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2008年6月17日 (火)

伊藤久男の「イヨマンテの夜」

言うまでもなく「イヨマンテの夜」は伊藤久男の代表作だが、あのダイナミックな歌い方は、まさしく伊藤久男しか歌えない歌であろう。
伊藤久男については前にも書いた(ここ)。
既に高校の時にこの曲を愛聴していたので、大学2年の時に北海道に旅行した時は、「イヨマンテ」への期待(?)で一杯だった。でも・・・・
確か白老だったか・・・。ケーブルカーでどこかの山頂に行ったら、見世物のアイヌの踊りがあって、小さなクマが居た。ナヌ・・・??と帰ってきたのを覚えている。
この歌の歌詞・イメージと実際のイヨマンテとは大分かけ離れているらしい。「イヨマンテの“夜”」となっているが、実際の儀式は昼だったとか・・・
まあ、そんな“現実”とは違っていたとしても、歌の世界だけで楽しんでも(?)良いではないか・・・
伊藤久男の「イヨマンテの夜」は1949年(昭和24年)に発売になったが、それも含めて自分は3つの音源を持っている。一番好きなのはモノラルの再録音盤。昔、高校の図書館のレコードコンサートで流したのを今でも思い出すが、この歌声が一番ダイナミックでありアレンジも好きだ。

<伊藤久男「イヨマンテの夜」>~昭和39年7月?


「イヨマンテの夜」
  作詞:菊田一夫
  作曲:古関裕而

1)アーホイヨーア‥‥‥イヨマンテー
 熊祭り(イヨマンテ)
 燃えろ かがり火
 ああ 満月よ
 今宵 熊祭り
 踊ろう メノコよ
 タムタム 太鼓が鳴る
 熱き唇 我によせてよ

2)熊祭り(イヨマンテ)
 燃えろ ひと夜を
 ああ 我が胸に
 今宵 熊祭り
 可愛い メノコよ
 部落(コタン)の掟破り
 熱き吐息を 我に与えよ
 イヨマンテ
 (カームイホプニナアーホイヨ)
 イヨマンテ
 ア・・・・・・・ 

次に、昭和24年のオリジナル盤を聞いてみよう。SPからの復刻なので音は悪い。

<伊藤久男「イヨマンテの夜」>~昭和24年のオリジナル

オリジナル盤は、若い38歳の伊藤久男である。それに引き換え、最初の盤は脂の乗り切った伊藤久男であり、これはCD化されていないようだ。

そして(今CD化されている)ステレオ録音のLPを買ったのが、大学2年の時。この時に録音されたものだとすると、1968年伊藤久男58歳の時の録音だ。

<伊藤久男「イヨマンテの夜」(ステレオ再録盤)>

伊藤久男が亡くなったのが1983年4月(73歳)だという。前の年(1982年)の年末、日本レコード大賞の特別賞を受賞したが、その時は自宅からの生中継だった。スーツ姿のやつれた伊藤久男の姿に、TVで痛々しく見たのを今でもくっきりと覚えている。
ともあれ伊藤久男は、自分にとってみると、藤山一郎と同じく、知ったときから“懐かしのメロディー”だったが、忘れ得ぬ大歌手であった。

最後に、何と女性が歌った「イヨマンテの夜」を聞いてみよう。この歌は、てっきり「男声で歌う歌」と“憲法第九条”で決まっているとばかり思っていたが、何と女声・・・・
時代は変わった・・・・

<岩本公水(くみ)「イヨマンテの夜」>

(2012/08/29追)

この「イヨマンテの夜」はラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の中で、奥多摩の山の中で、木こりが木を切りながら歌う歌だったという。最初はハミングの歌だったが、後から歌詞を付けたという。

<古関裕而が語る「イヨマンテの夜」の誕生秘話>

(昭和54年8月26日NHK放送の番組「昭和歌謡大全集」より)

(関連記事)
伊藤久男の「ひめゆりの塔」

●本日、カウントが11万を越えました。G=5830、Y=15,400&420

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コメント

関係している歌手ばかりあげてごめんなさい。15日に杉林良美さんにこの歌を歌って頂きました。パワフルなものと違った実に切ない「イヨマンテの夜」でした。

投稿: trefoglinefan | 2008年6月26日 (木) 19:23

trefoglinefanさん

そうですか・・・。いや一度聞いてみたいですね。どんなイオマンテになるのでしょうか・・・。
自分の頭には伊藤久男しか住んでいないので・・・。

投稿: エムズの片割れ | 2008年6月26日 (木) 23:04

 昨年入った男性コーラス部で今年の課題曲の1つが、この「イヨマンテの夜」です。音源を探していてこのブログにヒットしました。

 この曲は懐かしいですねー! 子供の頃のこと、まだ健在だった母親のことが思い出されます。時々ラジオから流れてくるのをを聴いて、勢力のある声だなあー、と歌詞もメロディーも覚えています。

 コーラスの指導の先生は作曲家で、私達が歌う全ての曲を自分で編曲します(昨年まで音大教授)。この曲がどのように3部構成されるか楽しみです(私はテノール)。

 私も還暦を数年前に過ぎましたが白髪の青春です。今までは音楽は聞くこと(クラシック)のみで、歌うことは日が浅く、発声・音符を読むことなど苦労してますよ。その他はハイキング、英会話、塩野七生さんの世界を楽しんでいます。
           < 音源のお礼 >

投稿: 白髪の青春 | 2009年3月 5日 (木) 11:55

白髪の青春 さん

コメントありがとうございます。
「イヨマンテの夜」を合唱で歌われるとは・・・。今まで聞いたことがありません。どうなるのでしょう??
そうですか、還暦を過ぎて合唱ですか・・。ウチのカミさんも、自分に合唱をやれ、とうるさいのですが・・。

投稿: エムズの片割れ | 2009年3月 5日 (木) 22:33

昨日にひきつづき、伊藤久男さんのイヨマンテに惹かれてやって参りました。
お若いころはやはり声が細いですネ!
つづいて女声のも低音部の響きの美しい良い声でよかったです。

天童よしみだとどんな感じだろう?など想像して楽しんでいます。

投稿: moderato | 2009年10月19日 (月) 23:56

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