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2008年8月15日 (金)

中村元の「観音経」(3/13)

この連続記事は、1985年4月から9月まで、NHKラジオ第二放送で行われた全26回の連Image01241_2 続講義「こころをよむ/仏典」(CDはこれ)の「第18回 願望をかなえる-観音経」の部分を、『中村先生の声』と『原文』『読み下し文』、そして『中村先生の説明』を、この放送を活字化した、前田専学先生監修の「仏典をよむ3 大乗の教え(上)」(これ)を元に味わっていくもので、今日はその第3回目である。

<こころをよむ/仏典「観音経」~その3CDはこれ

にゃくぶうじん りんとうひがい しょうかんぜおんぼさつみょうしゃ
若復有人 臨当被害 称観世音菩薩名者
ひしょしゅとうじょうじんだんだんね にとくげだつ
彼所執刀杖尋段段壊 而得解脱
にゃくさんぜんだいせんこくどまんちゅう やしゃらせつ よくらいのうにん
若三千大千國土満中 夜叉羅刹 欲来悩人
もんごしょうかんぜおんぼさつみょうしゃ ぜしょあくき
聞其称観世音菩薩名者 是諸悪鬼
しょうふのういあくげんじし きょうぶかがい
尚不能以悪眼視之 況復加害

「もしまた、人有りてまさに害せらるべきに臨みて、観世音菩薩の名(みな)を称えば、彼(か)の執る所の刀杖(とうじょう)は、尋(にわか)に段段に壊(お)れて、解脱(まぬが)るるを得ん。もし三千大千国土に、中に満つる夜叉・羅刹(らせつ)、来たりて人を悩まさんと欲(す)るに。その、観世音菩薩の名を称うるを聞かば、この諸の悪鬼(あっき)は尚(なお)、悪眼(あくげん)をもってこれを視(み)ることすら能わず、いわんやまた、害を加えんや。」

それからまた、人から害せられようとしているとき、観世音菩薩の御名を称えれば、その悪漢が振りかざした刀などの武器は粉々に砕けてしまう。また、「夜叉」「羅刹」などが来て、人を悩まそうとしたときに、観世音菩薩の御名を称えるのを聞いたならば、この悪鬼はもうへこたれてしまって、悪い眼をもってこれを眼ることさえもできない。もちろん害を加えることなど、できなくなる。
「三千大千国土」は「大宇宙」といったらいいでしょう。「夜叉」はヤクシャの音を写したもので、神霊をいいますが、のちには、人に害をなす半ば神のような神霊とされました。」(「仏典をよむ3 大乗の教え(上)」P189-190より)

観音経では、色々な例えで、観音さまと唱えれば、助けに来てくれる・・・と説くが、この例えは現代でも通じる・・・。
先の秋葉原の事件など、まさに悪漢が刀を振りかざして来た。被害者は、たぶん「観音さま」の御名を唱える時間も無かったのだろうが・・・・
でも、何か「頼るもの」があると、心が和む。それは人間の弱さなのだろうが・・

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