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2008年6月11日 (水)

八王子とワシントンD.C.とタクシー

八王子市が、天下のワシントンD.C.と並び称されるとは何とも珍妙だが、八王子市とワシントンD.C.は、面積及び人口でほぼ同じなのだそうだ。(これで、ワシントンD.C.は“かなり田舎?”または“かなり余裕のある地域”だという事が分かったな・・?)

NHKラジオ深夜便。08/6/4の「ワールドネットワーク」は、ワシントン(山崎一民さん)からの話題だった。そこでワシントンD.C.のタクシー事情の話があり、ヘエーっと聞いてしまった。何ともつまらない話だが・・・。曰く・・

・ワシントンD.C.の面積は177km²位で、人口は59万人位。八王子市の面積がちょうど186km²位で、人口は57万人位なのでほぼ同じ。
・そのワシントンD.C.のタクシーは、つい最近までメーター制ではなくてゾーン制を取っていた。ゾーン制というのは、市内を23のゾーンに分けてゾーンを跨ぐ毎に料金が加算される仕組み。だから観光客などが高い料金を請求されて、不満や苦情が多かった。タクシーの客席にゾーンの地図は貼ってあっても、今どこを走っているかなど普通は分からない。
・この制度は1930年代から続いているが、ワシントンD.C.のタクシー約6500台は全て個人タクシーで、その組合が強い。その組合が政治家に献金などをして、この制度を維持してきた。
・全米にはメトロポリタン(大都市圏)が20あるが、こんな制度が残っているのはワシントンD.C.だけ。
・しかし、ここに強敵が現れた。ミシガン州出身のカール・レヴィンという議員(20年以上も上院議員を務めているベテラン)が、「これではアメリカの首都ワシントンのイメージを傷つける」と言い出して運動してきたが、つい2、3年ほど前に「ゾーン制導入を決めた法律をやめて、メーター制に移行すべきだ」という法案を提出して、今年の初めに連邦議会で成立した。
・その時に、このカール・レヴィン議員がやったのは、まさにゾーン制のおかしさを自ら証明しようと、特定の2つの区間を決めて、10回自分でタクシーに乗った。そうしたら10回とも料金が違った。これはいかに利用者が騙されているという証拠ではないかと、その記録も踏まえて記者会見をして、法案を出し、それをなんとか通した。それに、去年の秋にワシントンD.C.に30才代の若い市長が誕生したが、その市長もワシントンの改革を公約に当選したので、この新市長も新しいメーター制導入に積極的で、あと押しをした。
・この新メーター制は08年5月の1ヶ月間は試行で、6月から全面実施。メーターが付いていないタクシーには1000ドルの罰金を課すとか・・・・。
・アメリカは「Transparency」要するに、透明度が高いかどうかということを非常に重要な基準としているので、当然利用者には評判が良い。

いやはや、この話にはビックリ。
1970年代に起こったウォーターゲート事件では、現職大統領(ニクソン)のクビを切るほど「透明度」が高い国で、このような利権が、先月まで国の首都で許されていたなど、信じられない・・・。
しかし、日々報道される「事件」とは別に、日常の「(当たり前でないけど)当たり前」の事については、誰も目を向けないのだろうか・・・? 否、たぶんここでも話が出ていた通り、目を向けても「NO」となる何か(政治献金・・)が存在していたのだろう。

昔、出張で初めてアメリカに行ったとき、“何てアメリカは「リーズナブルな思考をする国」なのだろう・・”とビックリしたものだ。つまりその時、アメリカは多民族国家のためか、全ての考え方が「(誰でも納得する)当たり前の考え方」をする国だと知った。しかし、この話題は、自分のその認識を簡単に崩してしまった。
自由の国アメリカにも、まだまだ理不尽な(利権が残った)部分が存在するらしい・・・。

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