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2008年4月 4日 (金)

吉田兼好のいう「友とするにわろきもの」

通勤途中で、平安時代のエッセイである吉田兼好の現代語訳「徒然草」(角川ソフィア文庫)~ビギナーズ・クラシックス)を読んでいるが、今日読んだ所に「友とするにわろきもの」(第117段)(P156)という段を読んで、前に当blogで「ブッダの教える『友人関係』」という記事を書いたのを思い出した。ブッダの言う「良友・悪友」と平安時代の吉田兼好の言う「良友・悪友」を比べてみるとなかなか面白い。曰く・・・

「友とするにわろきもの七つあり。一つには高くやんごとなき人、二つには若き人、三つには病なく身強き人、四つには酒を好む人、五つにはたけく勇める人、六つには虚言(そらごと)する人、七つには欲深き人。
よき友三つあり。一つには物くるる人、二つには医者(くすし)、三つには智恵ある友。」(徒然草 第117段)

この文は、現代文に置き換える必要が無いくらい良く分かる。いわゆる“おつきあい御免の7タイプは、「お偉いさん」「青二才」「不死身」「飲んだくれ」「冷血漢」「うそつき」「欲張り」”だ。
これに対して“大歓迎の3タイプは、「援助好き」「医者」「知恵者」”

これは「論語」を下敷きにした友人論なのだそうだ。
ちなみに古語を成績の5段階評価とを組み合わせてみると、
「よし」~5点、「よろし」~4・3点、「わろし」~3・2点、「あし」~1点。
つまり、ここで言っている「わろき者」とは、好ましくないという意味。一方、「よき友」はベストフレンドということになるそうだ。(P157)

ちなみにブッダは、よき友は「(1)助けてくれる人 (2)苦しいときも楽しいときも一様に友である人 (3)ためを思って話してくれる人 (4)同情してくれる人」であり、悪き友は「(1)何ものでも取って行く人 (2)ことばだけの人 (3)甘言(かんげん)を語る人 (4)遊蕩の仲間」だと言う。

でもまあ若い人と違い、我々還暦にもなると、会社関係以外で新しい人と知り合うチャンスはほとんど無く、友人を選ぶなんて、到底縁が無いのが現実・・・・。(閉鎖世界に住んでいる自分だけかも知れないが・・・)
でも2500年前のブッダの時代でも、700年前の吉田兼好の時代でも、人間が考えている事は大して違わないという事か・・・・・

(関連記事)
ブッダの教える「友人関係」

●本日カウントが7万を越えました。皆様の“ご愛顧”に感謝します。

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