「日本は水の消費大国」~日経より
今朝(08/5/11)の日経(P11)「サイエンス」に「日本は水の消費大国~食料輸入に頼り不足分を穴埋め」というショッキングな記事が載っていた。曰く・・・
「牛丼一杯がペットボトル(1.5ℓ)1260本、コップ一杯の牛乳が同73本の水を消費する――。親子三人の昼食に並んだメニューの食材を国産だけで作ったと仮定したところ、合計4トンの水が必要だった。
特に水の消費量が多いのが牛丼だ。牛肉は牛が口にする飲料水のほかに、エサをなるトウモロコシなどの農作物の栽培にも大量の水が必要になるからだ。牛一頭育てるには6540トン、牛肉1kgでは約24トンの水が必要となる。コメは水田に水をはって豊富な水を使うようにみえるが、1kgでは3.6トン。単純に牛肉と比較すると、約6分の1で済む。・・・
・・東京大学と国立環境研究所の研究チームは、輸入した農作物を国内だけで生産すると仮定したところ、2000年度は年間627億トンの仮想水が必要になると試算した。国内で1年間に農業用として使える灌漑用水などの572億トンを上回る。・・・」
これではどうもピンと来ないので、例を挙げると・・・
「ビールジョッキ一杯=52ℓ、牛乳=110ℓ、フライドポテト(S)=25ℓ、月見そば=750ℓ、牛丼(並)=1890ℓ」だそうだ。
さっきの「3人の昼食に4トンの水が必要」とあったが、風呂(約200ℓ)の水で例えると、4トンは風呂20杯分となる・・・。これで少しはピンと来たかな??
そして、食料1kg作るのに必要な水の量は、・・・・
牛肉=20,600ℓ、豚肉=5900ℓ、鶏肉=4500ℓ、米=3600ℓ、卵=3200ℓ、大麦=2600ℓ、大豆=2500ℓ、小麦=2000ℓ、トウモロコシ=1900ℓ、パイナップル=396ℓ だとか。
日本の食糧自給率は39%で先進国では世界最低水準だが、仮想水で眺めてみると、大変な状況だという事が見えてくる。
(仮想水=バーチャル・ウオーター=海外から輸入した農作物や工業製品をもし国内だけで生産したと仮定したときに必要となる水の量。~1990年代に英国ロンドン大学のアンソニー・アラン教授が提唱)
ミャンマーではサイクロンの被害で大変らしい・・・。我々は、平和な日本でのんきに暮らせるのはラッキーだとしても、日々の消費については、(日本の美徳である)「もったいない」の精神は不可欠とだということか・・・
(メモ)
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コメント
■フードマイレージ、バーチャルウォーターだけが環境負荷指標か?-バーチャルCo2はどうなのか?
こんにちは。最近フードマイレージやバーチャルウォーターという環境負荷指数が、マスコミなどで取り上げられることが多くなりました。しかし、私は、この指標自体に問題はないと思いますが、これだけに着目した場合片手落ちになるような気がします。私は、環境負荷指標に関して、バーチャルCo2という概念を考えてみました。この考えは、たとえばある国がある製品を輸入した場合、輸出国でその製品を生産したco2を輸入国に上乗せするというものです。詳しくは私のブログをご覧になってください。ただし、これは私が初めて考え付いたものなのか、それとももうすでにそのような概念があるのかどうかは判りません。もしご存知でした教えていただきたいです。いずれにせよ環境問題は地球規模の問題ですから、あらゆる観点から見ていく必要があると思います。
投稿: yutarlson | 2008年5月13日 (火) 11:59
yutarlson さん
なかなか専門的に検討されているようで・・・。
当blogでも、前に「地球温暖化を考える」という記事を書いた事があります。
避けては通れない事なので、まずは理解(認識)から・・でしょうか。
投稿: エムズの片割れ | 2008年5月13日 (火) 23:17