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2008年3月27日 (木)

「おもねる」というイヤな言葉~都の400億円出資に思う

今朝(08/3/27)の日経の社説「都民にツケ回した「石原銀行」救済の罪」は実に的確な指摘である。(全文はここ)(朝日の社説も全く同様の論調だった)  曰く・・・

「・・・私たちは新銀行を早期に幕引きするようにこれまで繰り返し求めてきた。・・・
都議会の審議でもこうした疑問点は解消されなかった。・・・
最大会派の自民党に至っては審議が始まって早々に賛成を表明し、新銀行に関する質問はほとんどなかった。・・・
自民、公明が賛成に回ったのは来年夏の都議選を意識したためだ。福田康夫政権の支持率が低下するなかで、石原与党という立場を明確に打ち出す方が得策とみたのだろう。都庁に寄せられる意見や様々な世論調査をみても追加出資に反対する声が多いのに、両党は党利党略を優先して都民にツケを回した。時間がたてば新銀行問題について都民は忘れるとでも思っているのか。
 都議1人の報酬は年間約1700万円と地方議会のなかで最高の水準である。それでこのありさまだ。新銀行の経営が今後改善しない場合、石原知事はもちろん、都議会はどう責任をとるつもりなのだろうか。」

この400億円の負担は、1人当たり3110円、都内一世帯当り6520円になるというから、合計1400億円では2万3千円近くにもなる。つまり、我が家でも2万3千円を石原銀行に出資しているのだ。
石原知事は「皆さんが選んだ都議会で説明する」とうそぶき、説明を受けるべき都議会がこの体たらく・・。何とも言葉が無い。
都民の声を代弁するべき都議が、自分達の私利私欲を優先して都民にツケを回す姿勢には、もはや無力感さえ漂う。
しかも石原知事は「都民の皆さんが、議会が知っていること以上に知っているわけがない。」「世論調査を気にしていたら政治なんてできない」と言ってのける・・・・。このような人を誰が選んだのだ・・・・

話が変わるが、視点をサラリーマン社会に向けてみよう。
先日、何かで「おもねる」というイヤな言葉を聞いた。時は4月。まさに会社の人事異動、組織改変のシーズンだ。そこには当然組織体制変更(上長交代等)による悲喜こもごもがある。そしてサラリーマンは、上長に対して迎合しなければ生きて行けないという宿命がある。
前にこのblogで「四苦八苦」について書いた(ここ)が、八苦のひとつに「怨憎会苦(おんぞうえく)~うらみや憎しみをもった相手と付き合う苦しみ」がある。

フト、この自公の党利党略は、サラリーマン社会ではどこにでも転がっている、このイヤな処世術と同じような気がした。
もしかすると、都議会の自公は石原知事に対して、苦しんでいるのかも・・、と考えると、実は“哀れ”なのかも知れないな・・・・。(TVで見た、議会で可決後に知事と握手をしている面々・・・)
でももし今、都議選があったら、少なくても石原与党には投票しないだろうな、と思うこの頃である。
(政治向きの事は書かない方が良い、とカミさんは自分に忠告するが、今日だけは我慢できない・・・)

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コメント

ほとんどのメディアで知らされないが今現在は知りませんが去年の今頃で言えばこの銀行の無担保・無保証人融資制度はサラ金まがいの会社(否、以前は立派なサラ金)が保証する。借りたは良いが返せない(高利だから)の図式になるのは自明の理。後は言うまい。

投稿: なんだかんだ | 2008年5月 3日 (土) 18:22

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