「本屋大賞2008」~全国書店員が選んだいちばん!売りたい本
今朝(08/4/20)の日経(P21)に、「活字の海で~注目度増す本屋大賞~等身大のオススメにファン動く」というコラムがあった。
昨日も書いたが、自分のようなミーハーは、読む本を選ぶときに、プロである本屋さんのオススメは、客観的でありなかなか有用である。
コラムによると、「本屋大賞」は今年5年目を迎え、本音を言うと出版社は直木賞よりもよっぽど欲しいとの事。理由は、本屋大賞で1位に選ばれた本は、プラス20万部の増刷は堅く、事実、04年以降では、直木賞の22万部に対して、本屋大賞は83万部だそうだ。
たまたまさっき本屋に行ったら「本屋大賞2008」なる本が売っていたのでつい買ってしまった。その記事も含めてこの賞について紹介してみる。
今年の本屋大賞は、全国749書店から1037人のエントリーがあり、その中から実際に1次投票したのが426人、2次投票には386人の書店員が参加したという。
「本屋大賞は全国の書店員が「いちばん!売りたい本」を選ぶ賞であり、書店員の投票のみで大賞が決定する。投票資格を有するのは新刊書店に勤務するすべての書店員。第5回の対象になる本は、06年12月1日~07年11月30日の間に刊行された日本の小説で、投票は1次と2次の二回。1次投票では対象となる本から投票者が「読んでよかった」「もっと売りたい」と思った三作品を選び推薦理由とともに投票する。その結果、投票が多かった上位十作品を2次投票のノミネート作品とし、2次投票は、その作品すべてを読んだ上で、改めて三作品を選び推薦理由と共に投票する。1次2次とも、1位3点、2位2点、3位1.5点が得点となり、獲得点数がもっとも多かった本が大賞となる仕組みだ。」
<本屋大賞2008 ベストテン>
① 「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎/新潮社 509.5点
② 「サクリファイス」近藤史恵/新潮社 312点
③ 「有頂天家族」森見登美彦/幻冬舎 280.5点
④ 「悪人」吉田修一/朝日新聞社 233.5点
⑤ 「映画篇」金城一紀/集英社 227.5点
⑥ 「八日目の蝉」角田光世/中央公論社 225点
⑦ 「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹/東京創元社 213.5点
⑧ 「鹿男あをによし」万城目学/幻冬舎 196.5点
⑨ 「私の男」桜庭一樹/文藝春秋 129.5点
⑩ 「カシオペアの丘で」重松清/講談社 126点
ちなみに第1回~第4回までの受賞作品は、
<第1回 本屋大賞2004>
①「博士の愛した数式」小川洋子/新潮社 202点
②「クライマーズ:ハイ」横山秀夫/文藝春秋 148点
③「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎/東京創元社 111点
④「永遠の出口」森絵都/集英社 109点
⑤「重力ピエロ」伊坂幸太郎/新潮社 99点
<第2回 本屋大賞2005>
①「夜のピクニック」恩田睦/新潮社 374点
②「明日の記憶」萩原浩/光文社 302点
③「家守綺譚」梨木香歩/新潮社 274点
④「袋小路の男」絲山秋子/講談社 185点
⑤「チルドレン」伊坂幸太郎/講談社 155点
<第3回 本屋大賞2006>
①「東京タワー」リリー・フランキー/扶桑社 279点
②「サウスバウンズ」奥田英朗/角川書店 196.5点
③「死神の精度」伊坂幸太郎/文藝春秋 190点
④「容疑者Xの献身」東野圭吾/文藝春秋 184.5点
⑤「その日のまえに」重松 清/文藝春秋 179.5点
<第4回 本屋大賞2007>
①「一瞬の風になれ」佐藤 多佳子/講談社 475.5点
②「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦/角川書店 455点
③「風が強く吹いている」三浦しをん/新潮社 247点
④「終末のフール」伊坂幸太郎/集英社 228点
⑤「図書館戦争」有川浩/メディアワークス 176点
今は、なかなか時間が取れない自分だが、「毎日が日曜日」になったら、評判のこれらの本は一通り読んでおこうか・・・と思った。(これは備忘録である)
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コメント
G/W 明けの3日間は、どこへも出かけず家に閉じこもって、夏川草介:作「神様のカルテ」0,2,3巻を一気に読み終えました。
この作品が、2010年 本屋大賞第2位に選ばれた超ベストセラーであったくらいは、なにかで見聞きした程度ですが、3~4年前に映画化されたことも全然知らずに、何となく書店の棚から手にとってパラパラとめくっている内、主人公が無類の漱石フアンで、信州松本の病院が舞台云々・・と、只それだけで3巻とも手に取り買い求めました。
以下は、私の率直な感想です。
医者でもない私にとって、医療の現場に関われるのは患者という立場でしかあり得ません。
しかも、都心の大病院でなく、「24時間365日対応」という看板を掲げた一地方病院の医師や看護師の昼夜を分かたぬ働きが どのようなものかが 分かっているわけでもありません。
時代をリードするような最先端医療機器や技術があるわけでもない中で、もがき葛藤する医師や看護師が、限界を感じながらも「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である」との信念のもとで、医者である前に人間として今なにを成すべきかを、問いかける若き内科医と彼をとりまく地方病院のスタッフの熱気溢れる感動物語です。
この作品を読んでいて、もう一度人生をやり直し、思い切り青春の血を燃やしてみたい。
そんな感情が込み上げてきました。
聖学院大学全学教授の姜尚中(カン・サンジュン)氏の解説の一部を紹介します。
『医師であり作家としての、夏川草介の作品がとりわけ出色なのは、地域医療の現場で、それこそ、「安物のラップのように、無造作に切り取られては使い捨てられている」医師を主人公に、その眼を通じて地域に生きる人々の生を、その悲喜劇を、生き生きと活写しているからである。・・・「神様のカルテ」が多くの読者を引き付けて離さないのは、そうした地方のありふれた光景の中で営まれる市井の人々の喜怒哀楽が、医療の現場から生き生きと浮かび上がってくるからである』
投稿: あこがれ | 2018年5月11日 (金) 18:35
『神様のカルテ』理屈抜きに、ともかく面白かった。小説も映画も 結構 話題になったらしいが、知らぬは私だけだったのかな?と、このブログを探してみましたが、見あたりませんでしたので、コメントさせて頂きました。
あるいはコミックか、単純なトレンデイドラマのようなものかなと、軽い気持ちで読み始めましたが、夏川草介という若い作家の持つエネルギーと文章力の高さ、それに主人公以下の会話の面白さ、一直線な真面目さの中に溢れるユーモアのセンス・・等々、一気に引きずり込まれ楽しい時間を過ごせ、幸せな気持ちにさせられました。
今から、仕事で六甲山にあがります。
これでも山荘の管理人として、週末は結構多忙でハードです。
【エムズの片割れより】
そうですか・・・。自分も機会があったら読んでみたいと思います。
投稿: あこがれ | 2018年5月12日 (土) 09:52