「般若心経」勝手帖-14 羯諦羯諦
しゅうそくせつしゅーわつ
呪即説呪曰
ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてー
羯諦羯諦波羅羯諦
は ら そーぎゃーてーぼーじーそ わ かー
波羅僧羯諦菩提薩婆訶
はんにゃーしんぎょー
般若心経
通訳すると、
呪即説呪曰=即ち呪文を説明すれば、
羯諦羯諦波羅羯諦=行こう、行こう、彼岸へ行こう。
波羅僧羯諦=みんな揃って彼岸へ行こう。
菩提薩婆訶=みんな揃って悟りの彼岸に行き着こう。
「羯諦」は「行く」という意。 ではどこに? 「極楽と呼ばれる悟りの「彼岸」に。ここで言う「行く」とは「日ごろの行い」のこと。つまり「菩薩の行い」=「六波羅蜜行」の事。
「波羅羯諦」は「波羅“蜜多”羯諦」の蜜多が省かれたもの。
「波羅僧羯諦」は、「波羅“蜜多”」を「僧=ここでは私たち一般大衆」が「羯諦=(彼岸へ)行こう=お互いに六波羅蜜行という菩薩の行いを実践しましょう」
「菩提薩婆訶」の「菩提」は悟りの境地で仏さまの住む世界。「薩婆訶」は“成就する。完成する”の意。(「声を出して覚える般若心経」より)
ちなみに「羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶」という真言は、サンスクリット語を、表音文字(いわゆるカタカナ)で表現したものだが、今聞いてみると、サンスクリット語では「ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディスヴァ-ハー」、中国語では「チエティ チエティ ポロチエティ ポロスンチエティ プウティサアポホ」、韓国語では「アゼ アゼ バラアゼ バラスアゼ モジサバハ」と発音している。(参照:サンスクリット語、中国語、韓国語の「般若心経」)
ともあれ、この「般若心経勝手帖」なるものも、悪戦苦闘しながらも何とかゴールにたどり着いた。悪戦苦闘=やっぱり難しい・・・・ということ。(このスタートが06年10月なので、ゴールまで1年半掛かった・・・)まあそれもそうだ。「大般若経」600巻のエッセンスが般若心経であるというのだから、そう簡単に分からない(はずだ)。
この「勝手帖」も、引き続いて心経にまつわる話を続けてみよう。あまりに深い心経ゆえ・・・。(そのうち、「観音経」についても書いてみようか・・・)
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コメント
拝見させて頂き有難う御座いました!
>「波羅羯諦」は「波羅“蜜多”羯諦」の蜜多が省かれたもの。?
「蜜多」は、梵語「イター」を音写された語句の様です。
梵語の意味は、「到る」と聴いておりました。
「波羅」は梵語「パーラム」を音写された語句の様で、「あちらの岸」彼岸という意味の様です。
“蜜多”は、省かれたのではなくて、ダライ・ラマ法王の法話に「見道に往け!」と有りましたが、
未だ到ってはいない途中なので、蜜多の語句は不要なのだと、愚考しております・・・
老いた者が忌憚なく書きました事、悪しからず諒恕を御願い申し上げます。
【エムズの片割れより】
般若心経は、本当に奥深いですね。
色々と勉強になりました。
ありがとうございます。
投稿: 大橋成好 | 2021年3月 1日 (月) 09:18