障害児と家族~障害者自立支援法改正はまだか?
今朝(08/1/13)の朝日新聞の「声」の欄(P10)に、障害者を兄に持った小学生の投書があり、それを読んで障害児を持った親の大変な苦労を想像してしまった。曰く・・・
「障害の兄いて友だち増えた」
男子小学生(兵庫県伊丹市 10歳)
ぼくの兄の和くんは6年生で、重度の知的障害があります。母は兄ばかりかばうので、僕はきらわれていると思っていました。
ある時、母に手紙で「なぜ和くんばかりなの」と書くと、「和くんは病気なので、大輝にめいわくかけるけど、ママは心の中で愛しているよ。大輝も和くんのことをよろしくね」という手紙がかえってきました。そして「ママは、大ちゃんと和くんがいてくれて、とても幸せです」とも書いてありました。ぼくは、この一言で心が変わりました。
兄のことで、友だちからいやなことも言われたことがあったけど、兄がいるおかげで6年生にいっぱい友だちが増えました。今では、元気な兄を大好きに思います。
手紙の最後に、「これからも家族で協力して、がんばって生きていこうね」とありました。ぼくの心は幸せで満タンになりました。ぼくの将来の夢は、プロ野球の選手です。
文は小学生らしく素直であり、非常に暖かいが、母親の「がんばって生きていこうね」という一言に全てが凝縮されており、キレイ事ではない家族の大変さ(むしろ母親が自分に言い聞かせている・・・)が滲み出ている気がした。
話は変わるが、先日(08/1/4)のNHKラジオ深夜便「こころの時代」で、「日々是好日(2) 南無の会名誉会長 松原泰道」を放送していたが、ここで「みる」という事について話していた。看護婦さんの「看」の字は「手」の下に「目」があり、『手で看(み)る』とか・・・・。これこそ千手観音の意味・・・。そしてこんな話もしていた。
“目の見えない子が、お母さんの絵を描いた。先生が「良く描けたけど、お母さんの足が二本なのに、何で手をたくさん描いたの?」と聞くと「お母さんは、ボクが見えないから、兄さんや妹よりもボクにたくさん手を掛けてくれる。それでお母さんありがとうという意味で手をたくさん描いた」と答えた。・・・・”
障害者自立支援法の改正もまだ見えない。障害児を抱えた家族はどこも大変である。この投書の家族のように、前向きに生きようとしている姿は、ことによると稀かもしれない・・・。そしてどの家族も、ちょっとした事で家族崩壊の危険をはらんでいる。
政府の懸案の補給支援法が成立した事でもあるので、福田政権発足時の約束である「障害者自立支援法の改正」を、そろそろ願いたいものである。
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