に戻るので不思議です。
懐かしい「湖愁」もそのうち取り上げますね。
投稿: エムズの片割れ | 2008年10月29日 (水) 23:21
最近こちらのホームページを知り、時々閲覧させていただいています。散りばめられている音楽が懐かしく、何曲も聴き入ってしまうこともしばしばです。
「川は流れる」は、2軒隣の初恋の子がレコードを掛けて、いい歌だよと言っていたのを思い出しました。ほんとに懐かしい。
もう60歳を過ぎ、今はどうしているのかわかりません。
【エムズの片割れより】
本当にこの頃の歌を聞くと、その当時の光景が目に浮かびますよね。感受性の問題でしょうか?
投稿: 団塊のおじさん | 2012年1月23日 (月) 17:22
初めまして、ひょんなことからこのブログに行き当たりました。昭和の曲から集めて楽しんでる1946年生まれの爺さんです。この曲がモノラルだったとは知りませんでした。とっても懐かしく聴かせていただきました。それにしても非常に良い音でビックリ!。どんな状態で保存されて居られたのですか?興味があります。。小生は古いオリジナルの歌謡曲レコードを集め、片っぱしからディジタル化して、聞いています。うまくやると小生にとってはCDと変わらない程度の出来になるので十分です。マニアではありませんので、安上がりです。今後もご活躍されること、祈念します。ありがとうございました。m(__)m、、、(因みに小生は完全水没再生方式でゴミ、静電ノイズを排除してます)
【エムズの片割れより】
音源はもっぱらCDからですが、昔のLPからハイレゾでデジタル化もしています。
先日、NHKのドキュメント72時間で、新宿の昭和歌謡のレコ-ド店を取材していました。
昔の昭和の歌謡曲のレコードも、また見直されているようですね。
投稿: ミチバタマサトシ | 2016年4月 9日 (土) 17:56