HD-DVDとブルーレイ(BD)の綱引きに決着?
先日(08/1/4)、ハイビジョンの次世代DVD規格である「HD-DVD」を東芝と共に主導してきた米映画大手ワーナー・ブラザーズが「ブルーレイ・ディスク(BD)」陣営の単独支持を発表し、「次世代DVD勝負は決着か?」と、新聞で大騒ぎである。
まあ消費者にとっては、早く普及してメディアもハードも安くなってくれると有難いのだが・・・。
2007年1~9月の米主要映画会社のDVDのシェアは、BD陣営では「20世紀フォックス(15.6%)」「ソニー・ピクチャーズ(15.1%)」「ウォルト・デズニー(12.3%)」「ライオンズゲート(5.8%)」であり、今回最大手の「ワーナー・ブラザーズ(18.4%)」が加わって合計67.2%。
一方、今回窮地に立ったHD-DVD陣営は「パラマウント(12.5%)」「ユニバーサル(10.3%)」の計22.8%となり、3:1の比率となった。
引き続き、パラマウントもHD-DVDの契約に「ワーナーがブルーレイを支持した場合は規格の乗り換えを認める条項がある」とか、「契約は向こう18ヶ月間という期限付き」という報道もあり、今日の夕刊だと一ヶ月以内に方針を出すという。そして最後の盟友である米マイクロソフトの幹部までが「諸費者が望むなら対応を考える必要があると語った」と報道される始末・・・。ここに来て、雪崩現象の恐れがあるとのこと。
今回の仕掛け人はソニーのストリンガー会長。会長はCBS出身でハリウッドに豊富な人脈があり、今回もトップセールスで親会社を口説いたらしい。背景としては、タイムワーナーの株価はこの1年で27%も下落。その一因に「新世代DVD市場のもたつき」をアナリストから指摘され、今月最高経営責任者に昇進したビューケス氏がHD-DVDとの離縁を決断したという。
ハードは、米クリスマス商戦前まではHD-DVDプレヤーが過半数を占めていたが、プレステーション3の販売増でこの商戦中にBDのシェアが70%に達したという。もちろん日本でのシェアはBDが98%と圧倒的。
確かにそろそろ決着させないと、ソニーがBD規格を立ち上げたのが02年2月というから、時間軸的にはもったいない。つまりせっかくの新技術の普及が遅れているのはもったいない。
ソニーは専業メーカとしてDBに命を賭けているようにも見えるが、東芝の本業は半導体と原子力。西田社長がSEDや有機ELテレビをあっさりと引っ込めたように、近い内にHD-DVDについても「やーめた」と宣言しないとも限らない・・・・。
ともあれ、目線を消費者に向けての進捗を期待したい。
しかし、米大手映画会社がBDに結集したとして、今度はBDが普及するかというとはなはだ疑問だ。日本では上述のように既に98%のシェア。でも普及が遅れている。
これはメディアが高価なのが普及の妨げになっているような気がする。
現在のCPRM対応DVD-Rは@100円位になっているが、BDは@700円位、HD-DVDは@900円位で、とても買う気にならない・・・。
PCのHDDなら、容量によって価格が違うのも分かるが、ハイビジョンのディスクは、消費者にとっては容量なんて関係ない。何時間ハイビジョンで録れるか・・・だ。
方式が一方に決まっても、消費者が最も気になる燃費(メディアの価格)が、手が届く所まで下がらなければ、結局は「消費者のために・・・」では無くて「メーカーのために決着・・・」になってしまう。
今後のBDのメディアの価格下落に、大いに注目(期待)したい。でもそろそろ買い時かもね・・・。
(松下電器が社名を「パナソニック」に変えると夕刊で報道されていたが、それを記念して(?)安くしないかな・・・)
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