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2008年5月15日 (木)

ハーモニカ(森本恵夫)による「チゴイネルワイゼン」

「超絶技巧」という言葉があるが、楽器を自在にあやつる妙技で、最も感心したのが森本恵夫のハーモニカである。
サラサーテの「チゴイネルワイゼン」はバイオリンの難曲として有名であり、色々な楽器で演奏されている。当blogでも、サラサーテの自演やマリンバの演奏(ここ)を論じたことがある。
しかし、先日聞いたこのハーモニカの演奏には参った。何せ、息を吸ったり吐いたりで演奏するのがハーモニカ。良くこれだけのスピードで息を制御できるな・・・、と感心した。

このCDの解説をNetで読むと、この森本恵夫(よしお)というハーモニカ奏者は「チゴイネルワイゼン」を吹いて62年、このCDが発売になった2003年には80歳を迎えたという。
よってこの演奏は、素人が“ヘエー”と聞いてビックリするような単純なものではないらしい。つまり、この“一曲”には奏者「森本恵夫」の62年間の執念が込められている演奏・・・という事になる。それを頭に聞くと、実に「悪魔の演奏・・・」に聞こえてくる。ヴァイオリンは指を動かせば音程が変わる。マリンバは叩けば音が出る。管楽器も指でレバーを押さえれば・・・・・。でもハーモニカは「息」が全て。その息をここまで制御できるとは・・・・。その悪魔の演奏を聴いてみよう・・・

森本恵夫(ハーモニカ)「チゴイネルワイゼン」

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Netで「森本恵夫」のプロフィールを読むと(ここ)、壮年期に出場した世界大会で2位の偉業。そして、1991年には世界ハーモニカ・チャンピオンシップス(デトロイト)で優勝したそうだ。まだ現役らしい・・。この演奏が何歳の時の録音かは分からないが、もしCDの解説通り80歳の時の演奏だとするとすると、それはスゴイ・・・。
80歳といえばもう後期高齢者である。それが、まさに体力勝負のハーモニカの演奏でこれだけの演奏を遂げる“もの凄さ”・・・。
前に、伊達公子の復活について当blogに書いたが、還暦を過ぎた位でオタオタしている自分が情けない・・・・
この執念の演奏を聞くと、還暦なんぞまだまだ「洟垂れ小僧」では?  ナンテ思ってみたり・・・

(関連記事)
サラサーテ自演の「チゴイネルワイゼン」

「チゴイネルワイゼン」の想い出

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コメント

前略 
コメントではありませんが (懐かしくて)
40年ほど前、都立池袋商業高校のハーモニカソサエティーでドラムスを担当していました、
池商祭(文化祭)を神田協立講堂で2年生、3年生と2回森本先生の指揮でステージを務めました、ふと思い出してネットで検索すると元気に活動されている先生のご様子を知る事が出来とても懐かしく感じ、その時のテープを出してきて池商祭2年分の2ステージのクラブの演奏と、先生の名司会、進行そして恒例のソロ演奏1年目は、戦後上野駅で演奏した「荒城の月」2年目は、レコード大賞の曲、都はるみ「北の宿」を高校時代を思い出して聞いてみました、若いころは自分の演奏ばかりを聞き入っていましたが、いまこうして先生のソロを聞きますと繊細でリズムとメロディーとハーモニーを同時に奏でるテクニックには驚きです、機会があればまたお会いしたいです、いまでもアオトにお住まいでしょうか・?

【エムズの片割れより】
ハモニカというと、小学生時代の楽器、との記憶しかありませんが、氏の演奏を聞くと、そのものすごいテクニックに驚きます。

投稿: 手塚 裕彦 | 2014年7月19日 (土) 19:13

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