「四球が示す福留哲学」~朝日新聞から
今朝(08/6/7)の朝日新聞のスポーツ欄(P23)の「自由自在」というコラムに「四球が示す福留哲学」という記事があり、なるほど・・・と思った。曰く・・・
「四球が示す福留哲学」~朝日新聞(08/6/7 P23)より
「カブスのルー・ピネラ監督は、福留に絶大な信頼を寄せている。「彼はリーグ最高の右翼手だ」
かつて指揮を執ったマリナーズでもイチローに同じ賛辞を送った。守備範囲の広さ、肩の強さ、送球の正確さ。2人の守備能力は確かに両リーグの双璧と言っていい。
ただ、打者としての2人には決定的な違いがある。それは野球に対する哲学の相違と言ってもいいだろ。
「ファンは僕の四球を見るために球場にくるのではない」と話すイチローは、安打を放ち続け、先人の記録を塗り替えることに意義を見いだす。一方の福留は「いかにアウトにならずに、チームの攻撃を長く続けさせられるかを考える」と語る。
イチローが大リーグ入りした01年の年間四球率は30。福留は5日現在(61試合目)で既にチームトップの38を記録している。イチローが首位打者に輝いた同年の出塁率は3割8分1厘。福留は5日時点で4割8厘と上回る。
優勝争いの激しさを経験した中日時代、主軸でありながら、常につなぎ役の意識も持ち続けたからだろう。結果は凡退でも、打球を右方向へ飛ばし、走者を前の塁に進める打撃は、チームの得点力を陰で支える。
近年のカブスは、98年に66本塁打を放ったサミー・ソーサに代表されるように、大味さとと背中合せの豪快さがチームカラーだった。
福留の獲得を強く希望したピネラ監督は「シーズンを通して粘り強く我慢できる打者がいれば、このチームは変わる」と予言していた。62年間、リーグ優勝から遠ざかっているカブスは今、ナ・リーグの中地区で首位を快走している。(畑中謙一郎)」
良い悪いではなく、この二人の世界観に対して、ついサラリーマン世界を鳥瞰してしまった。イチローは自分の成果が結果としてチームの勝敗に繋がるし、また観客の動員に繋がると考える。そして個人としての結果を出す。一方福留は、自分個人の成績よりもチームの勝敗が全て、と考える。
実はサラリーマン世界(=組織の全て)はこれと全く同じだ。優秀な個人が、個人として結果を出せば、組織としての結果も付いて来る。しかし、組織運営上は難しい面もある。他人の「僻み」という点だ。
一方、個人の成果を棚に上げて、常に全体(チーム=組織)の結果だけを念頭に置いて動く・・という事は、実は大変な事だ。なぜなら、「自分を認められたい」という欲求は人間本来のもの(自己の存在意義・・・)。それを超越して(自己への勲章を二の次に?)、“全体最適”で考えているという福留選手に、この記事を読んで、非常な興味を覚えた。
だいぶん前に「松井秀喜の「運命論」(ここ)」という記事を書いた。
実は自分はまったくの野球オンチ。もちろん大リーグの中継など、ニュースで見る事はあっても、試合を通しで見たこともない。
しかし、先の松井を始め大リーグで活躍する選手は、そのスポーツ選手としての活躍の裏に、大変な人間的魅力が備わっており、“その活躍は偶然ではないな・・・”と思った。
まあ、定年延長戦中の自分は、“もう「個人成果」を出す時期は終わった・・“と達観して、裏方に徹している積もりだが、それがどこまでホンモノか・・? この記事は、自省する良い機会を与えてくれたのかも・・・・
(関連記事)
松井秀喜の「運命論」
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コメント
始めまして!
いつも楽しく、かつ脳トレ?しながら拝読させて頂いております。
素敵な文章や情報満載に、脳内現象いつも活性化されております。
書き込みさせて頂きたい思いに駆られながらも、恐れ多く?て・・・いつもスルーでしたが、今日の「自分は全くの野球オンチ・・・」に親近感?湧き、勇気を出しての初コメントです。
そもそも、貴ブログ辿りついたのは、昨年秋頃、「滝廉太郎・秋の月」検索時でした。
お寺の境内での演奏会で、ピアノ・バイオリン・クラリネットで奏でられた「秋の月」衝撃的でした!
「北上夜曲」にも似た?この曲・・・オカリナアンサンブルやってる仲間と探し始めたのが、ご縁です。
毎回、アクセスの多さにも驚きです!
この時間も、既に150件近い数字のカウントです!
裏方に徹する?と、おっしゃらずに人生のセカンドステージでの益々の御活躍を期待しております。
投稿: 花舞 | 2008年6月 8日 (日) 07:41
花舞 さん
いやはや、赤面の至りです。このblogも「定年後の時間をどうしようか・・」と悩んで?、始めたblogですが、最近はまってしまって・・・。
しかし、勝手なことを勝手に書いているのに、なぜアクセスを頂けるのか分かりません。
貴blog拝見しました。詩吟ですか・・・。田舎のお袋が昔良くやっていました。少年易老学難成・・ナンテいうのを真似してみたり・・・
福岡との事、ウチの下の息子も今福岡に赴任して4年になります。一人アパート暮らしで多分メチャクチャな生活なのでしょう。よって、福岡と聞くと何故か近しい感じがします。
それと貴blogにリンクさせて頂いて宜しいでしょうか?これからコメント頂いた方にリンクをお願いしようかな・・と、思い立ったものですので・・・
投稿: エムズの片割れ | 2008年6月 8日 (日) 11:47
御訪問有難う御座います!
光栄の至りで御座います・・・しかも御子息が、福岡在住とあっては聞き捨て?なりませぬぅ~!
喜んで~♪改めてリンクの御依頼申し上げまするぅ~(ペコリ)
エムズさん?に追いつかずとも、アクセス数増えるやも?しれませぬぅ~(あわよくば~・・・)
今も既に373件と偉大なカウント!きっと、この中に御子息のアクセスもアリでしょうねェ~
実は、我がブログも25歳の次男が立ち上げてくれたものでして、プチボケ?防止に一役買ってくれてますが、「継続は、力なり・・」と、葛藤の毎日です。
投稿: 花舞 | 2008年6月10日 (火) 19:04