杉並児童合唱団の「冬の花」~斉唱の美しさ・・・
今日は「斉唱」の美しさについてである。
聞いていて“心が素直になれる音楽”というのは確かにある。例えばこの歌・・・・。
杉並児童合唱団の歌う「冬の花」という唱歌(童謡?)である。
<杉並児童合唱団「冬の花」>
「冬の花」
作詞 阪田 寛夫
作曲 湯山 昭さわってみたい 冬の花
かれた野原の 白い星
さわればきっと つめたくて
こころもしろく ひかるでしょうさわってみたい 冬の花
ゆびをしずかに 近づける
さわればきっと 花びらは
小さい涙 こぼすでしょうさわってみたい 冬の花
けれどなぜだか さわれない
そのままそっと 立ち上がり
はしってかえる かれ野原
この歌は、自分はたまたまラジオで聞いたのだが、この音源のCDがなかなか見つからない。そして分かったのが、CDマガジン「日本のうた こころの歌」No.52に収録されている事が分かった。その冊子によると、この歌は、昭和52年12月の作品で、小学校4年生の音楽の教科書のために書かれ、この歌は「イ短調」を学習する目的だったとか。
その他、「日本童謡唱歌大系 第5巻(東京書籍)」「現代こどもの歌秀作選 湯山昭選集」にも載っているらしい。
しかしこの歌、心に素直に入ってくる、澄んだ良い曲ではないか・・・
この歌を聞くと、パートに分かれたいわゆる「合唱」でなく、同じ旋律を歌う「斉唱」もなかなか良いものである。
そういえば、オーケストラのヴァイオリンも、ソロと違って合奏は何かしっとりと品が出る。児童合唱も同じで、この歌声も何か品があるな・・・
ところで、ここで言う「冬の花」とは何という花だろう?
別に、今年も去って行く「冬」を懐かしむ訳ではないが、まあこんな歌でも聞きながら、年寄りに厳しかった冬にサヨナラでもしようか?
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コメント
「冬の花」は、東京書籍が発行する小学校音楽科用教科書「新しい音楽」のために作詞・作曲されたもので、昭和58年度版の教科書が最初です。
教科書の編集委員会の際に、小学生が歌える「冬」の曲が新たに必要との議論になりました。「冬の花」にはどんなものがあるだろうか検討したところ、湯山昭先生から「冬の花」という題のままでよいのではないかという意見が出て、その題で阪田寛夫先生に作詞を依頼しました。遅筆で有名な阪田先生ですが、この曲はすぐに書けたとのことでした。
その詞に湯山先生が曲をつけましたが、ご本人もとても気に入ったようで、ご自身の「秀作選」にも掲載されました。
昭和58年度版の教科書では葉祥明さんにイラストをお願いしましたが、「冬の花」とは何かというご質問を受けました。葉さんのイメージでよいとお伝えしたところ、冬の野原に両手を広げてたたずむ女の子のイラストになりました。
教科書の編集担当者にとっても思い出に残る曲です。たまたまこのページを拝見し、余計なこととは思いましたが、コメントさせていただきました。
投稿: 教科書編集者 | 2009年3月18日 (水) 10:45
教科書編集者さん
コメントを本当にありがとうございます。
そうですか、昭和58年とは新しい・・・。だからNETで検索しても出てこないのですね。
でも本当に心が素直になれる名曲だと思います。ありがとうございました。
投稿: エムズの片割れ | 2009年3月18日 (水) 23:35