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2008年5月19日 (月)

オーケストラの舞台裏~東響の金山茂人氏の話

NHKラジオ深夜便(08/5/15~16)の「こころの時代」は、「オーケストラを支えて30年 東京交響楽団・前楽団長 金山茂人」だった。
この話で、オーケストラの舞台裏を聞くことが出来て面白かった。ここ最近で、一番面白かった・・・

現在、在京のオーケストラは7つあるが、氏は東京交響楽団で30年も団長(=社長)をしていたという。その話からヘエーという話が幾つかあったので、以下紹介してみる。

・団員の新人募集には数十人の応募があるが、それは音楽大学を出ても就職口が無いため。一旦オーケストラに入るとなかなか辞めない。
・しかし力量が明らかに劣るメンバーに対しては肩たたきをする。
・新人は団員全員の過半数の賛成が必要。
・オーケストラの座る位置は、毎年9月に見直すが、一年間固定。(ベルリン・フィルでは、席は自由で後ろから埋まるとの事)
・曲目は、主に団長が決める。曲目は「営業」そのものなので。
・公演は、年間160回くらい。
・団員はN饗の120人を除くと、どこも100人前後。1回の公演は70~80人くらいなので、ローテーションで回す。
・練習は、1公演で1~2日。初めての難曲でもせいぜい3日。13時から17時までだが、最近はきっちりと17時に終えないと不満が出る。時代の流れ・・・
・団員の移動は、自由。現地に所定時間に着けば良い。だいたいは、みなさん相乗りの車で来る。でも遅刻等で開演時間が遅れたことは、過去一度も無い。時間を守ることについてはプロ。逆に、葬式があっても必ず出てくる。特に管楽器は代替がきかない。
・他のオーケストラへの内職は自由。だからN饗の団員もアルバイトで東饗に来る。オーケストラ界は、その点で不思議な世界。同じ音楽をやるので目くじらを立てない社会。
・だから他の楽団でオーディションがあると自由に応募する。N饗の管楽器は、その2/3は他の楽団から行った人ではないか?だからN饗には怨念がある。
・ベルリン・フィルやウィーン・フィルが世界一だというのは「人に感動を与えるのが一番という意味。だから各国の自治体や国は、自分達の文化(の誇り)のために、金を出す。それに引き換えて、日本はダメだ。東饗は7%を文化庁から貰っているが、企業努力をして儲けを出すと、返さなければならない。

先日の「レコード芸術」におけるオーケストラ・ランキング(ここ)では、東京交響楽団はN饗等の37位を抑えて日本トップの35位だった。現在、時流に乗っているオーケストラが、この東饗らしい。
しかし、金山茂人氏の個性が素晴らしい・・・(熱血漢? それともガンコジジイ・・・? 失礼!) 「音楽にはまず金が要る」と言ってのける氏の、この様なリーダーシップがあったからこそ、楽団存亡のピンチにも耐え、今の東饗があるのだろう。
しかし、話を聞いているアナが「そんな裏話をラジオでして、大丈夫なのですか?」と盛んに気にしていたが、「既に本でも書いたので大丈夫」と、まったく動じる風もない。それだけに聞いていて楽しかった。この回は、歴史にに残る「こころの時代」になるかもね・・・

(関連記事)
オーケストラ・ランキング2008

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コメント

金山さんの言うとおり今失礼40年前から東響が一番とあのころのハングリー精神が今あるのと。ガンバレ東響

投稿: 取手のアホ | 2008年5月23日 (金) 23:45

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